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第三話「MR」

それぞれの思惑の中、萩原明は、ついに学校の謎に触れていきます!


更新遅くなってすいません。今後も頑張ります!!

親父は仕事人間だった。朝は、七時から夜は二時位まで働き続けていた。

母はそんな父に不満を抱いていた。きっと母は、『親』になれなかったのだろう。いつまでも『女性』でしかいられなかったのだろう。







そんな両親の間に生まれた俺はいつも一人だった。小学四年生には自分でメシを用意していたし、バイトは学校にばれないように中学からしていた。

高校に入り、バイトを掛け持ちするようになってからは当然だが学校は殆ど行かなかった。

気付けば殴るというクセは父親譲りだと叔父さんが教えてくれた。

小学校から中学校まで気付けば殴り、気付けば殴り、を繰り返した結果近辺ではそれなりに名のしれた不良として名が通るようになった。親への怒りなど当然なかった。俺は、そういう星に生まれ忌み嫌われるのが定めなんだと小学生のころからその点では自分の中で落としどころを作り自分を落ち着かせていた。



そんな経歴からか、まともじゃないと言われるのには慣れていた。いや、そうじゃない。慣れないといけなかったんだ。慣れて、相手を冷やかすように見て、そうやって自分を騙してないといけなかった。そうでもしてないと自分が壊れてしまうことを無意識化で理解していたんだと思う。これは、同時に強い言葉を使う奴ほど弱いという言葉の本当の意味を痛感する形となった。








だからだろうか。

『まとも』な生徒と『否まとも』な生徒。

そんな風に区切られてしまう時点で、まともな学校とは言えないはずなのに自分を特別視しないその学校は萩原明(はぎわらあきら)にとって、感動的感情が込み上げてきたのだろう。

「お前さんが言ったように、解散後に総司が調べてくれたみたいでな。日付が変わるころに嫌になるくらいの長文でお前さんのことが送られてきた」

「そっか・・・・・」

前田大樹との空気は重く感じられた。まぁ、こんな感じで友人をなくすことはいくらでも経験してきた。こいつらともこれまでか。次の大樹の言葉を想像して覚悟した時だった。

「まぁ、誰でも話したくない過去くらいあるよな♪」

「え?」

それは思いもよらない一言だった。

「正直、俺にはそういうのないからわかんねぇ。だけど、俺が見てる『萩原明』は昔のお前さんじゃなくて今のお前さんなんだよ。なぁ~に、気にするこたぁねぇよ。昔のお前と会ったことねぇんだからわかんねぇし、今のお前がいいやつだから、それでいいじゃんか」

「そっか・・・・・」

感動というか、驚きというか、涙なんて出る気配もない。最早、あきれ始めていた。とにかく笑えて、とにかくバカらしかった。

「な!?笑うことねぇだろ」

「大樹・・・お前・・・・・相当バカだ」

「なんだと、言うじゃねぇか、この」

こいつになら任せられるかもしれない。勝手にそんな感情が生まれだす。

「ふっ・・・・よろしくな、大樹」

「ああ!・・・・・さっそくなんだが、一個頼まれてくれねぇか?」

「・・・・・?」

「いいか、明。学校に『まとも』、『否まとも』がいるってのはそんなに問題じゃねぇんだ。問題なのはその『否まとも』がやる『体罰』って行為なんだよ」

「・・・・・『体罰』・・・だと?」














学校の正門は、7時半には開かれその時間から登校そることができる。だが、そんな時間に登校してくるのは相当の物好きしかいない。そう。物好きしか。

「萩原明・・・・・」

そんな時間でも申請しておけば学内の施設を自由に使える。コンピュータールームには自らのノートパソコンと学校のPCとにらめっこをする加賀村総司(かがむらそうじ)がいた。

「学籍ネット、住基ネット、どこを調べてもそんな名前見つからない。だが、在籍していることにはなっている。逆に言えば、わかるのはそれだけ。専攻、クラス、学年すら特定できない・・・・・」

毎度毎度、住基ネットの改竄履歴から、彼の名前を見つけて復元を試みてみるも必ずエラーを起こす。

「これ以上は危険か・・・・・」

そう判断した総司はすべてのPCをシャットダウンし、PC用のメガネをはずした。

「注意が必要だな・・・・・・」













「まとも連合?」

なるべく人気のない道を選んで登校する大樹と明。

「そう!略して、MRだ!」

「いや、スペル違うだろ?」

まとも連合なら、Proper Allianceじゃ、ねぇのか?

「そうなんだよ、隆太と総司もそんなこというんだよ。あってるよな?」

「お前、やっぱりバカだな。それで、そのMRがなんだって?」

「突っ込みたいところがあったが今は、スルーしといてやる」

そういうと大樹が真顔になった。

「さっき、『体罰』については説明したな?」

「『否まとも』の連中がいきなり暴れだして、捕まえた『まとも』のやつを自分の味方にしちゃうやつだろ?不定期ながら、必ず週一回は起こるって言ってたな」

「ああ・・・・・」

心なしか、大樹の顔が暗い。おそらく、体罰によりいままで捕まった仲間たちのことを思い出しているのだろう。

「その、『体罰』を指をくわえて見ているわけにはいかないって一部の『まとも』連中が手を組んで、対抗するようになったんだ。そんなグループがいくつかできて行って、分離と統合を繰り返した・・・・・」

なんとなくだが、察しがついてきた。

「・・・・・・そのグループの一つがMRってことだな」

「流石。察しがいいな」

「・・・・・」

「意外に冷静だな」

「え?」

「こんな突拍子もない話聞いて、そんな冷静にいられる人なんてそう居ないだろ?もちろん、信じるか信じないかは別にしてな」

確かに突拍子もない話ではあったが、学校の状態を一度見てしまった身としては信じるしかないだろう。

「まぁ、確かに、ビックリする話ではあったけど学校の様子を一度見てるし、突拍子もないことに関しては俺自身も事欠かないだろうよ」

このあたりでのろけを入れてみる。

「ちげぇねえや。それで、忘れる前に言っておきたいんだけどよ」

登校はすでに学校が見えてくるところまで進んでいた。前日に感じた、この学校独特な雰囲気に圧倒されそうになる。

「萩原明。俺たちMRとしてはお前をMRのナンバーツー、筆頭に迎え入れたいと考えている」

「俺が・・・・・筆頭?」

いつになるかわからないけど、頑張って続きを書きます・・・・・

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