第6話
数日後
今日はついにランク2のダンジョンへ向かう。ランク1は初心者でも余裕をもって探索ができるレベルだがランク2からは違う。人はランク2からが本当のダンジョンだという。やってきたのは八王子にあるダンジョン。
「ちょっと緊張するな~。どう違うんだろう?」
ダンジョンについては軽く調べた程度で知らないことのほうが多い。だけどランク2から受付が常設されているというのは知っている。
「柿沼誠二です」
「柿沼様ですね。このダンジョンは初めてですか?」
「はい。初めてです」
というかランク2すらも初めてだけどな。
「でしたらこのダンジョンの簡単な説明などはどうなさいますか?」
「じゃあぜひお願いします」
というわけで教えられたこのダンジョンは・・・
・洞窟タイプのダンジョンで暗めとなっている。
・出てくるモンスターはビッグバットなどの蝙蝠のモンスターやゴーレム。さらに下級吸血鬼も出てくる。
・ランク1よりも探索者が多くモンスターも落ちてるアイテムや宝箱も多い。
「──というわけですのでランク2からは探索者同士の揉め事が起きがちなんです。中には襲い掛かってくるなんてこともあり得ますので十分に注意してください」
「……は、はい……」
まさかダンジョン内で警戒するのがモンスターだけじゃないとは。
「恐ろしいな……人間って……」
こうして俺は初めてランク2のダンジョンへと足を踏み入れた。すると早速探索者がそこかしこに見えるし揉めてそうな声も聞こえてくる。
「この宝箱は俺が先に見つけたんだぞ!」
「何言ってんだ!先に触ったのは俺だぞ!」
「ふざけんな!そんなもんで納得できるか!腕を伸ばしただけじゃねえか!」
「ふん!スキルを有効活用したんだよ!いいからどっか行けよ!」
「行くわけねえだろ!」
チラリとその揉め事が見える位置まで行ってみると片方は腕を伸ばして片方は腕を獣の腕にして今にも戦いそうな雰囲気。
「……何気に他人のスキルってあんまり見てこなかったかも……」
とりあえずその諍いに興味はないので俺は配信をスタートさせる。
〔サッカー中年:待ってたよ!この配信はながらみに持ってこいなんだよな~〕
〔迷探偵ナカノ:淡々としてるから逆に見てて飽きが来ないんだ!
〔草生やしおじさん:新人で媚び売らずにここまで人気なのも珍しwww〕
俺が配信を開始するとすぐに人が集まってくれる。登録者も三桁となり視聴者も徐々に上がっていっている。ここで今更になって配信でどれぐらい稼げてるのか?そこら辺はあんまり把握していないので気になってしまった。
するとひとつのコメントが目についた。
〔ピーチ:このダンジョンは……ランク2のダンジョンですか?〕
「正解です。ランク1だと余裕になってきたんで思い切ってランク2に挑戦してみました」
〔図書委員:ランク2からが本当のダンジョンの始まりっていうから気を付けてね~〕
〔石拳珍味:犯罪も一気に多くなるからな~。そこでは同じ人間も信用しすぎないようにしたほうがいい〕
〔草生やしおじさん:始めては空気感を感じるだけにしたり境界から近めで探索をするのがおすすめかなwww〕
「わかりました。俺も受付の人から注意事項として教えてもらったんで今日は境界から近場で探索するようにします」
というわけで俺のランク2のダンジョン探索スタート。
「砂界<感知>」
いつも通りに砂を周囲に死角なく展開。ちなみに剣と盾も念のために持ってきている。せっかく買ったからな。
「まあ砂での攻撃と防御ができるようになったからあんまり使ってないけど」
そして早速やってきたビッグバット。
「マジで大きい蝙蝠だな」
そのビッグバットはある程度の地点で停止して俺の方を向く。
「ん?来ないのか?」
てっきり突っ込んできての噛みつきとかするのかと思ったがそう単純ではなかった。
キイー!
「なんかヤバそうだな!」
それはビッグバットが放つ超音波攻撃。口から放たれたそれにすんでのところで気付いた俺は横っ飛びで回避。するとその超音波攻撃は俺の背後の岩に直撃して破裂した。
ボガン!
「くっ…!砂刃!」
ザン!
「キィー!?」
なんとか砂刃でビッグバットの討伐は完了。しかし俺は後ろの破裂した岩を見る。
「……あんなの受けたら一撃で死ぬだろ……」
幸いとして見てからでもなんとか避けられる速度ではあったのでなんとか行けたが、もし気づかなかったりしたら命はないだろう。
「特にあの距離は俺の砂界<感知>の範囲外だし周囲をよく見ておかないと……これがランク2か……」
ランク1との違いを味わった俺は一層の気合を入れて探索を進めた。
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探索も1時間を超えてきた。今日はランク2に慣れることを目的としたのでそんなに深くは行っていないがそれでも結構な数が宝袋に入ってる。
「やっぱり便利だな~これ。ダンジョンには必須だな」
例の約3.000万の剣。それが入っていた宝袋は触れ込み通りにいくらでも入るのでとても重宝している。これがなかったらあきらめなくちゃいけない宝箱とかいくつかあったと思う。
「それにしても……人が多いし境界付近しか探索してないのにもう宝箱を2つも見つけたんだけど……これが本来のダンジョンってことか……」
今日の鑑定が楽しみになってきた。その時にチラッとコメントを見たときに書かれていた言葉が俺の人生を変えることになる。
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