表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

95/159

♯13 すこぶるスコヴィル値

「辛ぅーーーーーっっ」


 半にクライネ、鈴鹿にデッドリィが大絶叫。


 舌を真っ赤っかにして気絶した。


「ああっ、何をしたっ!」


「バカめ! そのあんまんには激辛唐辛子がたっぷり仕込んであったのさ!」


「あんこに唐辛子を入れるなんて卑怯よ!」


 タモちゃんが異議を申し立てるも。


 ロナは「確認しなかったおまえらが悪い」と受けつけない。


 だが、その直後!


「あひ~~~~~っっ!」


 まだ見ぬ強敵四人組も真っ赤っかの舌を突き出して。


 バタリ、バタリと卒倒してゆく。


「なっ! なにがどうしたああっっ?」


 ロナがまだ見ぬ強敵Aを抱き起こすと。


「裏をかかれてもいいように、カレーまんにも唐辛子をいれてたのを忘れてたぁ……」


 そう言い残して、まだ見ぬ強敵たちは気を失った。


「まさか全部に入れて食ってしまうとは、なんてお茶目なおマヌケさんなんだ! ()い奴!」


 ロナはまだ見ぬ強敵Aのまぶたを手でそっと閉じてやり。


 胸で手を組ませてやって。


 涙を流した(振りをした)。


「やすらかに、眠れ……! ぷぷっ」


「おい、殺すな……!」


 ロナは半笑いのまま、仇敵とばかりにタモちゃんを睨みつけ。


「やめだ! やめだ! 海に来てまでパン食い競争なんてやってられるか! やめさせてもらうわっ」


「言い出しっぺは、おまえだろっっ」


「やっぱり砂浜と言ったらビーチバレーよね!」


 ロナは砂浜に棒でコートを描きながら。


「このビーチバレーは普通じゃないぞ! ボールが時限爆弾になっていて、相手の陣地で爆発させて、プレーヤーを全部やっつけた方が勝ち! これでどうだあっ!」


 楽しそうに訴えかけてきたが。


 タモちゃんとエターニャがなにも言わずにじっと見据えていると。


「やるだろぉっ?」


 ロナが今にも泣き出しそうに頼み込むものだから。


「もう、やってあげるわよ!」


「また自滅してもしらないぞ」


 タモちゃんとエターニャは「やれやれ」と両手を広げてコートに入った。


「タモちゃんたちって、いい奴らだな!」


 ロナはあどけない笑顔を見せつけて、まだ見ぬ強敵Eとともにコートに立った。


 まだ見ぬ強敵Eからスイカ模様のボールを受け取って。


「これを見ろ! スイカそっくりだが、実はこれが爆弾になっている!」


 そしてボールをほどよく上げて。


「いくぞ! そーれっ」


 サーブを打ち出すや否や。


 ボコンッと鈍くて大きな音が!


「うぎゃーーーっ!」


「なんか変な音したぞ?」


 タモちゃんとエターニャの目の前に、割れたスイカがコロコロと。


「これ、本物のスイカらったあああっ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ