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♯20 消耗品だって泣く

 ジュテームはガバッと飛び起きて。


「うおおっ、どうなってんだ、こりゃあぁああっ」


 その大声で皆が跳ね起きる!


「ハルマゲドンだぁああああっ」


 エターニャは右往左往を始めて。


「天変地異が来ちゃってますぅうううっ」


 半が足踏みしながらクルクル回って。


「ボク、また何かやっちゃいましたかぁああああっ?」


 鈴鹿がグルグル走り出す。


 傀儡はドレスまでもがすっかりと漂白されて、ウエディングドレスのようになっている。


 タモちゃんが声をうわずらせて。


「どちらの花嫁さん?」


 話しかけてみると。


「だれが花嫁さんだーーーっ!」


 傀儡はひらりと翻って距離を取り、身構えた。


「傀儡! そんなになってもまだやめないかっ」


「タモちゃん、馬鹿にするなよ。これでも私はエディモウィッチさまの傀儡だぞ! こんなことで、やられてたまるか!」


「クグツ! もうやめるの! 一緒(いっしょ)に謝ってあげるから!」


「例えデッドリィしゃまでも、私を止められないっ! 私は所詮、使い捨てのっ、操り人形なんだからーーーーーっ!」


 傀儡が落涙、天を仰いで咆哮すると。


 体からどす黒いオーラが放たれた。


「みんな気をつけろ!」


「とんでもない魔力です!」


 エターニャと鈴鹿が警告するさなか。


 傀儡が邪悪な魔力のひしめく声で発語する。


(せい)(しん)(そう)(せい)!」


 全天から降り注いでくる何千何万という火の雨の岩々が。


 光の尾をたなびきながら。


 タモちゃんたち一点(いってん)に向かって。


 矢のように大気を貫いてくる!


「俺がド派手に護ってみせらあっっ!」


 ジュテームが盾となって、腕を広げた。


「これぞ豪快(ごうかい)豪傑(ごうけつ)大地鳴動(だいちめいどう)(おれ)家族(かぞく)()()してんじゃねぇええええーーーっ!」


 衝撃波の鉄壁で。


 火の雨の貫きを。


 防ぎ。


 受け止め――。


 吹き飛ばす!


 天空すべての火の塊が衝撃波で消滅し。


 空一面(そらいちめん)青一色(あおいっしょく)に筒抜けたとき。


「いま解放(らく)にしてあげる! クグツ、覚悟! トアカ・モリゲテ・ケエラチクーーーッ!」


 デッドリィが大気を凍らせ、傀儡を絵画のように閉じ込めた!

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