表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

40/159

♯22 タモちゃん、大ピンチ!

「エターニャよ、あんなんでも友達になりてえか? ん?」


 ジュテームがエターニャに目をやると。


「こらーっ、独り占めするなーーっ!」


 エターニャもタモちゃんに抱きついた。


「おまえもかよーーっ」


「離れなさぁい! タモちゃんが苦しがっているでしょーーっ!」


 実は我慢していた鈴鹿もタモちゃん争奪戦に加わって。


 いつの間にやら、こちょこちょ地獄の、てんやわんやの大騒動に!


「みんな、待って! とにかく友達からで許してーーっ!」


 タモちゃん、全霊の救助を叫ぶも。


「友達になってくれるのかっ? タモちゃんはいい奴だなあ! はすはすっ」


「なんでエターニャまでっ」


「エターニャさん! わたしからタモちゃんを横取りしようとするなんて、イケない人ねっ! はすはすっ」


 デッドリィも負けじとタモちゃんにすがりつく。


 もちろん鈴鹿もこちょこちょ地獄の「はすはすっ」だ。


「いっひひーーっ、デッドリィは犯した罪を悔い改めろ! 仲良くなりたきゃ、屍人形を弔うのが条件だっはーーっ!」


「ああ、タモちゃん、あれなら魔法を解けばいつでも元通りの人間にもどるわよ?」


「なぁにーーーーーっ?」



 後日、アジトの大人のケーキ屋さんにて。


「この記事、見て下さいっ!」


 鈴鹿がニュース画面を映したスマホを掲げて、タモちゃんに駆け寄ってきた。


「なになに、死んだはずの人間が、突如家に帰ってくる珍事が各地で続発? 世界の総人口が1%増えたとのうわさ? あいつ、どんだけ屍人形を貯め込んでんのよ!」


 それを聞いたエターニャが。


「デッドリィ、イケないんだ! こういうのは少しずつ解放するものなんだぞ! 人類が食糧難に陥ったらどうする!」


「1度に解放してあげないと不公平よ。それに早く恋人以上の関係になりたかったの!」


 デッドリィが箒を持つ手を止めて、エターニャに恋心の反駁(はんばく)をしていると。


「おい、そこ! 行き場がねえっつーから、同居させてやってるんだぞ! 店の手伝いをするって言っただろうが!」


「はーい!」


 ジュテームに叱られたふたりだが。


 エターニャとデッドリィはなんだか嬉しそうに肩を弾ませて、タモちゃんを見つめながら、お店のお掃除に励むのだった。


「ふたりとも、ハートの目つきで狙い澄ますの、やめーーーっ!」


 タモちゃん、大ピンチ!


 ――まあ、エターニャさんはタモちゃんだけじゃなく、その背後のジュテームさんも見ているような気もしますけどね! キュン!


 鳥肌を立てているタモちゃんを、さすってあげる振りをして、ちゃっかり抱きつく鈴鹿であった。


 第2章 おしまい!

星の評価とブックマークを、どうかよろしくお願いしますネ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ