♯13 竹馬(ちくば)の友
「つまり、何が言いたいかって言うと! タモちゃんはわたしと似た年回りなのに、会話がふつうにできたんだ! 始めて話が合ったんだ!」
エターニャが横顔の唇を尖らせる。
ジュテームはその仏頂面がおかしくて。
「まあ、お嬢も特別だしな!」
思わず吹いて笑みを浮かべた。
「貴重な話し相手がいなくなっては困る。だからわたしが手を貸してやる! べ、べつに友達になりたいってわけじゃないからな!」
「おまえ、わかりやすいな……」
「その小馬鹿にした目をやめろ!」
薄目で見ているジュテームの目を突いてやろうと、エターニャが指を突き出すが。
ジュテームの背丈が高くて背伸びをしても――届かない。
「けど、デッドリィに刃向かっていいのかよ。仲間なんだろ?」
「仲間ってほどの仲じゃない。同じ組織にいただけだ」
「ほう?」
「べ、べつに、おまえらに完敗したから、あの方に主従関係を勘当されたわけじゃないからな!」
エターニャはまたもや横顔の膨れっ面になって。
「暇だから手伝ってやると言っているんだ!」
赤ら顔で熱り立ったかと思えば。
「迷惑か?」と、幼い顔の上目遣いでつぶやきかける。
その顔は、傍若無人なジュテームにさえ父性を呼び覚まさせるほどの熱量だ。
「おまえって、あざといのなぁ……」
ジュテームは首を傾けて。
「迷惑じゃねえ。けど……、役立たずかもしれねえぜ? 話によりゃあ、屍人形は燃やしたって平気らしい」
「わかっている。あいつらは、ただ燃やしたってダメだ。だが酸素を遮断して燃焼してやれば、木炭みたいにカチコチになって動けなくなるはずだ!」
「そんなことができんのか?」
「わたしを誰だと思っている!」
エターニャが鼻息荒く胸を叩いた。
「最強の火のマジカリストだぞ! その秘術を応用すれば3000回に1回は大成功して、ダイヤモンドができるくらいだ。事実、それで生計を立てている!」
「3000回って……、おまえ、苦労してんなあ。よし! 無事にお嬢を助け出せたら、友達になってくれるよう言ってやるよ」
「本当かあっ?」
エターニャの目が、ぱあっと煌めいた。