♯17 劫火の返報
魔法のマグマが消えていく。
全ては灰燼に帰したと思われた。
真っ平らになったと思しき大地にひとつ、小高く現れたものがある。
それは次第にヒビが入って――。
破裂した!
中から現れたのは。
タモちゃんたちだ!
「ふぅーーっ、マジで死ぬかと思ったぜ。鈴鹿の神通力が掛ってなけりゃ、今ごろこんがり焼けてっぞ」
「いえいえ、偶然タイミングが合って助かりました。ジュテームさんの鉄壁はさすがです」
凝り固まった体のストレッチをするタモちゃんたちに、エターニャが急降下する。
「なんでお前ら生きてんだーーーっ!」
「これはこれはエターニャさん、また会ったわね。あんたの必殺技を台無しにしちゃってごめんなさい?」
タモちゃんが皮肉たっぷりに言い放つ。
「ぐにゅにゅにゅにゅーーーっ! 強がってんじゃないわよ! その短い髪の毛で反撃も出来ないくせに! 今その体に火をつけてやる!」
タモちゃんが自分の髪を指でなぞると、突如髪の毛が伸び出した!
「あ、伸びた」
「な、なにーーーーーっ?」
タモちゃんの髪の毛がマグマ色に染め上がっていく――。
「ショートの姫カットも悪くはないわ。でも髪が伸びちゃったのなら仕方が無い。あたしの至極をくらいなさいな!」
「ま、まて、まだ魔力が戻ってな……」
「妖力フリーイング!」
タモちゃんが大地に念を打ち込んだ。
「焼いて滅ぼせ! 奈落の獄火よ! 火炎柱迦楼羅大岩漿!」
大地からマグマの火柱が噴きだした。
それらは大竜巻へと変貌し。
渦巻く火炎を纏いし巨鳥が、マグマを突き抜け、エターニャに直撃する!