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♯26 未来は変わるよ! どこまでも!

「あれっ、なんであたし、宇宙船なんて言ったんだろーーっ?」


 デッドリィも訳がわからなくなって動揺するさなか。


「今度こそ、死んじゃうのよーーーっ!」

「うちら、本当に終わりなのーーーっ!」


 菜乃花と菜乃葉がわなわなと泣きじゃくり出したものだから。


 半が目玉をグルングルンさせながら。


「だいじょぶっ! 自爆くらい、なんてことないですよっ! いっそのこと、こちらも自爆仕返してやればいいんですっ! いひひーーっ」


「ちょ、自爆で対抗してどうするんですかっ! 励ますどころか、考えが変になっちゃってますよおーーっっ!」


 鈴鹿がツッコミを入れるや否や。


「にゃらばもっと頭を変にしてやるわ! ロナ太郎の一発芸をとくと見るがいいっ!」


 見るからにパニクった目つきのロナが割り込んできて。


「秘技、ナメコちゃんの腹踊りーーーっ! やっぱ、見ちゃいやんっ、でもちょっとだけ見せちゃうーーっっ。ぽっ」


「なにそれ! ロナちゃん、正気なのっ? デッドリィちゃんも仲間に入れてぇーーーっ!」


 服を脱ぎ捨て、おへそをフリフリ、ふたりで一緒になって踊り始めた!


「わーーっ! デッドリィちゃんまでなに恥ずかしいことやってんですかーーっ!」


 そんな鈴鹿の制止をすり抜けて。


 エターニャも負けじと前に出て!


「踊りと言えば、エターニャの変身ダンス! だが! 変身ダンスを最後まで見た者は誰もいない! 鈴鹿、なぜだと思うっ?」


「エターニャさんっ、今はそれどころじゃ! もうすぐ爆発しちゃうんですよおっ!」


「今だからこそ重要なんだっ! 早く答えてっ!」


「はっ! 自爆回避に繋がる答えがあるんですね! えーっと? なぜだろっ……、変身する前に倒しちゃうからっ!」


「ぶっぶー! 踊りきっても強くはならないからだーーっ!」


「えーーっ、じゃあなんで踊ってたんですーーっ?」


「だって、アニメの魔法少女みたいに、可愛くなりたかったんだもーん! にゃはっ」


「ただの憧れかいっっ。てゆか、この事態のなんの解決にもなってなーーーいっ!」


 みながあまりにもへんてこりんな挙動をやり始めちゃったものだから。


「ちょっと、みなさん、気を確かにしてください! おかしくなっちゃってますよおーーーっ!」


 鈴鹿が平静を保つように訴えかけると。


「はぁいはーい、聞いてくださーい!」


 宇補先生が真剣な顔つきで、みんなの注意を引きつけた。


 ――きっと大混乱を鎮めてくれるに違いない!


 鈴鹿は教師としての使命感あふれる行動に賛同し。


「みなさんっ、宇補先生に注目ですーーっ!」


 みんなの関心を集めるのに協力したのだけれど!


「先生ね、きのう商店街でコロッケ買ったら、お嬢さん可愛いねって、もひとつサービスされちゃったの! 先生ってそんなにかわい~い? きゃはーーーーーっ!」


 期待という名の鈍器で殴られるはめに。


「なに告白じゃーーっ! 先生なら救いの言葉のひとつでも言えーーーっっ!」


 鈴鹿がとうとう、ぶち切れるなか。


 宇補先生のカミングアウトにアマツカゼが触発されて。


「そんな貴方に、今わの際のアーマちゃんライブ、超絶聴いていってネーーーッ! でも死ぬときはアイドルじゃなくて、ふつうの女の子だからーーーっ! ……って、今もふつうだったわ! 所詮あたちは普通の子なのよーーっ! うわわわぁああん!」


「ああ、もうっ、アマツカゼちゃんまで暴走しだしたあーーーっっ! タモちゃん、なんとかしてぇええぇえええっ!」


 タモちゃんは壊れかけた聖女のような微笑みになり。


「鈴鹿さん、ご覧あそばせ? 星空がきれいねー……」


 虚空を見上げて、キツネ耳のヘアバンドを投げ捨てた!


 タモちゃんはキツネ耳のヘアバンドを外すと、お子ちゃまになってしまうのだ!


「タモちゃんっっ? ここ、深海ですよっ?」


「自爆のことはいったん忘れて、お互い3時のおやつについて語らいましょう?」


「そんな時間ないんですってばーーっ!」


「おめめキラキラァ……」


「現実逃避すなーーーっ!」


 鈴鹿がすぐさまヘアバンドを拾い上げて、タモちゃんに装着するも!


「諦めが肝心でしてよっ!」


 それをタモちゃんが頑なに投げ捨てる!


「自分自身を見捨てないでぇーーーっ!」


 もうどうしていいやら、鈴鹿も取り乱しかけた、そのとき!


「みんな落ち着けってのっ! 鈴鹿、瞬間移動だっ! 神通力っ!」


 ジュテームの冷静な一喝で。


 我に返ったみんなが鈴鹿に向かって。


「はやくーーーーーっ!」


 声を合わせて、せき立てた。


 鈴鹿自身、自分をハッと取り戻し。


「はっ、はぁい! みなさん、あつまってくださーーーいっ!」


 みなが鈴鹿にぎゅーっと抱きついて!


「ぐひーーっ。押し潰さないでっっ」


「爆発マデ、アト、60秒!」


「ひひぃーーっ、飛行(ひこう)滑空(かっくう)天翔(あまかけ)る、()せて(そら)()べ、疾駆(しっく)招来(しょうらい)!」


 ところが、唱え終わっても。


「あれ……? 鈴鹿、移動してないよっ?」


「タモちゃん! ポータルが現れるまで1分かかるんですーーーっ!」


「そうだったぁぁああぁぁあああっ!」


 みな、すっかり度を失ったところに!


「爆発シマス!」


「ぎゃーーーーーっ!」


 ジュテームがみんなを引っ張り寄せて!


「これぞ豪快(ごうかい)豪傑(ごうけつ)絶体絶命(ぜったいぜつめい)、おまえらだけは、(なに)(なん)でもっ、守ってみせらぁああああーーーっ!」


 決死の衝撃波を張り巡らせた!


 折れに折れた摩天楼群の切っ先が。


 塊のまま脳天めがけて鉄壁にドカリ、ドッカリと激突するさなか。


 ――ちくしょうっ、もう耐えられねえーーーっ!


 限界に達したとき!


「ポータル出ましたーーーーーっ!」


「飛び込めーーーーーっ!」


 命からがら爆発と同時に海底都市から緊急脱出!


 しかしポータルから飛び出たところが?


「あれ、ここはどこ~~~~~っ?」


 猛烈な風が吹きつけてくる!


 眼下には、遙か下方に広がるエーゲ(ウーグ)海!


 ここは青空の中を突き進む――。


「飛んでるジェット機の上だぁあああぁあ!」


「深海だったから、とにかく高いところだと思ってーーっ! そしたらなぜか、ジェット機が思い浮かんだんですぅううぅううっ! すぐ唱えなおしますーーーーーっ!」


「ぎゃはーーっ、もう1度、ここで1分間耐えるのねーーーーーっ!」


 そんなこんなで!


 タモちゃんたちは、また!


 不死の薬を探すドタバタな毎日を送るのです!



 お、し、まいっ!

 あとがきです。


 最後まで、タモちゃんは自由になりたい!を読んでくださいまして。


 ありがとうございました!

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