表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

157/159

♯24 怒髪天を衝く大妖術だっ!

「そんなの信じるやつがどこにいる!」


「世の中は不公平だらけだと感じたことはないかな。なぜあの人は幸せで、自分はいつまで経っても不幸なんだろうって。この世界ができた最初に、そう決められているからさ。明らかに、強くてNEW人生を送っている成功者がいるのはなぜだろう? そういうお話は人気があるからね!」


「でたらめを言うなっ!」


「だったら、試してみようか。タモちゃんは僕と戦って、悲劇の死を遂げるヒロインさ。お涙頂戴物のバッドエンドだよ。さあ、怒って刃向かっておいで」


「あたしの生き様を知ったかぶるな! 誰にだって幸せに生きる権利があるはずだっ! おまえをっ……、おまえを叩き潰して、未来を変えてみせてやるーーーっ!」


「いいねえ。順調、順調。ここで、あの台詞!」


「妖力フリーイング!」


「そして怒髪天を衝く無属性大妖術だっ!」


 タモちゃんは、全宇宙に念を打ち込んだ。


(さけ)べ! (とどろ)け! 悲憤慷慨(ひふんこうがい)(たましい)よ! この()すべてが全身全霊(ぜんしんぜんれい)万死炸裂(ばんしさくれつ)滅多斬(めったぎ)りの(ちょう)激甚(げきじん)終焉斬(しゅうえんざん)!」


 生きとし生けるもの全部の心魂が、無限硬度の刃となって、創造主を全方位から怒りの袈裟懸け!


 一刀両断!


 ()()ねる!


 ……たのだがっ?


 創造主は表情をゆがめるどころか。


「はあーーーっ、はっ、はっ、はっ、はあああーーーーーっ!」


 歓天喜地とばかりに、あざけり笑った。


 ありったけの寿命を費やしてしまったタモちゃんが。


「くっ……!」


 力尽き果て、倒れ伏す。


 それを創造主は天にも昇る形相になって。


「ほらあっ、傷ひとつついてないよ! だって、そうなるように僕が決めたんだもの! 当然だよねぇええぇえええっ!」


 気が狂ってしまいそうなほどに、快哉をわめき散らした、そのとき!


 ピシッ……!


「えっ……?」


 ガラスにヒビが入ったかのように。


 創造主の存在が剥離。


 総崩れして。


 粉みじんに壊れ落ちていく――!


「なっ……、なんだ、これはぁあああっ! こんな演出を書いた覚えはないぞぉおおぉおおお」


 小さなブラックホールが現れたかと思いきや。


 ズルズルと。


「誰だぁあぁぁあああっ、情報の平面を書き換えたのは、誰なんだぁあああああぁぁあぁぁあ……。この世界はっ、僕のぉおおぉおおぉおおおおっ……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ