♯15 絶え間なき変身
鳥肌が立つほどに、エターニャから放たれる魔力の圧を感じていながらタモちゃんは。
「手下の軍勢はどこ行ったのよ。もしかして無様にやられたもんだから、見限られて逃げられちゃった?」
煽るように嘲るが。
「味方など妨げになるだけだ! 何を言っているのかわからないだろう? それはじきにわからせてやる! さあ、行くぞ! 進化した変身を見るがいい!」
エターニャは前回よりも大振る舞いで、派手な変身ダンスを踊り始めた。
バトントワリングにベリーダンスの腰の動きを加えたようなセクシーダンスだが、踊っている本人がちびっ子なので、コミックダンスに見えてくる。
「これのどこが進化なの? 振り付けがおちゃめになっただけじゃない!」
「やっぱアホだな」
「虚仮威しですね」
ジュテームたちと一緒に拳を握って、エターニャに詰め寄るタモちゃんだが。
エターニャは踊りを止めることなく、炎のロッドで切り絶つように攻撃してきた!
それを際どい距離で躱すタモちゃん!
「うそっ? 無防備じゃない!」
「そんな攻撃はもう通用しないぞ! 攻撃しながら変身すれば良いだけのことだったのだーーーっ!」
「ちっ、それに気づいたなんて、思っていたよりおバカじゃないわっ」
「変身に集中できなくて、ちょこっと時間がかかって面倒だけど、それでもエターニャ様に隙は無くなった! ほらほらっ、変身する前に頭をかち割っちゃうぞ!」
エターニャはまるで踊り狂う武闘家のように炎のロッドを繰り出してきた。
ジュテームが気合いの衝撃波を放つ暇すら与えないほどの連続攻撃だ。
「てめえは魔法使いだろうがっ。物理攻撃しやがって、プライドはねえのかよっ!」
「これは変身するための新しいパフォーマンスよ! 否応なくエターニャ様を刮目しなさい! あははっ、あははっ、あははははっ!」
エターニャが攻撃するたびに、スカートの裾が少しずつ短くなって、不滅の炎を宿したブーツやグローブが具現化されていく。
「どうしよう、このままじゃいずれ変身されてしまうわっ!」
「こうも攻撃間隔が短いと、神通力も唱えられませんっ! 正に隙なしですっ!」
タモちゃんも鈴鹿も攻撃を避けるだけで息急き切ってきた。
「いや、そうでもねえかも知れねえぜ?」
エターニャの肩が先ほどよりも大きく揺れ出していることに、ジュテームの目が光る。