表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

145/159

♯12 クライネって!?

「深さ11キロッ?」


「キロってなによ。単位おかしいでしょ!」


 デッドリィとロナが眉を吊り上げた。


「この距離じゃ歩いて行けたとしても、もう間に合いません!」


「どうやって海底まで行けばいいのよ!」


 アマツカゼと半の、怒りにも似たつぶやきに。


「大深度有人潜水調査船の、しんかい12000なら行けるかもですが……」


 鈴鹿が案を述べてみるも。


「調査船、借りられないよね」


「こんな夜中に貸してくれるわけないわ!」


 菜乃葉も菜乃花も意気消沈で。


「借りられたとしても、定員オーバーでみんなは乗れない。それに、潜水速度が遅くて深夜3時までに海底に辿り着くなんて到底不可能だ」


 エターニャたちはすっかりあきらめモードだ。


「鈴鹿ちゃん、行けない?」


「デッドリィちゃん、移動できても空気がないし、水圧でぺっちゃんこです」


 打つ手なしと、みなが口を閉ざしてしまった、そんなときに。


「クライネなら、みんなを連れて行けるかも!」


 クライネが元気よく挙手をした。


「おお!」


「なにか特別な魔法を知ってるんだな!」


 ジュテームたちの気概が一気に高まったのだが。


「違うよ。クライネが乗ってきた宇宙船なら、深海でも平気ってこと!」


「う、宇宙船〜〜〜っ?」


 クライネがとんでもないことを言い出したものだから。


「クライネって、宇宙人なのおっ?」


 ロナやデッドリィたちが前のめりになって驚いた。


「正確に言うとね、この宇宙の外の宇宙から来たから、外宇宙人だよ!」


「外宇宙人っ……!」


「なにその外国人の強化版みたいなの! 初めて聞く言葉なんだけど! 妖精じゃなかったのっ?」


「妖精なんて非現実的なものじゃないよ。ただの外宇宙人だよ! 地球は有名な観光地だったから旅行で来たんだ。そしたらあの方に捕まってさー」


「宇宙じゃ地球って有名だったのね……」


「どんなところを観光してるんだか……」


「知的生命体がいる惑星なんて、珍しくもないし、宇宙じゃ双子星も珍しくないんだけどね。双子星のどちらの惑星にも知的生命体がいるっていうのが、ちょーレアなんだ!」


 双子星の話を聞いていたタモちゃんが、むかし居た地球を思い起こして。


「あたしをもうひとつの地球に連れて行けたりする?」


 クライネに尋ねてみると。


「できるけど、死んじゃうよ!」


 クライネは万歳しながら無理だと言った。


「なんで?」


「反物質と物質はひっつくと対消滅(ついしょうめつ)しちゃうんだ」


「どゆ? なんのこと?」


「ここは反物質の世界で、もうひとつの地球は物質の世界」


「ん??」


「地球の言葉で説明するのは難しい。でも表現するなら……。宇宙の果てには情報が刻まれている平面があってね。それを投影したのがこの世界。つまり、ホログラム宇宙なの!」


「なぬ??」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ