♯18 アンコの黄金!
「だが黄金は確実にあるわけだ?」
「ええ、必ずあるわ!」
エターニャがアマツカゼに確信すると。
「だったら掘ってみようよ!」
クライネが意気盛んに飛び跳ねて。
「うまく出し抜ければ、エディモウィッチからお宝を奪い取れるかもしれねえな!」
ジュテームがやんちゃな顔で微笑んだ。
その活気にタモちゃんも。
「そうね! もし不死の薬が本当だとしたら、エディモウィッチに渡すわけにはいかないわ!」
勢いづいてきた!
「あのっ、タモちゃん! わたしたちもお手伝いにいってもいいですか!」
「力になりたいです!」
菜乃花と菜乃葉が頭を下げる。
「もちろん来なさいっ!」
タモちゃんが親指を立ててみせると。
「やったあ!」と、菜乃花と菜乃葉が手を取り合ってはしゃぎ合う。
そこにロナがもじもじしながら。
「あたしはどーしよーかなー。付き合ってもいいんだけど、結構いそがしいしー。ねえ、タモちゃん。ねえ?」
「ロナも来て!」
「行きゅうーーーっ!」
ロナが食い気味に、にたっと応える。
「そうと決まれば明日の放課後、みんなで掘りに行きましょ! 今日はもう日が暮れちゃうし、町を復元しなきゃだしね!」
デッドリィが話をまとめようとしたのだが。
「明日の放課後だと都合悪いの。時差があるから」
アマツカゼが妙なことを言い出したので。
「時差? 埋蔵金の場所って、日本じゃないの?」
デッドリィたちが小首をかしげた。
「プリー共和国のモチャパチャ遺跡よ」
アマツカゼの発言に。
「モチャパチャッ!」
みなが目を見開いた。
言っている意味がわからなくて、取り残されたタモちゃんと半が。
「って、どこ……?」
鈴鹿に問うと。
「ボクたちがいた地球で例えると、ペルーのマチュピチュですね!」
鈴鹿が小声で教えてくれた。
「埋蔵金って、徳川とかじゃないのーーっ?」
ひと呼吸遅れて驚くタモちゃんと半に。
「アンコ帝国の埋蔵金だけど、不服かしら?」
アマツカゼがまたもや知らない言葉を言ったので。
「ア、アンコ……?」
「おまんじゅうですかっ?」
「クライネも食べるっ!」
タモちゃんや半が鈴鹿に耳を傾けると。
「いいえ、インカ帝国のことですよ!」
鈴鹿のささやく言葉に。
「インカ帝国って、あの黄金まみれで有名な、インカ帝国~~~っ? それの埋蔵金なの~~~っ?」
「徳川の埋蔵金より凄そうです!」
タモちゃんと半が目を白黒させて驚いた。
「日本との時差が14時間もあるから、放課後だと真夜中になっちゃうの」
アマツカゼが困った顔で答えるのを。
「鈴鹿なら、それくらい大丈夫じゃね? 時間を調節できるしよ」
ジュテームの何気ない言葉に、みなが「えっ……?」と息を呑む。
「鈴鹿さんって時間を飛び越えられるのっ?」
アマツカゼの顔が鈴鹿に急接近した。
「8時間くらいなら時を移動することができるんです。それでずっと海外から日本に通学してました」
鈴鹿が謙遜気味な声で言う。