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♯6 新しい仲間は果たして!

 明くる朝のこと。


 タモちゃんが校舎最奥の教室からトイレに向かって、長い廊下を歩いていると。


 生徒たちのひそひそ話が耳についてきた。


「特別クラスってのができたらしいぞ」


「特別扱いの生徒なんだって」


「給食も特別で、専属のシェフがいるとか」


「ほらっ、あの子がそうなんじゃない?」


「なにが特別なの? ふつうじゃん」


 タモちゃんはひがみや、やっかみの視線を感じたが、まったく気にする素振りも見せずにトイレへと入っていく。


 そして個室から出てきたときに。


「ちょっと顔貸せよ」


「おまえだろ、特別クラスの生徒って」


「どれほど凄いのか、あたしがタイマンしてやんよ」


 上級生三人に腕を掴まれた。


 ――こんなやつらに命を削るなんてばからしい。


 タモちゃんは寿命を消費しないと、妖術が使えない体なのだ。


「もうそろそろだから、ちょっと待っててくれる?」


 タモちゃんは腕を掴んでいる手を振り払って。


 個室の中へ戻ると、扉を閉めてカギを閉めた。


「おい、なに閉じこもってんだよ!」


「びびってんのか? 出てこいや、こら!」


「こいつ、たいしたことねえぞ」


 上級生の罵声と乱暴なノックが激しくがなるなか。


 タモちゃんの肌がチャコールグレーに変化していく。


 扉のカギをガチャリと開けると。


「お! やられる覚悟ができたのか?」


「泣いてんじゃねえの?」


「顔見せやがれ!」


 扉がバッと開け放たれた瞬間!


「がぁああああうっ」


 屍人形もどきになった姿でタモちゃんが飛び出すと。


「うわあああああっ」


 突然ゾンビが牙を剥いて襲いかかってきたものだから。


 上級生はたまらずのけぞり、ひっくり転んだ。


「ハラワタ、クッチャウゾーーッ!」


「ばっ、化け物だーーーっ!」


 上級生が一目散に逃げ出した。


 タモちゃんはクスクス笑ったのちに。


 ため息をついて。


 何事もなかったように手を洗ってから。


 教室への帰路についたのだが。


 廊下に生徒が誰も出ていない。


 最奥の教室から鈴鹿が顔を出して、早くおいでおいでと手招いている。


 タモちゃんが教室に駆け戻ると、宇補先生がすでに教壇に立っていたので。


 タモちゃんは急いで席に滑り込んだ。


「みなさん、おはようございまぁす! 昨日言っていたジョポンのレジスタンスに所属している学生さんが来てくれました。それではおふたり、自己紹介をお願いしまぁすね、うほ!」


 宇補先生と入れ替わって、教壇に立ったのは二名の生徒で。


 ひとりはタモちゃんより二十センチくらい背の高い、短めのツインテールをしている女子。


 そしてもうひとりは、短めのツインテ女子と同じくらいの背丈で。


 後ろを刈りそろえたベリーショートの、男の子のよう(ボーイッシュ)な生徒だ。

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