表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

109/159

♯1 物語は日常風景から始まって

 私たちが住む世界で例えるところのエーゲ海。


 それは、もうひとつの地球ではウーグ海と呼ばれていて。


 数ある無人島の、個人所有のとある島には、お酒に合う特別なケーキを提供する、大人のケーキ屋さんがあった。


 一見モダンな美術館のような、ガラス張り建築物の一階が店舗スペースなっていて。


 二階は居住スペースになっていた。


 その木漏れ日が届くダイニングルームには、長方形の立派な一枚板のテーブルが置かれてあって。


 朝の食事を待ちわびた六人の少女たちが、順ぐりに席へ着いていった。


 左の端っこに座るのは、身長百センチ程度で銀髪の姫カットに、キツネ耳のヘアバンドをしたタモちゃんで。


「ジュテーム、おはよ~」


 温かみのある白い生地に、紅葉するもみじの色でチェック柄が入った、秋ファッションのワンピースを着用している。


 こちらの世界では唯一無二の妖術使いで、利用できない属性はないと言われるほどの、オールラウンドアタッカーなのだ。


 そして伸びをしながらタモちゃんの隣に座るのは、同じく百センチ程度の小柄な身長で。


 表情がきゅっと締まった、いかにも利発そうな顔立ちの童女。


「今日の朝ご飯はなにー?」


 透かしたときに初めて赤だと分かるような、深い赤毛をツインテールに結い上げて。


 火種色をしたローブデコルテを着る、六歳児のエターニャだ。


 大概の魔法はそつなくこなす天才少女だが、最も得意なのは火の魔法である。


 エターニャの肩を押しながら、その右隣に座ったのが。


「サンマの焼き魚定食! なぁんて。そんなわけないですよね!」


 百五十センチほどの背丈に、ポニーテールがチャームポイントの(ハン)ちゃん十七歳。


 近未来の宇宙服を匂わせる、体にピッタリフィットした、半透明のブラックスーツを身につけている。


 忍者である半は弱体化させる魔忍法を十八番としていて、戦いでは大活躍だが。


 ちょっとおっかなびっくりな性格の少女だ。


 そしてテーブルに乗り上げて、イルカみたいに朝のちゅーをしようと、タモちゃんの向かい側に着いたのは。


「タモちゃん、どーーんっ! 弾丸ちゅっちゅーーっ!」


「うわあ、ヤメロッ!」


 白いホルターネックに、青いミニスカートを穿き、髪の毛をお団子頭にしているデッドリィ十五歳。


 背丈は半よりちょっと高めの百六十センチくらいで。


 自分を負かしたタモちゃんのことが大々好きな中学三年生だ。


 屍を自在に操るネクロマンサーだが、冷酷な氷魔法のスペシャリストでもある。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ