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♯19 仕組まれた罠

「ぐぁはっ……」


 タモちゃんとロナは、瞬く間に絶命してしまった。


「なっ、どうしてっ?」


「どうなってんだっ? デッドリィ!」


「もういっかい!」


 妙な胸騒ぎがして。


 ジュテームたちが取り乱すなか。


 デッドリィはもう一度、丁寧に唱えてみた。


「オトサネ・エナンギェイナ・ノオル! メイ・エコウラ!」


 だがしかし。


「がぁはっ……」


 蘇生するや否や、タモちゃんとロナが絶息してしまう。


「なぁんでよーーっ!」


 デッドリィが何度繰り返しても。


「ごぉほっ……」


「ぬぁはっ……」


「いひーっ……」


「うふーっ……」


「えひょっ……」


 タモちゃんとロナは生き返らなかった。


 フリサンカの復元から戻ってきたエターニャが。


 ふたりを貫いていた短槍を拾い上げて目を凝らす。


「毒の魔法がかかってる。生き返らないのはこれで突いたからだろう」


「毒魔法だと?」


 ジュテームの嗟嘆の叫びに。


「呪詛のような猛毒の闇魔法だ」


 エターニャは深く項垂れた。


エディモウィッチ(あのひと)の仕業だわ……」


 デッドリィが力なくくずおれる。


「こうなることを読まれていたのかも知れませんね。クライネさん、魔法を解除できませんか?」


 鈴鹿の差し迫ったお願いに。


 クライネは薄目になってタモちゃんとロナを凝視してみたが。


「ダメ。これは普通の魔法じゃない」


 力及ばずと肩を落とした。


「ほかに打つ手はないんでしょうか」


 半がみなに問いかけるも。


 誰しもが黙り込むしかなかった。


 そのとき。


「待って……、あたしの師匠なら解毒できるかもしれない! なんたって毒魔法のエキスパートだもの!」


 デッドリィが希望の光を見いだした。


「ホントかっ?」


「お師匠さまはどこにいるんです!」


「さっそく会いに行きましょう!」


「解毒するなら早いほうがいい!」


「クライネも一緒にお手伝いする!」


 ジュテームに鈴鹿に半にエターニャ、そしてクライネがにわかに活気を取り戻す!


 デッドリィは少し考え込んだのち。


「どこにいるか。それは……」


「それはっ?」


 みんながデッドリィに刮目したとき!


「ぜんぜんわかりましぇーん!」


「うぉおおいっ!」


 みなが一斉に突っ込んだ。

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