トリアージは淡々と
瞳を見て生死を取り分ける
救える命を救うだけ
救えない命を救わない
生きる為の活力のない瞳には
黒き烙印を押して命を寝かせる
自らの眼に全ての信頼を委ねさせ
黒に寄り添う針の筵を闊歩しなければ
選別を疑う視線に向ける面がない
本当は彼等も救えるのではないか
疑念と意思はこの場にはあってはならない
救わないと決めたら見捨て忘れるしかない
良くも悪くも言葉を話さない人間を
人間と見ることができないから
少しばかりは気も楽か
医師としての我は何故許される