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恋人たちの甘い囁き

作者: 八日森正斗

ツッコミ「ねえ、私のこと好き?」

 ボケ  「ああ、好きだよ」

 ツッコミ「どれくらい?」

 ボケ  「リンゴ3個分かなあ」

 ツッコミ「それキティちゃんの体重!そんな私への思いは軽いの?」

 ボケ  「奮発して5個?」

 ツッコミ「そっちはキティちゃんの身長の高さ!もっとあるでしょ、私への思いは」

 ボケ  「じゃあ角砂糖1個」

 ツッコミ「余計軽いじゃん!」

 ボケ  「でも質量は地球と同じぐらい」

 ツッコミ「それだとブラックホールになっちゃう!」

 ボケ  「それだけ重いって事さ」

 ツッコミ「重すぎて崩壊してる!吸い込まれてるじゃん!」

 ボケ  「思いが重い…プッ」

 ツッコミ「くだらないダジャレを自分で笑うなあ!ねえ、冗談言ってないでさあ、ちゃんと言っ          て、私への愛を…」

 ボケ  「だって…、俺の熱い思いは測れないだろ?フッ」

 ツッコミ「寝転がってポテチ食いながら格好つけて言っても心に何も響きません!」

 ボケ  「もういいじゃん。同棲して2年、『ブッ』、以心伝心だろ?」

 ツッコミ「話しながら屁をするなあ!もしかして、もう私の事飽きたの?」

 ボケ  「そんな事ないよ。大好きさ。ペロペロ」

 ツッコミ「指に着いたポテチの塩舐めるなあ!」

 ボケ  「そうだよなあ、ちゃんとティッシュで拭かなきゃ」

 ツッコミ「そうじゃなくて!なんか私への態度がさ、最近雑なんじゃない?」

 ボケ  「そんなことないよ。心から大事に思ってるよ、ホジホジ、ペト」

 ツッコミ「鼻ほじるな!そして私に付けるなあ!やっぱり、私の事なんてどうでもいいんだ…」

 ボケ  「お前がいないと困るよ…、どこに鼻くそつければいいんだ…」

 ツッコミ「どんな必要性だ!もういい、わかった、別れましょ」

 ボケ  「そ、そんな…お前がいなくなるなんて…」

 ツッコミ「やっぱり困る?」

 ボケ  「家賃どうすればいいんだよ…」

 ツッコミ「お前はヒモかあ!結局、私のお金と体が目当てだったのね…」

 ボケ  「そんなことないよ、まあでも、体はいるなあ」

 ツッコミ「やだ、もう…エッチ」

 ボケ  「いや、鼻くそ擦り付ける体が無いとないと困るし、ペト」

 ツッコミ「だから鼻くそやめい!本当に、ちゃんと働かないと

 ボケ  「俺には…夢があるんだ…」

 ツッコミ「え?夢…?それは小説家とか、画家とか…」

 ボケ  「いや、大事なものを守る仕事だ」

 ツッコミ「え?もしかして私を守ること…?」

 ボケ  「聞いて驚くなよ、自宅警備隊だ」

 ツッコミ「ただのニートじゃねえか!ねえ、私だってもう『アラサー』なのよ。親にもいろいろ言    われてるし…」

 ボケ  「親に言われるって…『やーい、三十路女~』とか?」

 ツッコミ「いじめっ子か!違うわよ、結婚はまだかとか、孫の見たいとか言われるし…やっぱり、 結婚を考えないと…」

 ボケ  「なに!誰とするんだ!俺がいながら!おめでとうございます!」

 ツッコミ「いい加減にしろこらあ!あなたがちゃんと働かないと、私たち結婚なんてできないじゃない…」

 ボケ  「わかった…でも…俺、実は…働けない体なんだ…」

 ツッコミ「え!まさか…病気…」

 ボケ  「そうだ…不治の病と言われている、『明日、本気を出す病』だ!」

 ツッコミ「今日本気出せや!もう、じゃあ『主夫』やってよ、お金は私が働いて稼ぐから…」

 ボケ  「なるほど…『主夫』か…」

 ツッコミ「それぐらい出来るでしょ?」

 ボケ  「要は『食っちゃ寝』してればいいんだな?」

 ツッコミ「お前は全国の主婦に謝れ!やることは炊事に洗濯、掃除よ」

 ボケ  「水死を選択しながら焼死?難しいなあ」

 ツッコミ「お前はどんな耳してんだ!」

 ボケ  「こんな耳」

 ツッコミ「ボケが古いわ!ねえ、本当にどうするの?働く?主夫する?それとも…」

 ボケ  「ワ・タ・シ?」

 ツッコミ「いちいちボケるな!やっぱり…もう私たち…終りなのかな…」

 ボケ  「そうだな…、俺もこれ以上、君に迷惑はかけられない…、ペト」

 ツッコミ「だからなぜ鼻くそ付ける!」

 ボケ  「そこに、君がいるからさ、フッ」

 ツッコミ「どっかの登山家みたいに言うな!もうわかった、私出て行く。新しい人生を歩むわ。本当にそれでいいのね?」

 ボケ  「待ってくれ…、分かった、心を入れ替えるよ…」

 ツッコミ「やっと…分かってくれたのね…結婚出来るのね…」

 ボケ  「でもその心をもう一回入れ替えて、振出しに戻る」

 ツッコミ「なぜもう一回入れ替える!やっぱりダメな人だった…。何となくわかっていたけど…、確かに私はダメンズに引っ掛かりやすいけど…ここまでひどいなんて…」

 ボケ  「今更気づいたか、遅いな、お前は。俺は生まれた時から気づいてたぞ」

 ツッコミ「変に威張るな!…分かった。本当に、もう、ダメね。あなたは一生このままなんだわ。…荷物まとめる」

 ボケ  「あ、それなら手伝うからおこづかいちょうだい」

 ツッコミ「子供か!もうダメ、さよなら!」

 ボケ  「わかった。最後に一つだけ、俺のお願い聞いてくれないか?」

 ツッコミ「なに?…あなたのことはやっぱり好きだし…、最後のお願い…聞くわ…」

 ボケ  「仕送りよろしく!」

 ツッコミ「死んでしまえ!」


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