第48話 「神と称された半妖」
ユキマサを完膚無きまでに圧倒したカムユの前に
ミキリは額から一筋の冷や汗を流す。
「面と向かうのがこんな嫌な相手は
私、初めてだよ……」
「……」
「やっぱり黙りね……んじゃ、遠慮なく!!」
ミキリの両腕が紫色に染まっていく。
「紫毒ノ陣・毒突乱酔」!!
カムユはミキリの毒突きを躱し
背中の衣服を掴んで真っ直ぐ投げ飛ばす。
「イタタァ~……う~んすばしっこさが
私の取り柄なのに……参ったな……」
「……」
「ここぞって時に技を使わないと全部躱され
そうだし、ここは打ち合いといこうか!!
私の名は『酒道マギリ』!!見切りの神と
称された私の力を甘く見るなよ!!」
ミキリは全速力でカムユの元へ走り
カムユの足蹴りをギリギリで伏せて躱し
もう片方の足首を掴んで上に引っ張りあげるが
カムユはビクともしない。
そのまま足首を掴んでいる腕をもう片方の足で
踏み潰そうと振り下ろす。
ミキリは足首を離し、振り下ろされた足が着地すると
同時にジャンプして顔面を蹴り飛ばす。
「君……痛覚ないのかい……?」
「……」
蹴りを受けても上の空でビクともしないカムユ。
カムユはミキリの問い掛けを答えること無く
上の空のままミキリの腹部に一発拳を入れる。
「ガァッ!!……本当の神……強過ぎ……
一撃で終わりそう……」
ミキリはその場に倒れうずくまる。
うずくまるミキリの四本ある角の太い方の角を
一本掴んで持ち上げる。
ミキリは腹部を抑え苦しい顔をして片目を開き
カムユの視線に合わせる。
その時、急な激痛と共に地面に落下していく。
カムユの手には一本の角が残っている。
ミキリは角を折られてしまった。
カムユは折った太い一本の角を
ミキリの心臓に突き刺す。
「グハァ…………――――」
「終わり……次……」
「まだ……終わらない……」
カムユの足首を掴むミキリ。
「ただ死んで……たまるか……」
『紫毒ノ陣・紫疱毒拷憐』
ミキリの振り絞る最後の技を受けるカムユ。
何事も無くたっている……どうやら技が発動する前に
ミキリはこと切れてしまった様だ。
ミキリの亡骸をカムユは仲間達の方へ投げる。
「ミキリ!!!!」
バクマルがミキリをキャッチする。
「ユキマサが殺されなかったのはたまたまか……
殺せる相手は殺すって事か……クニトモさん……
次、俺に行かせて下さい」
「やめておけ」
「何でですか……さっきまでビビって
戦意喪失しちまってたからですか」
「そうだ」
「でも、大切な仲間が殺られたんだ……
黙って見てる訳にはいかねぇ」
さっきまで戦意喪失してしまっていた
多くの仲間達はミキリが殺されたのを
目の当たりに戦う覚悟をし立ち上がっていた。
「俺達全員でクニトモさんに繋ぎます!」
「僕もいつまでも怖気付いてられないお
ミキリンが殺されたのは僕が不甲斐ないさいだお」
「これは試練なのでしょう、クニトモさん
お願いします、私達にも戦わせて下さい」
「レイちゃん!!メグミも頑張るよ!!」
「メグミは待ってて」
「大丈夫……!!メグミはもうレイの知ってる
メグミじゃないんだ……」
メグミは妖気活性し蜘蛛の半妖らしい姿に変わる。
「メグミ……」
クニトモは立ち上がった仲間達の協力を受け入れる。
しかし掟は掟、一人一人戦って行くが
やはりカムユには全く通用ぜす
圧倒的な力でねじ伏せられてしまう。
「くたばれ!!」
『爆打ノ陣・大爆撃豪拳衝』
カムユはバクマルの一撃で吹き飛んでいく。
「よっしゃぁぁぁあ!!
効くだろ俺の一撃はよぉぉぉお!!!!」
「……」
「何ッ……!?」
吹き飛んだ筈のカムユは相変わらずの
上の空でバクマルの後ろに立っていた。
カムユはそのまま後ろ髪を掴み地面に
叩きつけ、バクマルは気を失う。
山剛バクマル――敗北――
「俺は負けん!!」
『光ノ陣・光射天撃』
セイヤの技で複数の光の矢が空から
カムユに降り注ぐが、カムユはいつの間にか
セイヤの背後に周って蹴り飛ばし、
光の矢はがセイヤに降り注ぐ。
「クッ……ソ……」
輝義志セイヤ――敗北――
「強い……でも、負けない……」
『雪ノ舞・絞雪寒涙』
カムユは雪に包まれ徐々に圧迫されレイは
締め続けるがカムユの耐久力が勝ち
エネルギー切れで倒れ、仲間達の元へ蹴り戻される。
雪ヶ原レイ――敗北――
「うぅ……痛い……怖い……
レイちゃん……助けて……」
カムユに殴打され続けるメグミ……。
「グッ……ウグゥ……ハァハァ……」
『粘糸ノ陣』…………
技を出そうとする間もなく気を失う。
来恋千メグミ――敗北――
「やる時はやる男だぉぉぉお!!!!」
『大地ノ陣・大棍棒大撃震』!!!!
イチロの刀は土や石、岩を纏い巨大な
棍棒でカムユに振り下ろす。
カムユは片腕で止めるが、ずっと上の空だった
表情が変わりイチロの方に視線を向ける。
もう片方の腕で闇のエネルギーを放ち
イチロの巨大な棍棒の一部を消し
一瞬で間合いを詰めてイチロの顔に
膝蹴りを強く打ち込む。
「ンガァ…………」
白地イチロ――敗北――
「さてさて、私が行きますかね……」
ヒラノリは使い古されやつれたスーツを整え
襟を正し前に進む。
カムユを前に神格覚醒して服装が変わる。
「そうでした、覚醒すると服が変わるんでしたね、
もう一回襟を正してっと」
カムユはヒラノリの動作を待たずに殴り掛かる。
「まぁまぁ、慌てずゆっくり行きましょうよ、
私も日々の社畜生活に加えこんな事になって
疲労困憊ですよ……」
『念ノ舞・心衰過辛』
「あれ……ダメですか……」
ヒラノリはカムユの動きを止めようとするが
全く通用せずカムユの一撃で気を失う。
往念ヒラノリ――敗北――
「僕の眼で何とか躱せてるが時間の問題だなぁ……」
『絞鎖光縛』!!
カムユは絞鎖光縛を一瞬で振り払う。
『光ノ陣・閃光散撃』!!
カムユは当たる光線を諸共せず
カズイチの腹部に一撃を打ち込み拳が貫通する。
陽山河神瞳院カズイチ――敗北――
「ミキリンの仇!!」
『水ノ陣・壊瀑打水』
高く飛び上がり水を吐き出し受ければ一溜りも無い
落水なカムユ目掛け落ちて来る。
しかし、カムユはカリンより更に高く飛んでいた。
カリンの首を掴み落水の力を加えて地面に
勢い良く叩き付ける。
威力が強すぎたのか、カムユの右腕が折れていた。
蛙螺喰カリン――死亡――
「よくも……やりおったな……」
『風ノ陣・大嵐斬衝』
カムユはダンギの繰り出した嵐に呑まれるが
左手から出した闇エネルギーの引力で
ダンギ自身も嵐に呑まれ切り刻まれる。
さらにはカムユはダメージがあまり入って無く
そのまま嵐の中でダンギを喉元を手刀で掻っ切る。
大吹ダンギ――死亡――
「ユウシンは引っ込んでろって!!」
「ミナトちゃんの方が強いんだから僕を
先に行かせてよ」
「ルルが行くーねぇ!!ルルが行くってー!!」
「わかったよ!ウズキ兄ちゃんが言ってる間に
ジャンケンで決めよう!それでいいでしょ!!」
「へっ??俺??」
「えっ?行くつもり無かったの?」
「いんやっ!!待っていたのさ……俺様の力が
最大限溜まるのをな……行っとくがお前らの
出番はこれっぽちもねぇ」
と、言いながら足わやガクガクさせて
カムユの元へ向かうウズキ。
「うわぁぁぁぁあ!!!!」
なにもせずただウズキはどこかに飛んで行った。
「俺が行こう」
「ダメだよ!おじさんは最後!あたし達に
任せてよ!こう見えて結構強いんだよ?」
「ダメだ……」
「何で?私達が子供だから??」
「そう……いや、君達は俺より強いと感じる、
俺が君達に繋ぐからそれまで控えていてくれ……
あいつを倒すのは君達だ」
ミナト、ユウシン、ルルを戦わせない為に
騙してクニトモはカムユの前に立つ。
「さて、殺そう」




