第46話 「死闘の覚悟」
母なる異形の大量の触手による攻撃を受け
ウタカタ達は刀で何とか捌こうとするが
数が多く為す術なく戦闘不能の大ダメージを受ける。
「クソッ!!俺達も行くぞ!!」
「待つんだジン、私達には次の戦いが控えている」
何言ってんだ!?このままアイツらを
見殺しにすんのか!!」
「俺は行きますよユキマサさん!!」
「ダメだよミカド、行かせない」
「ミキリさん!!離して下さい!!」
「ウタカタ達は次に控える黒神を俺達に託し、
あの異形と死ぬ気で戦っている……、
ミカド、ジン、私達が出るのはウタカタ達が
全員……死んだ時だ!」
ユキマサもハオリのズダボロにやられた
姿を見て今にも助けに行きたいと言う気持ちを
必死に抑え震えていた。
「ユキマサ……」
「ユキマサさん……」
ジンとミカドはユキマサの震える姿を見て
ウタカタ達の思いを汲み取った。
動けなくなったウタカタ達にトドメをさそうと
母なる異形はゆっくり前に進み出す。
「クッ……そう簡単には……やられないわ……」
『火ノ御心・花火美姫』
倒れていたサヤの身体がメラメラと燃える
美しい火の着物を纏うと、みるみるダメージが
回復し触手の攻撃により抉れた身体も再生する。
「たとえ差し違えても貴方をたおすわ」
アナタ……アナタ……
母なる異形の大量の触手が再び
サヤを目掛けて飛んでくる。
『火ノ舞・多連炸裂火球』
サヤは弾ける火球を次々と放って
いくつかの触手は弾け飛んでが、
数が多く全ては処理できずサヤは攻撃を
受けてしまう。
「今の私はあなた達異形と同じ……
どんなに攻撃を受けても再生してみせるわ……」
サヤの纏っている火の衣が発動している間は
驚異的な治癒速度で再生して行く。
しかし再生している間は異形と違い負傷している事に
変わりはなく動けるまでに時間が掛かってしまう。
母なる異形は一本の触手でサヤを捕え
更に四本の触手で四肢を掴み引き千切ろうと
ゆっくり引っ張って行く。
「ギャァァァア!!!!」
あまりの激痛にサヤの纏っていた火の衣は解け
神格覚醒の状態も解けてしまう。
その時、突然サヤを掴んでいた触手が
逆に引き千切られる。
「コロス……コロス……」
「ブチコロォォォス!!!!」
母なる異形の触手を千切ったのは
狂鬼化したアカネとウタカタだった。
ゴメンナサイ……ゴメンナサイ……
ゴメンナサイと謝る母なる異形を狂鬼化した
アカネとウタカタは容赦なく殴打する。
アカネが火を纏った拳で殴り続け
上空に投げ飛ばし、飛んで行った異形に
ウタカタは複数の水の刃を水を纏った
腕を振り放つ。
母なる異形は触手や身体を刻まれながら落ちてくる。
落ちてくる母なる異形に対し、狂鬼化した二人は
ジャンプして母なる異形を同時に蹴り飛ばし
地面に叩きつける。
二人は着地すると、土埃の中から触手が
飛び出して来て捕まってグルグル巻にされてしまう。
必死に藻掻く二人だが身動きが取れず、
母なる異形は複数の触手を伸ばし
巻き付けている自身の触手ごと二人を
触手で突き刺した。
巻き付いている触手から血が滴り
二人はぐったりとして狂鬼化が解ける。
触手から解き放たれた二人は深手を負っても尚、
何とか立ち上がり戦おうとする。
「ッチ……」
ジンは思わず飛び出し母なる異形の元へ走る。
「悪ィな……、後は頼んだぜ!!
行くぜ異形……テメェの相手は俺一人で十分!!」
『雷ノ陣・瞬転雷送』!!
「ジン!!やめ――、ろ……」
ミカドの声が届く前にジンと母なる異形は
瞬転雷送でどこかに飛んでいってしまった。
「カッコつけやがって!!一人じゃあんなやつ
どうしようもねーだろ……」
「ミカド……こうなったらジンを信じて待つしかない
私達は残された黒神に集中しよう」
ミカド、ユキマサ、ミキリは黒神を前に
攻撃態勢になるが。
「まだ……母なる異形倒してから……
それまで……戦わない……」
「どうしたのさ!私達の思った以上の成長に
ビビっちゃったのかなぁ?」
「これは試練……母なる異形と決着着いてから……
それまで……私とお兄ちゃんは戦わない……」
「いいだろう……ならばこちらも無理に
戦うことはしない、この者達の手当をさせてもらう」
「うん……それがいい……」
「それがいいって……殺したいのか、
殺したくないのかマジで意味わかんねーよ……」
母なる異形か、轟鬼ジンか……
どちらかが戻ってきた時点で決着とし、
黒神兄妹との戦いはそれ迄待つ事に。
アナタ……アナタ……
「さっきからアナタだのゴメンナサイだの
謝るくらいだったら負けてくれてもいいんだぜ……」
なぜか母なる異形は急にドロドロと溶けだす。
「な、なんだ!?ホントに負けてくれんのか!?」
二人び姿が形成されていき、ただの人型の
シルエットだった身体が今度は美しく
神々しくも禍々しい女性のシルエットに変わる。
「んだよ……偉く変わっちまったじゃねーか……」
その姿を見てジンはこの異形が今まで
本気じゃなかったと知り愕然とする。
母なる異形は自身の周りに漂っている
黒い球体をジン目掛けて飛ばしてくる。
何とかジンは躱すが黒い球体が地面に当たり
物凄い威力で吹き飛ばしてジンもその衝撃波で
吹き飛ばされてしまう。
「ッツ……冗談じゃねーぜ……一発喰らえば
即死だな……楽しくなって来たじゃねーか!!」
再び漂う黒い球体をジン目掛け複数飛ばす。
「そんもん何発も一気に飛ばすな!!」
『雷ノ舞・絞雷裟羅』!!
刀の刀身が複数に別れた稲妻に変化し
黒い球体を破壊しながら更に
母なる異形に巻き付き拘束する。
拘束した母なる異形を地面に叩きつけようとするが
負けじと絞雷裟羅の電撃とジンの引っ張る力に耐える。
「豪鬼化した鬼の力をなめんじゃねーぞ!!」
豪鬼化で上がった筋力で無理くり
母なる異形を地面に叩きつけ、
ジンは絞雷裟羅を解き次の攻撃仕掛ける。
上空に雷を放ち、起き上がる母なる異形の足元に
刀を投げて地面に突き刺す。
『飛雷針』!!
上空に放った雷が母なる異形の足元にある
ジンの刀目掛けて飛んでくる。
母なる異形は飛雷針を受けガクッと体制を崩し
すかさずジンは刀を手に瞬転雷送で瞬間移動で
間合いを取る。
「終わりだぜ……」
『断雷一刀』!!
ジンは残る力を全力で母なる異形に叩き込む。
たしな手応えを感じジンはその場に腰を下ろす。
「はぁはぁ……戻らねぇとな……」




