第44話 「受け継がれる妖力」
何故かお礼言われるミカドは疑問で
自分が何かしたのかを質問する。
「二日置きにお祈りしてたでしょ?
それをミカドがサボってくれたおかげで
封印が弱まって私は出られたという訳だよ!」
「なるほど……封印だったのか……
なんで封印されたのかはあらかた想像できるな……」
ミカドは数分前の妖還りしたこの女性を浮かべる。
「半妖としてかなり強い妖力をお持ちのようですが
いったいあなた様は何者なのですか」
ハオリはあまりにも強い妖気を感じ、震えながらも
見たことの無い半妖に興味が湧いている様だ。
「私は『絶毒八蘇オロチヒメ』創造神の妻で
ミカドのお母さんみたいなもだよ」
突然のオロチヒメの発言にミカドは
キョトンとしている。
「いやいやいや、俺の母さんは俺が生まれた時に
亡くなってるんだが……???」
「だから母さんみたいなものだって言っただろ?
私と同じ妖力が流れているのを感じるだろ」
「俺の中にオロチヒメの妖力が……
うん、確かにシツキに貰った力と自力で覚醒した
雷の力の他にもうひとつ……」
「そう!そして君のお父さんは神と鬼の力を
宿している『万創幸来キズナオオミカミ』!!
君の中に流れる三つのエネルギーはそういう事」
「シツキの言ってた話が本当だったって事か……
てか半妖が神の妻??それになんで封印??」
「まぁ~まぁ~そんな話は置いといて私は
久々の自由の身になったんだ散歩でもしてこよう!」
「なぁ!オロチ!!」
ミカドはオロチヒメが仲間に加われば
最高の戦力になると思い呼び止める。
「なに?仲間にでもなって異形共を倒せって?」
「まだ、何も言ってないだろ……」
「悪いけど私はもうその段階にはいない
異形は君達に与えられた試練だ、んじゃ頑張ってね~」
オロチヒメは颯爽と去って行ってしまった。
「オロチヒメ様……仲間になって頂ければ
心強い方だったのですけどね……」
「そうですね……長年生きて来ましたが
あれほど強い妖力を感じたのは初めてです……」
ハオリとウタカタはオロチヒメを惜しむが
ミカドは逆に良かったと捉え、異形を倒し尽くすまで
戦い強くなり黒神アンユを倒し、シツキの言っていた
十三の神々を倒し二度と同じ事を繰り返させないと
心に決めた。
それからミカド達は数日間次々と現れる
異形を倒し続ける。
どの異形も強く苦戦を強いられたが
その分ミカド達も強くなっていた。
そしてある時異変が起きる。
今まで静止していた超大型の異形が
姿を消したのだ。
どうやらあの異形は異形を生み出していた
ものだったのがわかる。
直ぐに町に大量の異形が押し寄せた。
ほとんどは最初の方に現れた異形で
今のミカド達の敵ではなく次々と倒していった。
それでも倒したのはほんの一部だろう
ありえない程の異形の数。
それは異形との最後の戦いである事を
示していた。
ミカド達は異形を生み出すものがいた所を
目指し動く、異形を大量に生み出し消えたのでは無く
縮小しただけの可能性もあったからだ。
焔高に残っていたタカオミ達も同様に
そこを目指していた。
もちろん彼らもミカド同様に数日間の
異形との戦いで強くなっていた。
ミカド達は異形を倒しながら進み続けると
そこには大きく歪な黒い球体と黒神アンユがいた。
「少しは強くなった……?」
「アンユ……あァ、お陰様でな……」
「そう……良かった……」
「良かったって……お前がこんな事をする
意図はなんなんだ……」
「話は戦いが終わってから……母なる異形は
まだまだこれから……」
突然、歪な黒い球体はモゴモゴと動きだすと
中から以前ミカドが倒した海月の異形と
人型の異形を融合させた様な海月の人型異形が
母なる異形から産み出された。
スゥゥゥン
異形特有の機器的な響く声を発し
ミカド達にゆっくり歩み寄る。
「異形なんざもう怖くねーぜ!!」
ミカドは神格覚醒し技を仕掛ける。
「これがオロチヒメから授かった力だ!!」
『雷ノ舞・雷々舞踊』!!
ミカドは驚異的な瞬発力を手にし
神出鬼没のスピードで雷の手刀を
当てる……が、全てすり抜けてしまった。
「なるほどな……あの時の海月の異形と
同じってわけか……」
「ならば焼き斬る!!」
『炎斬』!!
炎を纏った刀もすり抜ける。
「これでダメなら!!」
『豪炎斬』!!
更に火力増した異形を包んでしまうほどの
炎の斬撃を食らわす。
海月の人型異形の身体が焼け焦げるが
直ぐに再生をして元通りになってしまう。
「クッ……ダメか……」
「ユキマサ様ここは私に」
『呪幻ノ舞・至騰身寒』
ハオリの呪術を受けても全く
微動だにせずただ立ち尽くす
海月の異形。
「にしてもやけに落ち着いてるやつだな……
あまりに余裕ぶっこいてると痛い目みるぜ!!」
轟鬼ジンは豪鬼化し鬼装束を纏い
豪鬼化したイチロ同様により強い力を手にしていた。
「くたばれ異形!!」
『雷ノ陣・瞬転雷送』
地面に刀を突き刺しバチンッ!と音を立て
神である黒神アンユでさえ追えない瞬間移動をする。
アンユは気配のする方へ目を向けると
母なる異形の上に瞬間移動していた。
「俺の狙いはコイツだぜ!!」
『雷ノ陣・散残雷斬』!!
ジンは母なる異形を複数斬ってそのまま走り去る。
ついた斬り傷には刀の纏っていた雷エネルギーが
残り数秒後放電して母なる異形は崩れる。
「これでこいつに集中できるな!」
「ナイスジン!」
ジンを賞賛していると海月の人型異形の
頭部から生える触手が動き出し、
ミカド達目掛け飛んで来た。
鬼達が刀で切り落とそうとするが
やはりすり抜けてしまい触手に触れてしまう。
ミカド達全員海月の異形の触手に触れてしまい
身体が麻痺してその場に倒れてしまった。
「う……動けねぇ……」
ミカド達は何とか動こうと藻掻くが
ピクリと動く程度で迫り来る海月の異形に
何も出来ず殺されてしまいそうになった時――
突如、異形は吹き飛ばされ、ミカド達の目の前に
雷を纏う少女と少年が現れた。
「だ……誰だ……」




