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KAMITUKU 第一部 ~end of the world~  作者: きなみ
第二章 黒神兄妹編
29/57

第29話 「炎狂飢鬼」

焔高に向かった仲間達も無事に異形に

出くわすこと無くたどり着く。


「久しぶりに来たな~」

「陽山氏もこの学校の生徒だったのかお?」

「そうなんだ中退だけどね」

「なんかあったのかお?」

「この学校の闇を知ってね~」

「闇……?」

「クラスで人気者のちょっと変わった女の子がいてね

真城ましろさくら』って名前なんだけど、

高校二年に上がったばかりの時に何者かに攫われた

らしいんだよね~……目撃情報によれば政府の軍、

女神鳥ふくろうの軍服を着た奴らだったらしいんだ……、

さくらちゃんと仲がとりわけ良かった人達は

学校中あさりに漁って調べると焔高の闇がね~」


カズイチが言うにはまず、焔高はただの高校では無く

入学した時点で基準を満たした生徒は強制的に

政府の軍に入隊させられる事。


ずば抜けた身体能力を持つ生徒は

在学中問わずに連行され強制入隊となる事。


大陸防衛軍女神鳥は幹部以下の兵士は

ろくな訓練もされずに現地に送り込まれ

毎年多くの戦死者が出ている事。


焔高や他の高校ほとんどは兵士の補充目的の為に

建てられた学校だという事。


それらを知ったカズイチ達はそれぞれ時期をずらし

適当な理由を付けて中退したり、

ポンコツの振りをしたりして強制入隊を免れたとの事。


「結局、異形にやられなくても早々に

死んでたかもしれなかったって事かお……」

「私やセイヤ、リョウヘイもよく三年まで

連行されずに済んでたわね……」

「レイちゃんは夜勝刃との関わりがあったって事が

手出し出来なかった理由かもね~、二人も幼馴染

というのを考慮されてたって事だと思う、

運がよかったねぇ~」


修行組は屋上の小屋にたどり着くが

全員入るには狭過ぎるが異形が居ない間は

屋上で休憩する事に。


一休みを終え早速覚醒したばかりの者達や

力を取り戻していない鬼や半妖は各々修行を始める。


内に感じるエネルギーのイメージ操作や

戦闘訓練、技の習得、覚醒してしまえば

意外と難しくなく淡々と修行をこなして行く。


鬼や半妖は政府に打たれた抑制剤の効果で

エネルギーが上手く発せられなかったが

戦闘訓練の中で着々と取り戻しつつあった。


一方、ミカド達は目的の場所に到着していた。


「建物崩れちゃってますね……」

異形の大進行はあちこちに被害をもたらしていて

イチカは鬼の生存に不安を抱く。


ミカド達は瓦礫を退かしながら

鬼が収容されているカプセルを探す。


「あった!!あったぞ!!」

ミカド達はカプセルを瓦礫から掘り起こすと

中に捕らえられた当時の姿のままの状態で

保存されていたのが伺える。


カプセルには『炎狂飢鬼えんきょううえきユキマサ』と

記されている。


「どうやったら開くんだ?」

「本来は専属の職員のカードキーが必要なのですが、

そんなものは無いので強引にこじ開けましょう」

「私に任せて!」


イチカは覚醒した怪力でカプセルをこじ開けた。

ひっそり震え上がっているミカド……。


中に眠る鬼は直ぐに目を覚ます。


「ウッ……グゥ……ウガァァァア!!!!

寄こせッ!!血を寄こせぇぇえ!!!!」


炎狂飢鬼ユキマサは既に狂鬼化状態のまま

封印されていた。

目が覚めて直ぐに近くにいたイチカを襲う。


「やめろ!!離せ!!変態ーーー!!」

「イチカ!!『雷閃らいせん』!!」


イチカを助ける為、思わず技を放つが

当たった雷閃を気にも止めずに

イチカの肩に噛み付く。


「痛い!!痛い!!」


イチカの怪力すら上回る力で取り押さえ

噛み付いた肩を齧りとってしまう。


「テメェ……なんて事しやがる……」

「マズイ!!」ドスッ

「ウグゥ……ウタカタさん……何を……」


襲われるイチカを見てあの時の様に

暴走しそうになるミカドを気絶させるウタカタ。


イチカ傷から流れ出る血を啜る炎狂飢鬼。


「炎狂飢鬼……まるで半妖ですね……

イチカさんを離しなさい、あなたが欲しい血を

浴びせてあげます」


血威双刃けついそうじん


太刀を振るい血の斬撃がユキマサに当たり吹き飛ぶ。


「ハオリさん!イチカさんを!!ハオリさん??」

ハオリはウタカタの後ろで涙を流していた。


「どうして……」


ハオリは炎狂飢鬼のユキマサと言う名前と姿に

見覚えのあった。


「ハオリさんしっかり!!」

「すいません……あの鬼は私が、ウタカタ様は

イチカ様とミカド様をお願いします」


体勢を起こし再びイチカに飛び掛るユキマサ。


呪縛心寒じゅばくしんかん


ハオリは両手の狐手を合わせて

ユキマサに技をかける。


「グッ……グオォォ……」

イチカに飛び掛る途中で地面に落下し、

もがくユキマサ。


「ダメですね……ウタカタ様少しのお手伝い

頂いてもよろしいですか」

「はい!任せてください!」


泡沫泡結うたかたあわむすび


ウタカタの拘束技で更にユキマサの動きを封じる。


「血を……血を……」


動きを封じられたユキマサに

ハオリが近づき片手の狐手を額に当てる。


狐魅啜離きつねみすすり


ユキマサのエネルギーがハオリに

吸い取られていき、完全に鎮静する。


「お父様……やっと見つけましたよ……」

ほろっと流した涙がユキマサの頬を伝う。


イチカの止血を済ませ、ミカドも目を覚ます。


「ハッ!!俺はいったい!!鬼は!!イチカは!!」

「もう大丈夫ですよ、イチカ様の応急手当を済まし

お父様の狂鬼化は解きました」


ハオリの膝枕で眠っているユキマサ。


「そうですか、良かった……ん?お父様??」


ハオリとユキマサは血の繋がった家族ではないが

育ての親である事、ユキマサの事を話す。


ユキマサがこうなってしまったのは

農作業から帰った時、半妖に一家を惨殺され

その間、恐怖で家族の断末魔を聞かきながら

一人身を隠し、不甲斐なさと半妖の憎しみで

鬼化してしまい、血を欲して家族を襲った

半妖から家族を取り戻そうとユキマサも

半妖同様に血を求める様になってしまった。


半妖を探し歩いていた時に山に捨てられていた

ハオリと出会いやむを得ずに山小屋に住み着き

父親代わりとなりハオリを育てた。


ハオリが独り立ち出来る程に成長した時

家族を襲った半妖に出くわし、その時に

記憶がフラッシュバックし狂鬼化してしまい

ハオリも襲われてしまい、逃げている途中で

国の者が現れ連れ去られて以来、ハオリは

育ての親であるユキマサをとても長い間

探し回っていた。


「大変でしたね……」

「私は全然、大変なのはお父様だけです……、

さっ、早く皆様の所に戻りましょう!

イチカ様の傷も早くサヤ様に見てもらわないと!」


ミカド達は何とかユキマサを解放し

仲間達と合流する為に焔高を目指す。

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