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KAMITUKU 第一部 ~end of the world~  作者: きなみ
第一章 異形襲来編
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第17話 「最弱剣士と猫の様な生き物」

一日休息をしっかりと取ったミカド達は

夜勝刃家の屋敷を目指して山を降り

隣町の紫九雷町しくらちょうを目指す。


「先輩達、一つお願いが」

「どうしたの?」

これから出てくる異形は俺に戦わせて

もらってもいいですか?今までイチカの目があって

無理に戦えなかったんで、シツキから貰った

この力……なんかあると思うんですよね」

「いいけど、危険だと判断したら直ぐに

手を出すわよ」

「はい、ありがとうございます」


シツキから授かった力、手にした物を剣に変える力と

身体能力の向上以外にも何かあると感じていた。


八蘇木町も山から離れてくると

異形がチラホラと現れ出す。


「早速、槍爪の異形か……」

「にーちゃん大丈夫か?あたしがやろうか?」

「遠慮するよ小六の女の子に代わりに

戦ってもらうとか屈辱すぎる」


ミカドは近くに落ちていた石を拾い、剣に変える。


「よし……来いッ!!」

フヲォォォン!!!!


異形の尖った爪がミカドの耳を掠めて通り過ぎ

直ぐにもう片方の爪が足元目掛けて向かってくる


ミカドは地面を蹴り上げ足元目掛けて来た爪に

剣を力いっぱい振り下ろす。


ガキン!!


「手が!手がぁぁぁあ!!!!」

「八蘇木君!!」


――ッシュン!!


レイが助けに行くよりも先にミナトが駆け付け

槍爪の異形の真上に飛び上がりコアを拳で叩き割った。


「楽勝!!にーちゃん大丈夫?」

「ハハハ……ありがとな(めっちゃ強いじゃん……)

思った以上に手が痺れて焦ったぜ……」

痺れて手が震えているミカド。


「力で叩き切ろうとするからよ……

今まであなたが倒した小型の異形は

上がった身体能力で強引に斬ってただけね」


「雪ヶ原先輩!!御指南を!!」

「仕方ないわねぇ、その剣貸して」

「どうぞ」


ミカドの手から離れた剣は石に戻る。


「そうだったわね、忘れてたわ」


見本を見せるのは諦め、死んだ槍爪の異形を使って、

剣は突きに特化している事や重さで叩き切る事為に

上手く力を伝える方法をレイはミカドに指南した。


「切れる!!こいつ切れるぞ!!」

「飲み込みが早いわね……」


ミカドは直ぐに槍爪の異形の胴体を貫いたり

弾かれた爪を出来るようになった。

ついでに剣のサイズも自在に変えれる様になった。


ミカド達は再び紫九雷町にある

夜勝刃やがつば家の屋敷を目指して歩みを進める。


紫九雷町に入ると一気に異形が増え

八蘇木山の力を思い知る。


ミカドは剣の使い方を知り爽快に

バッサバッサと小型の異形を切っていく。


「うおっ!!」

ミカドの剣筋をすり抜けた球状の異形が

頭目掛けて飛んで来る。


「油断しないで!!」

「すんません……」

レイが球状の異形の異形を

鉄パイプで叩き割り、間一髪で助かる。


まだまだ剣の扱いを覚えたばかりで

何度も異形に襲われそうになるが

その度にレイ、アキラ、ミナトに助けられる。


進んでいくと目の前に岩肌の壁が……。

あの時苦戦した大顎の異形が道を塞ぐ。


「俺にやらせて下さい……」

「剣が通用するような異形じゃないわよ」

「へっへっへ、いい事思いついちゃって」


そういうとミカドは大顎の異形に背を向けると

持ってる剣を十メートル程に伸ばし

巨大な剣を作り出す。


呆然と立ち尽くすミカド。


「あなたそれで切ろうとしたの……?」

「クソ……ビクともしない……だと……」

「当然でしょ」


「私にいい案がありますよ」

アキラの提案に賛同するミカド。


アキラは両手を組み地面に付けてミカドの足を

手にかけると、勢いよく手を上げて

ミカドを大顎の異形目掛けて飛ばした。


「うわぁぁぁあ!!!!こえぇぇぇえ!!!!」

「ミカド君!!剣を!!」


ミカドは落下し始めると同時に

剣を再び伸ばし巨大化させる。


剣の重みが加わり地面に向かって急降下。

ミカドは気を失う。


ズドォォォン!!!!


「八蘇木君!!起きて!!目を覚ましなさい!!」

「う、う~ん……どうなって……」

「見て」


ミカドの視線の先には真っ二つに

胴体が裂かれた大顎の異形がいた。

傷口には小型の異形が群がり大顎の異形を

貪り食っている。


「ミカド君作戦成功です」

「愛美希さんなら一撃なのに、わざわざ

俺に力を貸してくれてありがとうございます」

「いえいえ、ミカド君の成長に繋がれば何よりです」

「八蘇木君立てる?今のうちに進みましょう」


大顎の異形を後に屋敷を再び目指す。


――――――――――――――――――――――――


「グギャギャ!こいつのコアを手に入れられるとは

レアだギャ!あいつらに着いて行くだギャ!」


小型の異形に貪られた後に残った

大顎の異形のコアを回収した何者かが

ミカド達の後を追う。


――――――――――――――――――――――――


ミカド達は屋敷に着き、中に入る。


「そ……そんな……師匠……師匠しっかり!!

起きて!!起きて下さい!!!!」

「雪ねーちゃん、その人もう死んでるよ」


異形に負けるはずのない貴重な戦力だった

レイの師匠は既に亡くなっていた。


「師匠達が殺られるなんて……相当な異形が

いるみたいね……」

「強い方々だったんですね」

「はい、夜勝刃家の人達は『夜雷一刀流やらいいっとうりゅう』という

剣技を使う愛美希さんの様に人間離れした人達です」

「それはとても貴重な方々を亡くしましたね……」


「ミカド君、私……人間離れしてますか?」

「異形からしたら愛美希さんの方が異形だと

思いますよ……」(自覚ねーのかよこのおっさん)


屋敷を回り生きてる人が居ないか捜したが

屋敷の人は皆息を引き取っていた。


「レ……レイ……」

「ソノミさん!!」


『夜勝刃ソノミ』は夜勝刃家の長女で

師匠に次ぐ一族の中でもかなりの手練。


「師匠達皆――」

「知ってる……」

「誰に!?」

「怪物……身体が半透明でデカい奴……

まだ近くにいるかも……」

「早く逃げましょう!!」

「見ての通り……私はもう無理よ……」

ソノミの身体はあちこち抉られて

生きている事が奇跡の状態だった。


「ユウ……シン……をお願いね……」バタッ――

「ソノミさん!!」


「雪ヶ原先輩……早く逃げましょう……

絶対ヤバいですって……その異形に見つかったら

流石の愛美希さんでも……」

「そうですね……早く退散した方が良さそうですね」

「待って下さい!!」


レイはソノミが倒れるまで護る様にしていた

襖を開け部屋に入る。

押し入れの襖を開けると、男の子が驚愕した目で

こちらを見ている。


「ユウシン君!良かった!無事だったのね!!」

目を見開いたまま返事がない……

襖が空いた瞬間に恐怖で気絶してしまった様だ。


ワキャ!!


ユウシンの背後から独特な鳴き声の小さい

猫の様な獣がレイに飛びつく。


「キッペイちゃんも無事だったのね!

ヨシヨシ~ユウシン君を護ってたのね~

偉い!偉いね~ヨシヨシ~」

「雪ヶ原先輩……キャラが……」

「ハッ……つい……」


『夜勝刃ユウシン』夜勝刃家の末っ子で

まだ、十歳の男の子。

夜勝刃家の子供だが稽古に着いて行けなくなり

ソノミ以外の家族に見放されてしまった子で

ろくに剣も振るえない最強一家の最弱剣士。


『キッペイ』はユウシンが産まれた時から

ずっと一緒にいて、楽しい時も悲しい時も

どんな時もずっと一緒にいる相棒。

ユウシンが赤ちゃんの時から全く姿が変わらない

不思議な猫の様な生き物。


気絶したままのユウシンをアキラが抱え

ミカド達は急いで八蘇木山に引き返す。

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