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KAMITUKU 第一部 ~end of the world~  作者: きなみ
第一章 異形襲来編
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第16話 「対異形!!鬼化作戦!!」

河川敷をひたすら歩き続ける。

山に近づけば近づくほど異形の数は減っていく。

八蘇木山の麓に三時間かけてようやくたどり着いた。


「もぉ~ダメ~」

「メグミよく頑張ったわ」

レイはメグミに水を差し出す。


「レイちゃんありがと~」グビグビ


「貴重な飲水をよくそんな豪快に……」

遠慮ないメグミに少し引き気味のサヤ。


「あわわわ!ごごごごめんね!喉乾いてつい~」

「飲め飲め豪快に飲め~」グビッ

「つぉーい!!!!痛ッ!!」

メグミに肩を組むバジオを見て、ウズキが勢いよく

飛びかかりドロップキックを仕掛けるも

ゆらりと交わして腹に肘打ちを食らわす。


「ヴゥ……メグミちゃんから離れろ……

セクハラだぞ……おっさん……」


「い~じゃね~か、なぁ?――ヘブッ……」

バジオの手が強く肩を寄せようとした瞬間に

視界が真っ暗になってすっ飛んでいく。


「大丈夫メグミ?」

「レイちゃんやりすぎだよ~」

「そう?妥当だと思うけど?」


レイが振りかざした鉄パイプが

バジオの顔面にヒットした様だ。


バジオはムクっと上体を起こして

すっ飛んでも手放さなかった酒をグビッっと一口。

「はぁ~世知辛い世の中だね~」


「コントしてないで早く行こうぜ……」

ミカド達は八蘇木山の頂上にある

『八蘇木センリュウ』の家に向かう。


頂上には小さな屋敷と近くに御神木の様に祀られた

円状に並ぶ八本の木が生えている。


山頂から見える絶景の景色は

これが終末かと思い知らされる景色に変わっていた。


散々歩き中々ハードな山登りをして

日常で山登りしていて鍛えられたミカドとイチカ

日頃の戦闘で鍛えられた五黒一家

異形を素手て殲滅したアキラと娘のミナトは

ピンピンしているが、他の者達は疲労で

動けなくなりしばらく休息が必要そうだ。


「じーちゃんただいま~、生きてるかー?」


シーン……


「寝てんのかー?……とりあえず上がって下さい」


皆を家の客間に案内してミカドとイチカは

センリュウを探すが、どこにも姿がなかった。


「どこ行っちゃったんだろうね?」

「嫌な予感がする……外探してくるわ、

イチカは皆に家の案内でもしといてくれ」

「うん……わかった」


ミカドはセンリュウを捜しに広い山を

ひたすら歩き回る。

「じーちゃーん!!聞こえたら返事しろー!!」


シーン……


ミカドは山を降りて周辺も捜しまわる。


異形の姿はないが人の姿もない。

そこらじゅうの建物からは死臭が漂う。


「異形……いないよな……」


ミカドは思った。

八蘇木山の神聖な力で異形は八蘇木山から流れる

川の周辺や八蘇木山周辺に近づけない。


しかし、異形の姿がないのはいいが人の姿もない

そして建物からは死臭が漂う。


火花衣病院で遭遇した黒羽の異形レベルなら

もしかしたら神聖な場所とか関係ないのでは?と。


そう思って建物を注意深く見ると

一見外傷はないが、ご丁寧に玄関の扉だけ

破壊されて侵入された痕跡があった。


怖くなったミカドは一目散に山に戻る。


「ミカドおかえり!おじいちゃんは……?」

「見つからなかった……」

「そっか……もし――」

「死んでねーよ、きっとフラっと出てくるさ

じーちゃん、散歩好きな癖して方向音痴だから

よく迷子になってさ」

「そうだね!いつも探し回って見つからなくても

気づくと家にいたもんね!」

「あぁ、だから今回もフラっと戻っくるさ」


ハッとミカドは思い出し休息するみんなに

余計な不安を煽らない様に

マサだけを別の部屋に移動する。


そして八蘇木山の麓の町で感じた違和感と

ヤバい異形がいる可能性、八蘇木山も

安全の保証がない事を説明した。


「そうか、どこも安全と言える場所はないのかもな」

「どうしましょうね、行く宛てもないですし」


「戦うしかねーだろうな」


「え……無理!無理ですよ!異形も雑魚ばかり

じゃない!ヤバいのもいるんですよ!!

今の俺達じゃどうしようも無い異形もいるんです!」


「分かってるじゃねーか、確かに今の俺達じゃ

そのヤバい異形に遭遇すれば瞬殺されるだろうな……

それなら変わるしかないだろ」


「変わる?」


「俺達じゃどうしようもなかった大顎の異形を

気絶させたのは誰だ?」

「イチロです」

「違うな……鬼化したイチロだ」

「つまり……?」


「俺達全員で人間やめよーぜって話だ!!」


ミカドは自分が鬼になって無双する姿を

頭の中に思い浮かべる。


「やりましょう!!生きる為に!!鬼になって

異形共を殲滅しましょう!!」

「よし!!そうなりゃ早速、

全員でメンタルブレイク合戦だ!!」


結局、全員にヤバい異形がいる可能性と

八蘇木山も安全では無い事を説明して

鬼化作戦を決行するが……。


お互いを罵り蔑ましどんなに精神を痛めつけても

そう簡単に鬼化することは無かった。


そもそもメンタルブレイクするほど

傷つける程の状況が作れなかった。


「意外と難しいな……」

「当然の結果だな……俺達に至っては仲間が死んでも

鬼化しないんだ……少なくとも異形から逃れてる

俺達全員は多くの死を目の当たりにしてきている、

並大抵事じゃ鬼化しないだろう……」

「確かにな」


頭を悩ますマサにユアサは冷静なツッコミを入れる。


「マサさん、鬼化は無理そうですね……

どうしましょうか……?」

鬼化して無双する妄想を砕かれ残念そうなミカド。


「ミカドはその力を何とか鍛え上げれないのか?」


「ゲームみたいに異形倒してレベルアップとか

出来ればいいんですけどね~……異形倒しても

剣を作ってちょっと戦える位のままです……」


「ならとりあえずは、お互い自分より強いやつと

戦って、修行とかすれば少しは強くなれるだろ」


「氷洞さんの案でいきましょう、地道だけど

今よりも確実に強くはなれるわ」

レイがユアサの提案に賛成する。


「ミカド達はいいが俺達が強くなるには……」

「私はいつでもお相手致しますよ」

五黒一家一同が視線を送った先は

ニコニコ微笑むゴリゴリのアキラ。


「いい相手がいますよ、きっと生きてる筈、

師匠達……夜勝刃やがつば家の人達が」


「それは無理だ」

「ユアサ……だがこんな時だ、

敵の敵は味方って言うだろ……意固地になるな」

「そうだが……ッチ……お前の師匠殺す事になっても

知らねーぞ……」

「……その時はその時です……その分氷洞さんが

強くなっていれば構いません」

「お前、案外冷たいな……」

「氷洞さんには言われたくありません」


「よし!そうと決まれば早速行ってきてくれ!」

「マサさん達は着いて来てくれないんですか?」

「俺達が行けばその場で戦闘になる可能性も

あるからな……夜勝刃のおっさん血の気が多いんだ」


「じぁあ、念の為に夜勝刃家の屋敷に行くのは

俺と雪ヶ原先輩と……愛美希さんも一緒に

来てくれると心強いのですが……」

「父さんが行くならあたしもセットね!」

「ミナトちゃんは危ないから待っていた方が……」

「大丈夫ですよ、ミナトは華奢きゃしゃに見えて

スピードも力も結構ありますから」


「へ……へぇ~」(本当に大丈夫かな……)

ゴリゴリのアキラに比べミナトは普通の

小学六年生の体格、とても力があるようには見えず

心配そうなミカド。


ミカド、レイ、アキラ、ミナトの四人は

夜勝刃家の力を借り、異形に対抗出来る

力をつけるべく、再び異形に襲われる覚悟で

隣町の紫九雷町にある夜勝刃家の屋敷を目指す。

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