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第一話 思い出の場所へ

本編始まります!

「暑い・・・」



気温を確認すると30℃

大した炎天下である。


「しっかし何もかわりゃしないですね。この町ってのは」

「何もないにあふれている感じがたまらないですなぁ」


続く限りの道。その両側に無限大に広がる田んぼ

まさに現代のオアシス。いやジャングルの方がしっくりくる。


「さてと、待ち合わせの場所はここだっけか?」

独り言をつぶやきながら手元の手紙に目を落とす。


俺がこんな辺鄙な地に来ている理由は一つ。

ある人から呼び出しを受けたからだ。


「しかし10年ぶりかー。結構変わってるんだろうな」

「かくいう私もこんなクソガキになってるわけですし」


10年という歳月の長さを実感するには17歳というのはいささか

力不足のようにも感じるが、感じてしまったものは致し方ない。


「おっ、着いた。」



目的に到着してあたりを見回すとそこには過去の記憶と

寸分変わらぬ風景が広がっていた。


「いやー懐かしいな!このポスト!

良く昔はみんなで集合場所に使ったよなー」


あの頃と何も変わらない風景に感動を覚えつつ感想を口にする。

ただ同時にそのポストのくたびれ具合から確かに年月が経っていることを感じずにはいられない。


「さてと、そろそろ集合時間のはずだが・・・

まだ来てないか」


そういってスマホに目を落とす。

時間は10:45分。ちょうど集合時間の15分前である。


「ありゃ。あいつ結構時間にはうるさい奴だと記憶しているんだが・・・

まぁとりあえず時間まで待ってみるか」


そう呟きポストの脇に腰掛ける。

久々に会う気恥ずかしさと嬉しさを心に秘め時間が経過するのを待った。


~1時間後~



「来ない・・・」


ちょうどお日様が俺のてっぺんに昇るころになっても待ち人は来ず

いい加減暑さでやられそうだ。


「出会い系でドタキャンされるってのはこんな気分なのか・・・

嫌、相手はきちんとした知り合いだけどね?」


冗談を言う気力が残っていることを確認し、体を起こす。

実はもう一か所手紙に記された待ち合わせ場所があるのだ。


「しっかし回りくどいことするよな。最初からこっちを待ち合わせ

場所に指定してくれれば良いのに。」


手紙には「もし私が時間通りに来なかったらこっちに来てね」

という文章とともに場所が記入されていた。


場所は昔よく遊んだ雑木林。

完全に獣道のわけだが小さい頃はそれが楽しかった。秘密基地とか作れるし。


「さー行ってみますか!やっぱりあそこも変わってないのかな?」


いろんな想像をしつつ目的地を目指す。

やはり思い出は良いものであると改めて考えながら。


~目的地到着~


「これは変わってないというか。さらに荒れ放題に・・・

誰も管理しなくなっちゃのかな・・・」


見渡す限りの木木木

雑木林という言葉がぴったりな光景にため息が出る。


「ただこれだけ風景変わってても目的地には一直線で進める。

いやー子供の頃の記憶ってのは鮮明だね。あの頃に戻りたくなるわけだ」


「さてと待ち合わせ場所はここだったかな?

おーあったあった!秘密基地発見!」


その場所にはあの頃と変わらない風景が広がっていた。

というかここだけきちんと整備がされている。


俺は子供の頃秘密基地にしていた廃バスを発見した。

不法投棄はいけないことだがまぁこの際気にしない。


「さてとあいつはどこに・・・

ここでもいないとなるととうとう不安になってしまうんだが」


あたりを見渡すが人っ子一人いない。

なんて立ってここは地元の人間でも滅多に出入りしない場所。


まぁその分子供の頃は楽しくやらせてもらいましたよ

支配からの卒業って感じがしますよね。


冗談を思いながらあたりを散策する。

そうすると人影を見つけた。


「おっ!発見!

おーい!琴野ー!会いたかったぞー!」


彼女を探して三千里。まさに感動の対面である。

ファーストコンタクトはこんな場所に呼び出したことを説教してやろう。


そんなことを考えながら彼女に近づく。

しかしすぐに後悔することになる。


「え・・・誰・・・?えっ・・・・?

てかっ、いやぁーーーーーーーーーーーーーーーー!」


そこには俺の尋ね人がいた。

しかも一糸まとわぬ姿でいた。


「えっ!?お前誰もいないからってこんな場所でなんて恰好してんだ!」


「いやぁーーーーーーーー!変態ーーーーー!助けてーーーー!」


「ちょっ、違う。これは事故であって。てか見える!見えるから!

あんまり暴れるな!隠せ!いろいろと!」


「死ね!変態!いや私がこの場でその記憶事この世から抹殺してあげる!

あんたその場所から動くんじゃないわよ!!!」


「わかった!動かない。動かないから!隠せ!

それ以上はお嫁に行けなくなるぞ!」


「っっっ!?いやーーー!!!!」


思い出の場所での感動の再開はとってもロマンティックになりました。

いやー。俺この場所から生きて帰るのか?


そんなことを考えつつその場から一時戦略的撤退をするのであった。

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