~救えなかった結末~
今作は限界集落物大好きな作者の性癖全快です。(モチーフはひぐ〇しです)
ハッピーエンドからの落差をお楽しみいただければと思います。よしなに!
そっち系が好きな人向けに執筆しております。
更新頻度一日一話程度になるかもです!
町が海に飲まれていく。真っ赤な海に。
もう止めることなど考えるだけ無駄だということを確信してしまう。そんな光景だ。
赤い濁流にのまれていく町を見ながらふと考えてしまう。
どこで、だれが、何を、いつ、間違えたのか
なるべくしてなったという結末では決してない。
いくつものボタンを掛け違えてこの場所に来てしまった。
感情で動くとろくなことがない。本質が見えない。
この光景を作り出してしまった一旦は確実に自分にもある。
その時は最善手だと思ったことでも振り返ればろくな手ではない。
世の中はそういった理不尽に溢れている。
もうあの場面には戻れないという至極当然のことを
人はその時の感情で見落としてしまうのだ。状況ではなく感情を優先して。
もう戻れない選択肢なのであれば慎重に打つ手を考える。
それが決して誰も幸せにしなくても。
この場面を、この光景を作り出してしまった一人であるのならば
この惨劇を止めなければならない。
しかし、自分にはそんな力などこれっぽっちも残っていない。
自分にとっての最善手を打ち続けた人間にはもう動くことすら叶わないのだ。
きっとこの世に神というやつがいてくれれば
この結末を最初から分かっている奴がいれば
この結末を迎えることなんて
きっとなかったのに・・・