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プロローグ_1

短編の二次小説の受けが思ったより良かったのでオリジナル小説を久しぶりに書きました。一応流れと結末までは考えてありますが筆が乗った時に書いてるので不定期で更新します。

 彼は空を飛ぶのが好きだった、空に浮かぶ無数の島とその間を飛ぶ飛行船や小型の飛行機を見ながら自分もといつか…と少年の憧れを持っていた。そして彼の夢はいつしか士官学校で出会った親友と共に空を飛ぶことに変わり、出会いと別れを経て、最終的には生きるために変わった。

 彼こと、クリフ・バンデラスは今現在、大陸群が二つに分かれて争う北南戦争に従事していた。傭兵上がりとしての経歴を持つという事で下士官上がりの特務士官として任官され今では戦闘機隊の小隊長も務めている。彼が参戦する数カ月前から始まっていたこの戦争は彼が参加してから数カ月経過しても終戦の兆しは見えなかった。双方の軍は当初2,3カ月で停戦になると見込んでいたが、その見込みが外れたことにより際限なく軍の補充と拡充そして消耗を繰り返していった。

 

 開戦から1年たった文明歴1906年6月8日この日、クリフ・バンデラスは航空母艦ドミニオンの戦闘機パイロットであると共に第2小隊の隊長として乗艦していた。


 

 雲海の中を飛行する航空母艦ドミニオンの中で俺は今、今回の作戦についてのブリーフィングを戦隊長のハンス・ブルーム大佐から受けていた。

 隣や後ろの席には他の小隊長や自分の隊員達が座っている。戦隊長は今回の作戦目的と行動予定、そして各隊の役割を説明していた。俺は黙ってその話を聞きつつ自分たちの行動パターンを模索していると、戦隊長の話が終わった。


「以上、各員奮励努力せよ」


「起立!戦隊長殿に敬礼!」

 副官の声に合わせて皆で一様の行動をとり、戦隊長を見送った。


「少尉殿」 

 机の上にメモ用に置いておいたノートを回収していると部下のカイ伍長が話しかけてきた。


「どうした?カイ伍長?」


「実は今回での行動で…」


 伍長と隊の連携について確認した後少しの休憩を挟んで出撃となった。攻撃隊が発艦後に戦闘機に乗り込み出撃前の確認を行い発艦する。早く感じてしまうのは緊張のせいだろうか…。

 スロットルレバーを前に倒し甲板を走らせる落ちる感覚と共に宙に浮かび上がり集合地点まで上昇しながら旋回する。後ろには部下のカイ伍長ともう一人のショウ伍長がついてくる形となった。


 俺の乗る戦闘機は、Ba105-bという複葉戦闘機だ、こいつはバスターエアー社が設計した汎用主力戦闘機の航続距離延長型、他のタイプに比べ航続距離が長いが被弾時に燃えやすい主に空母に使用されている。


 空母を飛び立ってから1時間ほどで敵の艦隊がいると思われる地点に到着したしかしそこにいたのは敵の編隊だけだった…。


「敵の艦影はどこだ?」

「分からない!いるのは敵の戦闘機だけだ!」

「攻撃隊を護衛しろ、作戦は失敗だ」

「攻撃隊全機反転し空母へ帰投せよ」

「別動隊から出た攻撃隊はどこにいる」

「長距離通信でドミニオンに連絡できないか?」

「ドミニオンから応答ありません」

「まさかドミニオンが?」

「防空隊がいたはずだ」

「しかし…」


 味方の通信からは混乱している様子がうかがえる。そして別行動している機動部隊から発艦したはずの攻撃部隊が見えない、母艦のドミニオンとも連絡がつかない。チャンネルを切り替えて僚機と連絡を取る。


「第二小隊各機、先鋒の部隊が戦闘状態になった攻撃隊は撤退する」


「隊長まさか敵の奇襲を受けたのですか?」


「ショウ伍長そのようだ、作戦が読まれていたか漏れていたのかもしれない」


「自分たちは攻撃隊の殿を守りつつ撤退するのですよね?」

 旋回しドミニオンへ進路をとる攻撃機隊を横目に見ているとカイ伍長からそんな質問を受けた。しかしそれでは攻撃機の消耗が激しくなるかもしれない。


「待ち伏せしていたと思われる敵が逃げるから追撃してこないとは思えない、敵機をひきつけて味方攻撃機との距離を稼ぐ、第四小隊よりこっちの方が戦闘だから先にこっちが旋回追撃を行う」


「了解です、隊長!敵機と思われる機影が見えました前方距離1,500!数は3」


「迎え撃つ練習通りに距離800で弾をばら撒いてその後反転旋回、絶対に単機で挑むな!」


 前方からの機体がぐんぐん迫ってき色から敵機でわかるぐらいになったところで引き金を絞りロールしながら下方に降下しつつ敵機の後ろへ回り込む。旋回半径が短いためすぐさま敵機隊の後ろにつく。3機のうち戦闘の一機が回避中に弾が当たったのか煙を引いていた。


「一番後ろのやつに集中砲火だ」


 俺の指示に従って両サイドの機体から7.7mmの弾丸が敵の戦闘機に吸い込まれて行き回転しながら海へ落ちていく。


「次、下方へ逃げる残りをこちらも下降して負うぞ戦闘の煙を吹いている奴は後だ」


「「了解」」


 操縦桿を横に倒してからペダルを操作して降下する進路が決まったらスロットルを上げて速度を上げる。少し上の攻撃機を追うか迷ったのか少し手から急に上昇しだしたのでこちらも操縦桿を引いて機首を上げつつ引き金を引く、弾は機体後部に吸い込まれるように命中し後部が千切れるとともに回転しながら落ちていく。

 最後の一機はその間に上まで登ったが失速し自由落下しだした距離的にはこのまま狙い撃てるが…。

 後ろを確認し急いで無線をつなぐ。


「後方に敵機!」

「え?」

 カイ伍長のその返答と共に後ろが明るく光った。急いで後ろを見ると火だるまになって落ちていくカイの機体が下の方にいき機体の陰に隠れた。

 操縦桿を急いで操作し回避しつつショウ伍長に指示を飛ばす。


「お前はあののろのろをやれ俺は後ろの一機をやる」


「しかし!」


「あいつは手負いだが残しておいたら後ろから刺されるぞ!」


「くっ!?」


 俺は返答を聞かずに不規則な軌道で宙返りし敵機の後方に回り込む、敵機は左にロールし左旋回しながら俺の追撃をかわそうとしたと思えば速度を落とし俺の後ろに回りこむ形となった。その際すぐさま機体をひねるようにかわすが数発右側をかすめ前方の窓ガラスが砕け俺の腕に焼けるような痛みを発生させた。すぐさま上昇しスロットルを絞る。さっきの軌道で速度が足りず上昇追撃が出来なかった敵機は俺の目の前に飛び込む形となり機体後部からもろに銃弾を浴びでエンジンから火を噴きながら落ちていった。


 その後無事手負いの一機を仕留めたショウ伍長と合流し味方攻撃機を追う形でドミニオンへと向かった。その際、第四小隊の姿を見ること


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