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空想文庫殺人事件  作者: 空想ミステリー制作委員より
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奇怪な旋律

ミステリーを書いてみました。

 私が貴方に与えるのは活字では無い。この世界を貴方に、いや貴人方に贈りたい。

  

 

 俺はミステリーを愛好しており、ミステリーオタクと呼ばわれるぐらいのレベルに達するまで、ミステリー小説を読み漁っている大学生であった。

 もはや、ほとんどのミステリー小説は読み終わり、素人が投稿する「ミステリーを読もう」を読み漁るまでに達していた。

 

 「ミステリーを読もう」は知名度は低く、トリックも破綻しているミステリー小説とは言えない作品が数多く転がっているが、たまに面白い作品があったりする。



 「館内電話殺人事件」ミステリーを読もうで、たまたま見つけた、この作品のタイトルに僕は惹かれた。前書きには「トリックはこの世界で解いてください。」という短い文が書いてあった。

 



「ヂリリリリン ヂリリリリン

 ヂリリリリン ヂリリリリン ヂリリリリン ヂリリリリン」

 

 月明かりに照らされた薄暗い木製の部屋に頭を叩くような奇怪な電話の音が響いた。身体が動かない。


 一分ぐらいした頃、音は止み、静寂の部屋には木の匂いと月の光だけが取り残された。この状況が理解できない。


 ここは何処なのか、なぜ身体が動かない。身体が動かないぶん、思考が加速する。

 

 ここに来るまでの最後の記憶を振り返る。


 俺は館内電話殺人事件を読もうとした。あの意味不審な前書きに奇怪な電話の音。ここから推測すると俺は夢の中か小説の中にいる。だが、夢の中にいる可能性を追うのは無駄でしか無い。

 

 夢なら目覚めれば、解決する話にすぎないためだ。


 だから、俺は確信する。これは小説の中だ。これから始まるのはミステリーであることを。

 

 ミステリーは時間が大切なことが多い。時計が見れれば便利だが、身体が動かない状況では見れない。


 秒数を数えながら、思考をする。今わかる状況は電話が鳴ったこと。そして秒数を数えることで正確な時間を掴めた時に大まかな電話の鳴った時刻が掴める。


 いつ、身体が動くようになるのだろうか、月明かりに照らされた薄暗い部屋のベッドの上で俺は待った。

週に3回のペースであげていきます。

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