第一章第二話
深夜の訓練が終わってくたくたの体で横になって数時間後目を覚ますとそこにはおもり付きの黒い喪服のドレスを持ったメイビーがいた。
「流石シャテイ、仕事が早いわね。」
私が、そう褒めるとメイビーは少し気まずそうな顔をして
「そ、側妃様その舎弟と言う言葉とても汚い言葉ですのでお忘れくださいませ。」
と、言ってきた。
やっぱり、汚い言葉だったのかもう、、、
「側妃様、ドレスを着てみましょうとりあえず4袋入れさせていただきましたが重いと感じたら教えてください、無理は禁物です。」
メイビー今までは口の堅い不愛想な侍女としか思っていなかったのにこんなに良い子なんて...
見直したよ、世界で一番の侍女だわ
「ありがとう。
少し重いけれど、思ったより大丈夫そうよ。」
確かに重いけれど、婚礼式で着たような厳ついドレスとどっこいどっこいだ
そしてあの時とは違って靴もハイヒールではなくてキトゥンヒールだし
「それは良かったです。
今日はこのおもりで生活してみて筋肉痛が大丈夫そうならもう一つおもりを増やさせていただきますね」
...意外とスパルタ?
「いかがされましたか、側妃様?顔が引きつっておられますよ?
朝食ができましたから、ささっと着替えてご飯を食べましょう。
今日からは、他の側妃様方も今後のためにいろいろ画策し始めるころです今まで以上にいろいろ考えないといけません。精を付ける為にも朝食は食べてくださいほんとはいけませんがこっそりお肉を持ってきましたから。」
同じ宗教を掲げている国家でも国ごとの移動が少なければ形や解釈が少しづつ変わってくる。祖国クラリナ王国では死は神に近づけると考えられており親族や王族がなくなっても何か規制があると言う事はないしかし、リメイン王国では王が絶大な力を持っている不敬なことに神よりも王の力の方が強いと言ってはばからない者さえいるこの国では王がなくなることは国の根幹が揺らぐほどの重要な事で王の死後一週間は配偶者は部屋から一歩も出ることはできづ肉や牛乳をとってはいけないその後3週間も喪服を着ることが強要され食事制限も続く。
そんな中で、周りにバレないようにお肉を手に入れる事は想像以上に大変だったはずだ
「ありがとう、メイビー」
そう言うと、メイビーは顔を赤らめて
「当然のことをしたまででです、朝食を召し上がられた後は筋トレの一環として後宮内を歩きましょう。」
その後、メイビーが用意してくれたパンとベーコンスープを飲み私たちは散歩をした
「やはり、外に出ている方はあまり見受けられませんね。皆様、今後の事を考えていらっしゃるのでしょうか。」
そんな事を、メイビーと話しながら散歩をしていたら前の方から多くの召使を率いて歩いてきた側妃がいた。
見たことのない側妃だったこの宮には私含めても8人の側妃がいるだけで顔は覚えている。
「メイビー、あの側妃殿下どこの方分かる?」
と私が聞くとメイビーは迷うことなく
「第8妃殿下レイン・ド・フレア様です。
東の大国フレア王国の第2内親王殿下で、第23妃殿下レイナ・ド・フレア様と同じ妃様の子でお姉様です。」
と、小声で教えてくれた。
確かに、姉妹間での情報は通じておいた方がよいだろう。
同じ腹の出なら間違いなく。
とりあえず、上位の妃殿下なので敬意を示しておけば大丈夫だろう。
「第8妃殿下レイン・ド・フレア様にご挨拶申し上げます。
第27妃ラルフ・ラ・クラリナでございます。」
「クラリナ妃殿下、顔をお上げください。」
驚いたことに、返事をされた。
顔をあげてみると、そこにはとても美しい女性がいたまだ少し幼さの残る私より少し下ぐらいの方だ。
そう言えば、第23妃殿下はまだとても幼い方だった。
「ご機嫌麗しゅうございます、クラリナ妃殿下。
無礼とは承知の上ではございますがわたくしとレイナとのお茶会に招き等ございます。」
なぜ急に?
しかし、第8妃殿下の招待を断っては後に響く。本当は、この後もう少し散歩して仮眠しようと考えていたけれど、情報収集をすると思って乗っかってみよう。
「ご招待承りますわクラリナ妃殿下」