プロローグ第一話中
我が祖国、神聖クラリナ王国は大陸の北端にある小国だ。
だが、今までこの国を侵略しようとする国は現れなかった。
それには、この国の歴史が関係している。
『クラリナ王国は元は、神が直轄で管理している神聖なる国だった。
しかし、邪悪なる魔王が現れ神に呪いをかけた。
魔王の掛けた呪いはとても強力なもので神とてその呪いを解呪するのに1000年という長い月日が必要となった。そこで、神は解呪を行っている間にクラリナ王国が滅ぼされないように呪いと闘いながら数少ない残った力でクラリナ王国に加護をしき神の子供である聖なる妖精つまり天使を仮の王として建てたのである、これが神聖クラリナ王国の始まりである。
他の国がクラリナ王国を侵略した暁にはそれの大罪にふさわしい天変地異が起こるだろう。
その為、我が神聖クラリナ王国は不可侵国として誕生したのである。』(神聖クラリナ王国記一部抜粋)
クラリナ王国は大きな災害に悩まされることもなく。
突出して経済が良いわけでも、武力が強いわけでもないが国民皆が満足して暮らしていた。
しかし、状況が変わった。
クラリナ王国とは反対の南に位置していた、リメイン王国が大陸にある国々を侵略していきやがてはクラリナ王国を含む北方国家のみとなったのである。しかし北方の国々は安心していた。なんせ近くには神聖クラリナ王国がある、さすがのリメイン王国でもわざわざ大きくした国を滅ぼす様な行いをしないだろうと。事実、クラリナ王国でも国民や貴族王族を含めほとんどの人間は戦争前と変わらず安心して生活していた。
しかし、父上のもとにリメイン王国から手紙が届いたのだ。
『クラリナ王国の仮の王よ、我はクラリナ王国の美姫と謳われるラルフ・ラ・クラリナ第三王女を我が27番目の妃にすることを望む。
そなたは知らぬかもしれないが、我が王国には神に匹敵するほどの強さを持つお方を背後につけている。
この条件を飲めばそなたの国とその周辺国家を侵略しないと誓おう。
追って、正式なる婚約の申し込みを行う。」
父上は、急いで密偵にリメイン王国を調べさせた。
すると、リメイン王国には魔王レベルの力を持つと言われる呪術師が存在しているということが分かった。
父上は、あくまで神の忠実なる家臣クラリナ王国を守るためには娘とて政治の駒にしなければならないという決まりがあった。
父上は、私を婚約させることを決めたのだ。
しかし、父上は私に正式なる婚約の申し込みがくるまではそのことを打ち明けなかった。
それがなぜなのかは、わからない。
しかし、私は誓約に基づき婚約した翌日にはこの国を出ていたのである。
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