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第8話 いざ冒険都市へ


朝目覚めると俺は窓を開けた。すると気持ちの良い風が肌を撫で、空を見上げるとそこには雲ひとつない晴天が向こうの山を越えてもまだ広がっていた。しばらく外を眺めていると・・・


「おはようございます!今日はとても気持ちの良い風が吹いてますね、天気も良くて朝から良い気持ちです」

「おはよう、晴れてくれよかったよ」


ヴィントと朝の挨拶を交わす。いつもは俺より早く起きていることが多いのだが、今日は一緒のタイミングだったようだ。


「朝飯まで少し時間はあるし、お互いに訓練の成果を確認しないか?」

「いいですね!ソイルも起こして3人で確認しましょうよ」

「そうしようか、ソイルは起きてるといいんだが・・・」

「あはは・・・昨日は早く寝たみたいですから大丈夫じゃないですか?」


ソイルは朝に弱く、夜の方が活動出来るのだが、種族的には日が出ている方が元気な人が多いらしく、「種族的には珍しいです」と言っていた。


ソイルの部屋はすぐ隣なので起こしに行く。ソイルは元々別の寮に住んでいたのだが、御剣教官が朝から訓練場に引っ張っていくのが、面倒だという理由で俺達の寮に引っ越させた。


俺が木の扉をコンコンとノックをすると、ゆっくりとだがズリズリとこちらに向かう音が聞こえた。ゆっくりと扉が開くと寝ぼけ眼で目を擦りながらソイルが出てきた。頭がボサボサの状態で所々茶色い髪の毛がぴょんぴょんと跳ねている。


「ふわぁ~、なにかあったの~?」

「おはよう、朝飯の前にみんなでステータスを確認しようと思って、ソイルも一緒にどうだ?」

「もう!またこんなに散らかして!ソイルはだらしなさすぎるよ!頭だって綺麗にしないと!」

「ふえ~?そうかなぁ~?それよりぼくもみんなのステータスみたいから行こうかなぁ~」

「ある程度片付けとけば、後はやってくれるから大丈夫だって、ヴィントは気にし過ぎるなよ平気だってー」

「はぁー、ソイルもアズマさんもだらしなさ過ぎるよ・・・やってくれるって言っても最低限は片付けなきゃダメだって何度言えば__」

「「あははは」」


ヴィントが笑って誤魔化さないでよ!と言ってた気がするけどきっと気のせいだろう。俺とソイルはそそくさと部屋に戻った。


「さっきまでかなり眠そうだったのに、動きは速いんだな」

「あはは、こういう時は速いんだよー」


ソイルは相変わらず眠そうなのんびりした口調でそう言った。


「もう!二人共今度からは自分でやるようになるんだからね!やれるようにならないとダメだよ!」

「「はーい」」

「はぁ・・・時間も余り無いし、3人のステータスを確認しようよ」


ヴィントがため息交じりに言った。本来の目的を忘れてたよ・・・


「そうだなまずは俺からにするか」

「うん」

「わかりました」


俺はステータスを呼び出し、二人に見えるようにイメージした。


ステータス

東 竜次(アズマ リュウジ)

年齢:21 種族:日本人

召喚回数<1回> 帰還回数<0回>

職業:魔法使い

レベル:7

最大体力:320/320 最大魔力:0/0

スキル

観察眼:Lv2<アナライズ:Lv1> 対物理耐性:Lv3 盾術:Lv2<挑発:Lv1> 防御術:<壁> 

杖術:Lv1

マイナススキル

魔力抵抗(破損)魔力回路(破損)


「こんな感じだな、訓練でそれなりにレベルも上がったんだが、相変わらず魔力は上がらないな」

「スキルは完全に盾職になってますもんね」

「うん」

「まあそれでも面白いんじゃないかって思い始めてるよ」


次はヴィントがステータスを開いてみせてくれた。


ステータス

ヴィント

年齢:18 種族:ファルケ人

召喚回数<1回> 帰還回数<0回>

職業:軽戦士

レベル:9

最大体力:210/210 最大魔力:140/140

スキル

脚力強化:Lv4 短剣術:Lv2<受け流し:Lv1> スタミナ強化:Lv2 

格闘術:Lv2<カウンター:Lv1> 防御術:<回避>

ユニークスキル

【疾風脚】


「ヴィントは相変わらず強いな」

「僕なんてまだまだですよ」

「そうなのか?俺は二人のステータスしか見たことないからなー」

「じゃあ次はぼくだね」


ステータス


名前:ソイル 年齢:17 種族:木人

召喚回数<1回> 帰還回数<0回>

職業:弓使い

レベル:7

最大体力:96/96 最大魔力:210/210 

スキル

弓術:Lv3<精密射撃:Lv2> 木魔法:Lv2 土魔法:Lv1 身体操作:Lv2 魔力操作:Lv1 

ユニークスキル

土壌改良

マイナススキル

不運 


「ソイルはマイナススキルを見事に2つも克服出来たな、最初の頃とは雰囲気もだいぶ変わったよな」

「それは教官と二人のおかげだよー、みんながいなかったらここまでできなかったと思う」

「頑張ったのはソイルなんだから!ステータスがその証拠だよ!」

「うんうん、ヴィントは良いこと言うよ、その通りだと思うぜ」

「ありがとう」


時間を確認すると丁度朝飯の時間なので、みんなで食堂に向かう。ここで食事をするのも最後になるんだな、色々あったが王城での出来事は楽しかった、いい仲間とも出会えたしな。


食堂で朝飯を済ませた後、俺達は部屋に戻り、ヴィントの指示で部屋を片付けた後に昨日用意しておいた、旅に必要になる装備と食料を多めに3人で分けた。今回は整備された街道付近ではなく、魔物が多くいる森から近くの街を目指す予定になっている。

それでも強い魔物はほとんどが出現が確認されてすぐに討伐されてしまうらしいので、俺達でも相手が出来るような初心者向けの森になっている。それでも毎年死者が出ているので全く油断はできない。


「出る前に教官に挨拶して行こう」

「そうですね」

「うん」


教官は大体昼頃になると訓練場にいるので3人で向かう。


「おっ、やっぱりここにいたな」

「僕呼んできますよ」

「頼んだ!」


丁度昼休憩になったようだ。新しく来た召喚者達はみんな仰向けになって空を見上げる形になっている。この後の昼ご飯を、苦しくて全然入らないのに無理矢理食べさせられるのきついんだよなぁ・・・1か月前なのに昔の事のように感じる・・・


「おう、お前達今日は出発の日だったな、お前達に渡そうと思ってた物があってな・・・あった!ほら一人1個やろう」


教官が袋から取り出した石を3人に配る。触ってみると表面はツルツルしていて色はオレンジ色、中心部分に向かうほど赤くなっている。丁度教官の炎のようだった・・・


「これはなんですか?」

「これはな、炎の精霊石(中)だ。私としては毎日出る物だからな、大した物じゃないんだが、装備品に使ったりできるからな、好きなようにしてくれ、売っても構わんぞ」

「えっ、じゃあこれってうん_ぐへっ!」


くそ痛かった・・・教官の持っていた木刀で頭を思いっきりぶっ叩かれた・・・頭割れたかと思った・・・


「全く!お前というやつは!何度叩けばその失礼な頭は治るんだ!まだ治したりないのか?」

「だ、大丈夫です・・・治りましたからもう平気ですから・・・」

「それならいいんだがな!全く気を付けて行けよ!私は新人ども躾けなくちゃならんからな!」

「「「今までありがとうございました!」」」


俺達と同時期に召喚された者の内8割は既に王城を出発している。残りの2割は戦闘向きでは無い人達だ。

俺達はかなり遅れてしまったが俺達の目標は魔王討伐ではなく、色々なところを冒険する事に決まった。俺達が最初に目指す場所は、【冒険都市アングラッド】アースウェル王国で最も冒険者が集まるダンジョンが近くにあるらしい。


俺達はアングラッドに向けて王都を旅立つ直前に声を掛けられた・・・


「ふはははは!お前達待つがよい!気に入った!この俺様のパーティに加えてやろう!俺様の名は、カイゼル・ドラゴニアだ!カイザーと呼ぶ事を許可しよう!」


えっなにこいつ・・・バカでかい大斧を背負った2mぐらいある大男が話しかけてきた・・・


次は訓練の時の話を書く予定です。

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