表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

第7話 出発前夜

週間ユニークアクセスが100人超えました!ありがたいことです。なるべく更新頻度高めで頑張りたいと思いますのでこれからもよろしくお願いします。


今回は長めになってます、頑張りました。次回で序章終わります。やっと冒険が始まります。


月明かりに照らされた道を御剣教官と二人で歩く中で、俺は疑問に思っていたことを聞くことにした・・・


「教官、初めて会った時から疑問に思っていたことがあるんですが、良かったら教えてもらえませんか?」

「別に構わんぞ?なんだ?」

「ありがとうございます。その、教官の髪とか服って燃えてるじゃないですか、でも髪や服が燃え尽きるわけでもないのは、どうしてなんですか?」


教官の髪や服は所々本当に燃えているのに、なぜか熱も感じないし、燃え尽きる所を見たことはない。聞こうと思えば聞けたのかもしれないけど、流石に訓練中は聞く余裕がなかった。


「これか?これは私の種族によるモノだ、元々人間だった頃にはこうではなかったからな」


教官は自身の髪を触りながらそう話してくれた。


「元々はということは、今は違うんですか?」

「ああ、今は半霊半人の種族だな、半分精霊、半分人間になった者の事を指す言葉だな、とても種族と呼べるほど多くはいないがな」

「えーっと・・・それはどうしてそうなったかは聞いても?」

「別に構わんぞ、とはいえ長くなるがいいか?そこのベンチに座ろう」

「はい、是非お願いします。とても興味がありますから」


もしかしたら精霊の力で俺の力が戻る可能性があるかもしれないし、敵が使ってくる事も考慮しないとな、もう油断はしないようにしたい。


「まず私はお前達と同じ異世界人ではなくこの世界で生まれた人間だ」

「そうだったんですか?てっきり日本人だと思っていたんですが・・・」

「お前の言う日本人とは私の父の事だろう、父は多くは語らなかったが、日本が生まれ故郷だと言っていた。私にカタナを教えたのは父だからな」

「そうだったんですね、教官のお父さんは江戸時代の人だったのかもしれないですね」

「その辺はよく知らん、話を戻すが私の母が精霊を使う巫女で火ノ巫女と呼ばれていたんだ」


教官のお母さんが精霊使いだったのか、確かに火ノ巫女と言われるとしっくりくる。


「なるほど、その二人が出会って生まれたのが、教官ということですね」

「その通りだ、私は昔から火の精霊に愛されていてな、若い頃に無茶をしたせいで今や半分精霊になってしまったというわけだ」

「どうして半分精霊になるんですか?」

「まあお前が気になるのは精霊についてだろうからな、説明してやろう」

「ははは・・・お願いします。」


見抜かれてたな・・・


「まず精霊をこの世界に呼ぶには対価を支払わなければならない」

「対価ですか?」

「ああ、仮にお前が精霊だったとして、いきなり知らない奴に呼ばれたらどう思う?」

「行かないですね、それ対価ですか?」

「そういう事だ、まずこの世界に来させる為に交渉をする必要がある、お互い信頼関係を築く事が出来れば対価を支払わなくてもよくなる場合もある」

「なるほど、確実に払わなくてもよくなるわけじゃないんですね」

「それは精霊によるからな、絶対はない。ただ私のように特定の属性の精霊に気に入られやすい者もいるがな」


なるほど、気に入られれば払わなくていい場合もあるということか、聞く限りかなりリスクがあるように思える


「かなりリスクがあるように、思えるんですがそれ以上のメリットがあるんですか?」

「絶対にあるとは言えないな、低位の精霊は力も弱いが対価も少ないだが、中位、高位となると使い手も限られてくる上に、力を使い果たしてしまうことの方が多い」

「かなり扱いの難しい術なんですね」

「そうなるな、だが低位の精霊しか扱えない者でも、脅威となる場合がある」

「低位はそれほど強くないんですよね?それでも脅威になる場合があるってどういう事なんですか?」

「精霊使いには憑依型、操作型の2パターンあるんだがな、憑依型は私のように近接戦闘をする者がほとんどだ、操作型は魔法使いなどが多いが、そのどちらも自身の全てを対価として中位、高位の精霊を呼ぶ事が出来てしまうんだ・・・」


教官の顔は珍しく険しい顔をしていた・・・自分自身を対価として捧げてまで、一体何がしたいっていうんだ・・・


「主に低位の精霊使いは戦争で命を落としている。今言った無理な精霊召喚を行い、相手陣営に大きなダメージを与えるのが目的なんだ・・・」

「なんて事を・・・あまりにも酷すぎる・・・」

「今は国際的も禁止されているから、深く気にするな、話を戻すぞ、先ほど言った憑依型、操作型には明確な違いがある」

「明確な違いですか?」

「そうだ、どちらも器が必要になるのは一緒だ、器は使用者の肉体、精神の強度で変わる」

「肉体と精神の強度で決まるんですか?」

「憑依型は肉体の強度があまりにも弱いと体が耐えきれずに崩壊してしまう。それに肉体が強くても精神が弱いと体を乗っ取られてしまう場合もあるが、憑依させれば身体能力が向上し、属性に応じた能力も使えるようになる、精霊に近づくということだな」

「なるほど、器がしっかりしていればメリットが多くメリットが得られると」

「そういうことだ、操作型は魔法使いに多い、脳の負荷に耐えられる者でなくてはならないからだ。普通の人間ではその負荷で精神がおかしくなってしまうからな」

「それは恐ろしいですね、でもどうして魔法使いに多いんですか?」


脳の負荷に強いことと繋がりがあるんだろうか。


「そういえば、お前は魔法を使えないんだったな、魔法というのはどれだけ低位の魔法でも脳に負荷がかかるんだ、脳の負荷に特に強いのが魔法を使い慣れている、元々適正が高い魔法使いになるわけだ」

「ははは・・・確かに魔法使いなのに一回も使ったことないですからね・・・」

「操作型というのは肉体的には弱いが、精神面、脳の負荷に強い者が多いが、それでも異常をきたしてしまったり、そのまま自分自身が操作、乗っ取られてしまう場合もあるが、自分では発動できない大規模な魔法などを精霊に発動させることも可能だな」

「えーっとその場合って精霊はどうなるんですか?」

「どちらも術者が死ぬまで動き、周りに被害を加え続ける。基本的に精霊には意思はなく存在しているだけだ、それを我々が利用しようとして結果的に人と混じりあってしまい暴走する、意思を持った中位、高位の精霊の中には無理矢理意識を奪い暴れようとする精霊も存在する」

「これまでの話を聞く限りかなり条件が厳しいですね、精霊使ってみたかったけど相当強くならないと無理そうですね」

「ほとんど相性ではあるが、今のままでは力に飲まれて終わりだろうな」


これは無理そうだ、どれだけ強くなればいいか見当もつかない


「そういえば、教官は火の精霊を憑依させすぎて半霊半人になったんですか?」

「高位の精霊を憑依させたことがあってな、その時に体の半分を対価にしたんだが、それを高位の精霊が気に入ってな、私を火の眷属にすることによって私の命を救ったんだ。それで半霊になったというわけだ、一か八かの賭けに出たわけだが成功していなければ死んでいただろうな」

「流石教官ですね・・・色々教えて頂いてありがとうございました。」

「構わない、知識とは自分だけが持っていても意味をなさない、広めてこそ本当の意味で力を発揮するのだからな」

「その通りですね、俺も知識を蓄えるだけじゃなく、共有しないとな」

「だいぶ話し込んでしまったからな、みんな待っているだろう、そろそろいくとしよう」

「はい」


俺達はベンチから立ち上がり、城に向かって歩いた。



「やっと着いたが今日はもう解散だな、お前も寮に戻るといいあいつらが心配しているだろうからな、今回の事は教訓になっただろう」

「はい、もう油断はしません。今日は本当に色々ありがとうございました。」

「ああ、その調子で頑張れよ」

「はい!」


だいぶ遅くなってしまったが、まだみんな起きていたようだ・・・


「お~遅かったやんけ、どうしたんや?」

「どうしたの~?いつもより変な顔してるよ~?」


共通スペースで話していたのは、俺らと同じ時期に寮に入った、関西弁のタヌキっぽい獣人で男のビルドとフクロウっぽい獣人で女のミミだった。ミミは背中を向けたまま顔だけこっちに向けないでくれよ・・・滅茶苦茶ビクッとなるんだから・・・


「・・・ヴィント達から聞いてないか?裏道で襲われてな、危うく教官が来なければ殺されてたよ・・・」

「そうやったんか、休んだ方がええんちゃうか?」

「そう思うよ~?」

「ミミ、俺がびっくりするのを面白がって顔を回すのをやめてくれ・・・普通に心臓に悪い・・・ビルドは心配してくれてありがとうな」

「かまへんよ、明日にはでるんやろ?さみしなるなぁ」

「そうだ~ねぇ~」

「またお互い生きてれば会えるさ、それまでは死なないように頑張ろうぜ」

「そうやな!」

「そうだね~」

「じゃあ部屋戻るよ、おやすみ」

「「おやすみ~」」


俺は二人に別れを告げ、自分達の部屋に戻った。


「はいるぞ~」


扉の向こうでどたどたと聞こえてくる__。


「アズマさん!お帰りなさい!体は大丈夫ですか?遅かったんで凄い心配しましたよ!」

「ははは、悪かったな、教官と二人で話してて遅くなった、そっちこそ具合はどうだ?」

「アズマさんほど悪くないですよ、アズマさんが倒れた後にあの二人が攻撃してきたんですけど、そこを教官とソイルに助けられて僕はお酒を持ってソイルと先に帰ったんですよ」

「そうだったのか、ソイルにはしっかりお礼をしないとな~、そっちの買い物は大丈夫だったか?」

「大丈夫ですよ、ソイルが目利きしてくれたおかげでだいぶ質が良い物を安く買えましたから、今のうちお金は返しておきますね」

「そうだったのか、ソイル大活躍だったな、ありがとうな、思ったより残ったな」


事前の話だとほとんど使いきってしまうので後は自分達でなんとかしろって感じの話だったからな、準備金で渡された5000ゴルドの中で1000ゴルドが残った。大体1ゴルド100円って感じだな気持ちは大金持ちなんだがこの世界的には大したことないので不思議な気分になる


「この辺は使ったことがあるから大丈夫ですけど、この辺りはアズマさん習ってないですよね?」

「ああ、俺は二人と違ってサバイバル系の訓練は進みが遅かったからな、どうやって使うんだ?」

「ここを引っ張ると付くので、後はこれを設置していくだけですね」

「なるほどなー」


俺と違って二人はサバイバルの経験があったので、進みが全く違った。基本的に俺は役立たずになりやすいので見捨てられないように頑張らなければ・・・


明日の準備をして俺達は眠りに着いた__。



見ていただきありがとうございます。面白かった、続きが見たいと思った方宜しければブックマーク、高評価お願いします。


2話の辺りから生放送でアドバイスをもらいながら書いてるので、直接アドバイスしてやるぜって人は宜しければプロフィールにリンクを貼っておくのでよかったらお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ