第05話 王都でお買い物
引き続き感想、レビューよろしくお願いいたします。時間無くて今回途中で区切りました。明日更新します。
一か月が経ち俺達の訓練期間が終了した。教官の話では終了後は寮を出なくてはいけないので、ここからは一人で冒険に行く者、気の合う仲間と行く者、様々だ。
俺達はもちろんパーティーを組んでまずは冒険者の街へ行こうと話し合った。これから王都に必要な物を買いに行こうとしたところで、呼び止められた。
「お~い!お前達!今日は王都へ買い物に行くんだろう?ついでに買ってきて欲しいものがあるんだ!」
遠くから御剣教官が大声で喋りながら走ってきた。
「教官、おつかれさまです。はい、今日これから3人で買い物に行く予定ですよ、何を買ってくればいいんですか?」
「えーっと・・・あった!これだ!」
そう言って教官が取り出したのは、空になった酒瓶だった。なんで空の瓶を朝から持っているのだろうか……。
「あいたっ!何するんですか!」
「馬鹿者!今私が朝から酒を飲んでいたと思っただろう!顔にそう書いてあったぞ!」
「いやー不思議だな~と思っただけですよ、疑ってませんって」
「それならいいんだがな、勘違いしないように教えてやるが、朝から飲んでいるのではない、〝昨日の昼″から飲んでいるのだ!」
めちゃくちゃ堂々とダメな発言をしているんですが・・・きっと相手をしている人達はドワーフの人か、相当に酒好きの人だろうな、なんで怒られないんだろうな……。
「そうですか・・・それでお酒が切れたから買って来いって事ですか?」
「まだ酒は何個かあるんだがな、昼の間にはなくなりそうだったので買いに行かせようと思っていたのだ、そういう事で酒を買えるだけ買って来い!金は後で払うと店主に伝えて置け!王都の裏通りにあるビナクスという名前の酒屋だ、それじゃあ頼んだぞ!」
早く戻らなければ酒がなくなってしまうのでな!と言うと物凄い速さで帰って行った。
「元から俺達が王都に行く予定じゃなくても買いに行かせようとしてなかったか?はあ・・・とりあえず酒は俺が買ってくるから、二人は冒険に必要な物を買ってきてくれ、お金は渡しておく」
俺は準備金として貰った5000ゴルドを手渡した。
「はい!それにしても御剣教官は相変わらずですね~それじゃあ僕達は何軒か見て回ってみます!ソイル行こう」
「うん、アズマさんお気をつけて」
「ああ、ありがとう!二人も気を付けてな、終わったら寮に戻るようにしようか」
「わかりました!」
「うん」
~王都 タイタニア~
ほとんどは王城で訓練していたからなぁ、ちゃんと王都を見るのは今回が初めてだ、雰囲気は海外のオシャレな街で、その中には歴史を感じさせるような建物も見える。
大きく違うとしたら外国人ではなく、更に多種多様な種族がいる事で、魔法や魔力で動く車や、魔道具が沢山街の中に使われている事だ、それが違和感なく馴染んでいる。それだけ魔法は生活に必要なモノになっているって事か。
ビナクスの事は判らなかったが、酒場が多く立ち並ぶという西の大通りを教えて貰ったので、西に向っていくほどに人の数も多くなってきたな。
それにしても最近は三人でいることが多かったから一人だと話し相手がいなくて暇だな~。
そんな事を考えていると__。
おっと__危ない……今わざとぶつかってこようとしたやつはスリか……観察眼を使っていなかったら、危なかった……これで3回目か……全く気を抜けないのは疲れるな_。
西の大通りを抜け、裏道に入ると雰囲気がガラッと変わり、すれ違う人の顔も変わったように思える……。
中央の通りでスリがいるくらいだからな、ここからはもっと気を付けながら歩こう、それにしてもなんでこんな場所の酒屋で酒を買うんだろうな__。
しばらく裏道を歩き、裏通りに出た。なんとも非合法の匂いがするな・・・もしかしたらあの酒も非合法の物なのかもしれない、そんな店にツケをするなんてやばいんじゃないのか?いやあの人なら大丈夫か・・・
みんな殴って黙らせそうだ、そう思うと店の人に親近感が湧いてきた。
見つけるのに苦労するかと思ったけど、案外なんとかなったな__。
俺の目の前には。暗い雰囲気の裏通りにあって、まさに場違いなほど光輝く建物、そしてピンクのネオンにはビナクスと書かれていた・・・。
「ここか・・・ピカピカってよりビカビカのがしっくりくるな・・・とりあえず入るか」
俺は覚悟を決め、建物の中に入った__。
「いらっしゃいにゃ~!・・・見たことないにゃ~?初めてかにゃ~?」
俺の目の前にはムキムキオカマの猫耳獣人がいた・・・
「・・・はっ!危なかった_!一瞬日本の母ちゃんが見えた・・・ぎゃあああああ!!」
「人の顔を見て、いきにゃり気絶するなんて、まったく失礼な子だなにゃ~」
「にゃはははは!しばらくこの子を頼むにゃ~__。」
う~ん、とんでもなく恐ろしいモノを見た気がするんだが、思い出せない・・・そういえば母ちゃん元気かな・・・
「ここはどこだ?畳?コタツもあるぞ?もしかして日本に戻ってきたのか?でも知らない部屋だな~?そうだ!明かりはっと、おっ!あった!普通に電球を見て珍しいと思うようになっちゃったよ・・・ははは・・・」
明かりが付くとそこは日本ではなくあくまで、日本風の部屋だとわかった。
ここは宿か?もしかしたら色々な種族に合わせた部屋があるのかもしれない、俺はなんでここにいるんだっけ、確かお酒を買いに行ってから・・・思い出してしまった・・・
そうだった、俺は恐ろしいバケモノを見て気を失ったんだ!俺は恐る恐る自分の身体を調べた。
良かった俺の大事なところは無事のようだ・・・それにしてもこんな場所があるんだな、それだけ色んな世界の技術、情報が持ち込まれてるってことなんだろう、この部屋の再現度も凄い、それでも明かりが付いた時に見えた外の景色は異世界の景色だった。流石にそこまでは変わらないよな・・・
とはいえ運んでくれたのは、多分あの人だよなぁ・・・行かないとだめだよなぁ・・・
あれ?そういえば、今何時だ!?まずい!お酒が切れたらどんな恐ろしい罰を受けるかわからない!急いでいかないと!!
俺は急いでビナクスへと向かった。
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