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I'm in Love 01


「あらあらー、二人とも何してるのかしら?」

「やぁシャム、何してるのかって、僕とヴィランが二人になったらやることは決まってる」


 たかが三十分ほどの話を聞き、俺の危機意識は高まった。


 もしかしたらアビーから聞かされた内容は今すぐにでも対応しなければ手遅れになる。


 けど、今はベリーにかどわかされたソマリ達が気掛かりだ。


「ヴィラン、こんな時ぐらい、自制しましょ?」


 ミランダが手傷を負った獣に向ける慈悲深い眼差しで俺を見ている。


「君達がここにいるってことは、ソマリ達の居場所の手掛かりでも掴んだのか?」

「えぇ、とりあえずソマリ達は王宮、それから都市近郊一帯にはいなかったわ」


 シャムは自信に満ちた様子でそう証言する。


 俺に人探しの術があるように、彼女達にも独自の術があるようだ。


「ミランダの未来視で判明したんだけどね? 私達の姫様は舞踏会の会場にいる。っぽいのよね。もちろんそのことが判った後は会場内の連中を整列させて質疑応答させてるの」


「舞踏会の会場にいる人たちは全て大事なゲストなんだろ?」


「優先度的にしょうがないでしょ、はぁ、だからここで惚気てないで会場に戻るわよ」


 いざとなれば体裁を取り繕わずソマリ達を案じる彼女を、偉大だなと思った。


 そんな風にシャムを尊敬していれば、後頭部を思い切り叩かれた。


「いい年した男が、いつまでも色呆けしない」


 ◇


 舞踏会の会場へ戻ると、そこには先程まで見られた優美な空気は失われている。


「もう一度聞くぞ? お前らは本当に我が国の姫殿下であるソマリ様の居場所に心当たりがないんだなッ!?」


 会場ではニードルが昔取った杵柄を振うように尋問している。


 シャム、あのバカにこの場を任せたのはさすがに失策だぞ。


「落ち着いてくださいニードルさん、問い質すにしてももっと丁寧に」


 ニードルにしたくもない忠言を促すと、銃声が轟く。


「ヴィラン、貴様はいつもそうだ。事あるごとに女、女、女と、色欲に狂って人間として大事なものを見失っている。落ち着いてくださいだ? もっと丁寧にだ? 今はそんな悠長なこと言ってる場合じゃぁふん」


「勇ましいのはいいが、誰に対し銃口を向けるんだお前は」


 ニードルの顎を拳で払い、手短にご退場願った。


「……それで、今宵お越しくださった皆様にまずは私共の非礼をお詫び申し上げます。すでにご存じの方も御出でかと思いますが、どうやら私の娘たちが行方不明になってしまったもので」


 お辞儀をしつつ、会場に集ったゲストの顔ぶれに目を向けると、中には。


「兄さん、もしよかったら手伝うよ」

「シュウヤもいたのか、だったら最初から声掛けてくれよ」


 俺の弟であるヨモギダシュウヤの顔もあった。


 シュウヤの自然体な表情から察するに、ヨモギダミナトはまだまだご健在のようだ。


「では皆さん、失礼なのは重々承知ですが、今一度私どもからいくつか質問させて頂きます。質問が終わった後は自由にしてくださって構いません。先程は私の家臣が失礼しました」


 ミランダの未来視に映らなかったのだから、事は一大事ではない。


 これはあくまで俺とシェリーの一人娘が持ち掛けてきた、ゲーム。


 会場に集ったゲスト達にそれぞれ質問して回ると、中には会場をうろついていた小さな子供達を見掛けた人もいるようだが、どれも決定的な情報ではなかった。


 アビーの情報も紐づけて類推すると、今回の件はまるで魔法にでも掛かったかのような出来事だった。


「で、ヨモギダくん、居場所は判ったのかな?」

「出たわね、今回の犯人が」


 ソマリ達の行方に困惑していると、『彼女』が現れた。


 ベリー、前世の名はサクライ・ビデンスであり。


 彼女は俺の前世の恋人だ。


「どうしたのー? 後二時間しかないけどー? つって」

「あんたね、いい加減に――」

「君の要求は何だ」


 彼女に憤怒しようとしたシャムを制止して、俺は率直に彼女の要求を聞く。


「私の要求? ヨモギダくんも困った質問するもんだね」

「そうだな、仮に要求を突き付けられたとしても、恐らく俺もその内容に困る」

「……じゃあ私の要求は、君と一緒に地球に帰ること」


 俺と一緒に地球に帰る?


 どうやって?


 それと何のために?


「俺は、地球に帰った所で今以上に幸せになれる自信はないから」

「私がいるだろつって。私が君を幸せにすればいいだけの話じゃないか」

「疑問だったんだ」


 そこで唐突に話題を転換するように疑問を口にした。

 彼女が俺を幸せにしてくれる。と言うのはわかり切った嘘だと思うし。


 脳裏で想起した疑問としては、彼女の嘘への趣旨返しだった。


「どうして君がここにいるんだ? 少なくとも前世で何かしら遭って、死んでやって来たんだろ?」


 そう問うと、彼女は無表情になり、またあの仕草を見せる。


 口から舌を出して、目元を手で覆い隠す仕草は彼女の特徴的な癖だった。


「色々遭ったとは思う、ヨモギダくんが死んでからの時間は。でも安心して欲しいんだ」


 何を?


 無心のまま聞き返すと、彼女は幼い時分のあどけなさを出すように微笑んでいた。


「ヨモギダくんが死んで以来、私は他の人とお付き合いすることはなかったよ」



こんにちは、長い瞑想を終えそうなサカイヌツクです。


時に小説投稿サイトを閲覧して回っていると、やはり皆さん迷走していらっしゃいます。


皆さんの迷走ぷりを拝見すると、感想はさまざまに出るでしょう。


自分も当然のように感想するのですが、いかんせん、中々言葉に出来ないもので。


私は感想を言葉にすべく『瞑想』に至るのです……迷走だけに、ネ。

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