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勇景


 蓬田塔矢は大学受験に失敗し、母親と共に進路に悩んでいた。

 親身になって悩んでくれる母さんが、疎ましかったけどさ。

 けど、親の子子知らずという諺から、何かを察することは出来た。


 だから俺は生まれてこの方大学に行ったことがない。


 踊り子(ダンサー)のクラスを選択したのはいいが、待っていたのは女だらけの花園だった。


「みんな集まってくれ、今回新たに踊り子のクラスを受けることになった新人を紹介しよう。彼の名はヴィラン、見るからにいい男だろ? 彼ならきっと偉大な踊り子になれると私は思うんだ」


 まるで学校を転校してきた時のように矢面に立たされる。

 自己紹介とか、口にした方がいいのか?


「俺の名はヴィラン、ここより遥か南方からやって来ました。何分田舎もののようなので、勝手がわからず皆さんにご迷惑お掛けするかも知れませんが、宜しくしてやってください」


「ヴィランはムジカ首長の肝いりだ、くれぐれも失礼のないように」


 踊り子クラスのマスター格である男勝りのマスカルがそう言うと、生徒達は威勢よく返事した。


 で? 俺は何をやらされるのだろうか?


「では、早速ヴィランの資質を見極める。皆は自習しておいてくれ」

「マスカル、俺は何をすれば宜しいのですか?」

「これが何だか判るか?」


 マスカルは左手から謎の鉱石を取り出し、俺に示した。


「いえ、判りません」


「これは魔石、音楽を記憶しておける代物だ。今から君は私をパートナーに見立てて踊って貰う。私の猿まねでもいいし、とにかく私の動きに合わせて踊るんだ」


 いいな? ではやるぞ。

 魔石を地面に置き、マスカルはスイッチを切り替えるように居直った。


 彼女は立ち姿一つとっても、気品に満ちている。

 さすがは踊り子クラスのマスター格と言った所か。


 そして、白を基調とした学院の教室内にアップテンポな音楽が流れ始める。

 マスカルはその音楽に混じっていた手拍子に合わせて踊りを舞い始めた。


 ◇


「ヴィラン、君に踊り子のクラスは辛いんじゃないか?」

「……俺は落第ですか?」

「いや、問題ないよ。君に過度な期待をしていた私が悪いのだ」


 体力は申し分ない、筋肉の付き方も秀逸だ、ただ。


「ただ、君は踊ることを楽しんでない。そうだろ?」

「その通りかも知れません、少なくともここにいる皆さんのようにはなれません」


 そう言うと、マスカルは失意が入り混じった息を吐く。

 彼女は少し息を乱していたが、俺の気息は全く乱れてなかった。


「まぁいい、今日の所は見学していてくれ」

「畏まりました」


 マスカルの指導が終わると、教室内に居た女子の踊り子が俺に近づいた。


「あの、先日はありがとう御座いました」

「……もしかしてこの間の通り魔に捕まっていた人ですか?」

「えぇ、キャシーと言います」


 彼女は拙くお礼を言うと、俺を家に招待したいと言い始めた。


「それは構いませんが、その代り俺に秘訣(ひけつ)を教えてくれませんか?」

「私に出来ることなら、何を知りたいの?」

「踊りを楽しむ技術的なものがあれば」


 自分で言っていて、中々に深いことを訊いたかもしれない。

 キャシーは数瞬考えると、俺にこう言った。


「つまり、踊ることが快感になるようなやり方ですか?」

「もっと言えば、マスカル先生のように自分の中にスイッチを持ちたいんだ」

「ずいぶんと高レベルな質問ですね、ビックリしました」


「キャシー、何をしている。ダンスフロアに戻れ」


 彼女と会話していると、マスカルがキャシーを叱咤する。

 キャシーは俺に軽く会釈して、すぐさま稽古場に戻り、踊り始めた。


 その様子を教室内にいた全員が見ていて、軽い笑いを頂いたよ。


 踊り子クラスの実習は一日七時間と聞いている。

 俺がマスカルと踊っていたのは僅か二十分だけだから。


 約六時間半も見学しているのは退屈だと思い、他のクラスを見て回った。

 むろん、マスカルの許可は貰ったさ。


 先ずはシャムが居るであろうソードファイターのクラスに向かった。


「っ!」


 教室内ではシャムが木製の剣を振り回し、指南役と模擬試合をしている。


「筋はいいな! だが!」

「っ!? きゃあ!」


 防御し切ったものの、シャムは指南役に薙ぎ払われていた。


「立ち回りが悪い。お前は自分の力をよく把握してないようだな」

「自分の、力?」

「元は盗賊だったんだろ? なら身のこなし、立ち回り、閃きを何より重視して戦うといい」


 ……シャムは俺が選択したクラスに甚く驚いていたが。

 俺だって、彼女が選んだクラスは分不相応な気がしている。


 思えばレギが選んだクラスだって、違和感を感じるし。

 他の連中が選んだクラスも一見にしてしっくり来ない。


 だがそれは、俺達の向上心の表れなんじゃないか。

 新世界にやって来た解放感が、俺達の挑戦心を奮い立たせた結果だと思った。


 俺はずっと、シャムが頑張る姿を眺めていた。


 彼女が俺の姿に気付くと、少し恥ずかしそうにしていたけど。


 それでも、病的に体が細いシャムが試練の壁に立ち向かう姿は。

 見ていて、勇気を分け与えてくれるようだった。



タイトル:仕事となろうと僕と先生


 今日も今日とて仕事しつつなろう更新!

 しかし、あの先生は今頃何してるかなぁ……っへ。

 どうでもいいか、あんな奴のことなんか、っへ。


 その夜、家に帰宅すると先生が変わらず先生やっていた。

 嗚呼、先生。

 貴方は永遠に、僕の先生だよ。


 ・・・


 乱文すいませやっせんした! 頭に蛆が沸いてしまったようです。

 てへぺろー。

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