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目覚め

魔王、その力は壮絶なるもの。


その力の前ではあらゆるものが無力と化す。

……ここはどこだろうか。

何も思い出せず、何も思わない。


辺りには私の魔力の塊である結晶が沢山ある。

……そうか、緊急事態なのだな。私は目を開ける。目の前には烏合の衆。そしてあれは大砲なのだろうか。それにしては、人が肩でかつげる小型の奇妙なものだ。成る程、緊急事態とは、私に無数のそれらが向いているということか。


私は魔力を少しだけ、解放する。私の結晶が反応する。彼らは怯えていたが、私には関係ない。


「放て!」


それらから発射された凶弾によって、私は目が覚める。結晶に守られているというものの、寝起きとしては最悪の目覚めだ。煙が少しずつ晴れていく。攻撃をされたのだ。私は下をギロリと睨む。その眼光に気が付いたのか、兵士と思われる者は震えていた。


「放て!」


指揮官の命令に兵隊は従う。私はそれを空中で動くことなく逸らしてみせた。そしてゆっくりと降りる。その間に服を着替えた。黒いマントを身にまとい、インナーは赤。胸当をつけ、黒のズボン。そして我が杖、「レッドデーモン」を出す。久々に取り出したが、真紅ではなく、鈍い赤色の水晶が先端についている。私はそれを見て、少し悲しくなる。ぐっと杖を握る。だが、その時、杖は簡単に折れてしまった。何万もの戦闘を経験したが、これは初めての経験だ。先端の水晶だけは回収し、私の魔法倉庫に格納した。


「ふ、ふん!魔王め!杖なき貴様なんぞ、恐れるべき相手ではない!行くぞ!皆のもの!」


兵隊は私を取り囲んでいた。剣か槍を持っているが、何か変だ。彼らが持っているのは、剣か槍。しかし、持ち手は、機械仕掛けになっている。さっきから感じるこの違和感。まるで違う世界に来た感覚。襲いかかる兵隊をするりとかわす。思いっきり振り下ろされた刀。地面に当たったその周囲は蒸気を発していた。


「魔剣か!?いや、貴様ごときにイフリートが負けるわけが……!」


別の兵隊の攻撃もかわす。今度は風刃。少し当たる。しかし魔剣で攻撃できるものとは違う。弱すぎるのだ。一度、兵隊たちの包囲をかいくぐり、距離を取る。


「さすがは魔王。これだけ動けるとは。ならばここで」


私は深呼吸をする。ここは異世界なんだろうか。だとしたら、この洞窟ごと転移したのだろうか。理由はわからない。ただ真実は、この者達は明確な殺意を持って私に接している。ならば


私も、相応のことをするだけだ。


「悪いな。私とあんたらには、超えられない壁があるみたいだな」

「こちらは数でも優勢だ!」


刀が私に襲いかかる。それを左手二本の指で抑え込む。そのまま、刀をへし折る。折られた兵士は刀を放棄して仲間のもとに逃げる。その刀を私は見た。ふーん、と感心しながら、炎を纏わせる。そして新たに炎の刃を完成させた。そしてそれを一振りすると、熱風が兵隊たちを襲う。それは、相手を大火傷させるには十分な程だった。兵隊達は倒れ込む。即興で作成した剣も、その一振りで壊れた。柄を投げ捨てると、命令していた兵隊の元に行く。そして装備品を漁ろうとしたが、足を掴まれた。


「魔王!私が……!」

「全く……しばらく休んでろ」


腕を振り払うと、鎧の上から腹を勢いよく踏んだ。少し周囲がくぼむ。兵士は気を失った。私は兵士の装備を漁る。


「剣と、銃と……あと、こいつは……なんだ?」


片手に収まる程度の四角い物体。画面を触ると「暗証番号」という項目が出る。おそらく下の文字を触り、4桁の番号を入力するのだろう。仕事で持ってくるのだから、何かしらの機密情報があるに違いない。剣と銃に加えて、それを持つことにした。

なろうで連載します、あちゃです。


よろしくお願いします!

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