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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

おかま最強異世界

「わしは神じゃ、お主はトラックに轢かれて死んでしまった。」


「無念です。」


「こちらの事務処理ミスでおぬしは地球での転生が出来なくなってしまった。」


「と言うことは?」


「おぬしには剣と魔法の世界へ転生してもらう。」


「よ、待ってました。」


「普通に記憶を消して現地人として赤子から生まれさせてもいいのじゃが……」


「え~それだと普通の輪廻転生と大差ないですよね?」


「異世界での一度目の生は記憶も肉体もそのままでの転移的転生も可能じゃ。」


「からの~?」


「お詫びの意味をこめてチートを授けようぞ。それで初回の人生を謳歌してくれ。」


「さっすが神様分かってらっしゃる。」


「取り敢えず異世界語翻訳スキルと獲得経験値倍増スキルとアイテムボックスを授ける。」


「基本ですね。」


「もう一つ、希望するアイテムかスキルを与えよう。」


「魔法をガンガン使いたいです。」


「ふむ、では大賢者スキルを授けようぞ。全属性の魔法を扱えるうえに

魔力量増大、魔力操作向上、初級魔法であれば最初から使える。中級以上の魔法は

知識と修練が必要じゃが大賢者があればすぐに覚えられるじゃろう。」


「じゃあそれで。」


「うむ、あとは異世界での一般的な旅装束一式と銀貨5枚をやろう。これで街へ

入る為の税を払っても10日ほどは宿で暮らすことが出来るはずじゃ。」


「ありがとうございます。」


「では達者でな、あちらは他の神の管轄なのでわしは見守ったりは出来んのじゃ。」








気が付くと僕は草原に立っていた。なんかボロっちい服着てる。

腰には短剣、足元にズタ袋が落ちている。


中身を漁ってみたら着替えと水筒らしき革袋と固そうなパンとコインが5枚入っていた。

これがこの世界の銀貨かな?銀貨はズボンのポッケにしまった。


短剣を抜いてみる。素材は分からないけど多分鉄かな?

まさかオリハルコンとかのファンタジー素材の業物ってことは無いだろう。

普通っぽいけど素人には手軽で扱いやすそうだ。


草原の先には城塞都市っぽい物が見えている。あそこに行こう。



何事も無く門前に辿りつけた。門の前には門番らしき武装した男たちがいる。


「止まれ、このショキノ街に何用だ。」


「あ、えっと取り敢えず宿泊と仕事を探したいです。」


「仕事?この街に知り合いは居るのか?身分証を見せてくれ。」


「知り合いは居ないです。身分証ですか、えっと……」


「まさか持ってないのか?身分証なしに入れるわけないだろ。」


「こいつ怪しいな、犯罪者か逃亡農民じゃないのか?」


「身分証もなしに街に入ろうとはな、世間知らずだし逃亡農民だろう。」


「捕えて代官様に引き渡すか?」


「いや待て、仕事を探しているのなら冒険者をさせればいい。」


「それもそうだな、最近モンスター増えてるし。」


「おいおまえ、冒険者になる気はあるか?」


「冒険者ですか?薬草採集したりモンスター倒したりするあの冒険者?」


「そうだ、冒険者としてこの街に貢献するのなら入れてやれるぞ。」


「それが嫌なら暫く牢屋に入れられて農村に送り帰される。」


「いや、逃亡農民なら農奴に格下げされるかもな。」


「冒険者になります!冒険者になりたかったんです!」


「おお、そうかそうかそいつは重畳。」


「おいジャック、おかまバーまでひとっ走りしてきて職員呼んでこい。」


「はい、先輩!」


若い門番が街中へと駆けて行った。

それにしてもおかまバーって聞き間違いか?

と思ったけどどうやら聞き間違いではなかったらしい。

若い門番が連れてきたのは金髪モヒカンで、はきちれんばかりの

筋肉でパンパンになったピンクのタンクトップを着て

真っ赤な口紅と紫のアイシャドーを施したミニスカートのおかまだったのだから。



「あら~ん、この子が冒険者志願の子なの?かわいいじゃな~い。」(^_-)☆


バチコーンとウインクをかまされた。おえーー。


「わたしは冒険者ギルド職員のジョセフィーヌよ。フィーちゃんって呼んでね。」


「は、はい。加藤圭介です。」


「カトウケイスケ?変わったお名前なのね~。」


「あ、いえ、ケイスケでいいです。」


「ケイスケちゃんね、よろしく~。」


「それじゃジョセフィーヌさん、そいつのこと頼みますよ。本来は入門資格が

無いので冒険者登録前に街中で逃がさないようにお願いしますね。」


「勿論よ、任せておいて。絶対に逃がさないわよぉ、ねぇケイスケちゃん?

逃げないわよね?うふふふふ。」


「ひぃぃぃ に、逃げません。」


僕はジョセフィーヌさんの丸太のような腕でガッシリと肩を組まれて連行されたのだった。

あ、入門税銀貨1枚はしっかり門番に徴収されました。




「さ、着いたわ。ここが冒険者ギルド、通称おかまバーよ。」



僕が連れ込まれた場所は想像していた荒くれ者犇めく冒険者ギルドではなく

ミラーボールが煌めく場末のスナック感漂う如何にもなおかまバーだった。

いや、僕は未成年だからスナックもおかまバーも行ったことないけど。

ドラマとかで見たそういうお店そのまんま。

店内には綺麗なお姉さん?やら、汚いお姉さん?達がテーブル席で

キャピキャピと談笑している、野太い声で。


「ケイスケちゃん、カウンター席に座って。何か飲む?」


「えっとじゃあお水で。」


「うちのお店のソフトドリンクは~ミルクがおすすめよぉ~。

フィーちゃん特製の濃厚ミルクをお出しするわねぇ。ちょっと奥で仕込んでくるわ。」


「ちょっと待って!水でいいです。お願いしますお水ください。」


「ええ~お水でいいのぉ?わたしのミルク美味しいのに~。」


「そんな変なもの要らないですお水大好き!」


「変なものって何よ失礼ね。新鮮な牛乳とヤギ乳をブレンドして隠し味に

はちみつを少々加えて乳氷と一緒にシェイカーで振るった特製ミルクは大評判なのよ?」


「あ、それはちょっと美味しそう。」


「でしょ?変なものって何よ。あ、そっか~うふふ。分かっちゃったわ~。

勘違いしちゃたのねぇもう、おませさんなんだからぁ。」


「な、何のことでしょうか。」


「そんなものお店で出すわけないじゃないもう~。でもぉご希望とあらば

アフターで、なんてね?」(^_-)☆


お断りします。あとそのバチコーンはやめてください。

しかしこの人お店って言っちゃったけどギルドじゃなかったの?






「さ・て・と、それじゃあまだ名前しか知らないし詳しい自己紹介でもしてもらいましょうか。」


どうする?正直に転生者だって白状したほうがいいのかな?

でも普通は信じてもらえないよね。逃亡農民?とかいうのに

間違えられてたしその設定に乗っかったほうが無難かな?


「ケイスケ17歳です。農村の仕事が嫌になって街で仕事がしたくて出てきました。

たぶん魔法の才能があるので戦えます。冒険者になりたいです。」


「そうね、ケイスケちゃんからは魔力を感じるわ。それも結構な量よ。

それだけ魔力があれば村に来た徴税官に魔法アカデミーへ推薦されたり

兵士にスカウトされたんじゃないの?」


「い、いいえ?ありませんでしたよ。」


「ふ~ん、まぁいいわ。それじゃ本当に冒険者になるのね?」


「はい。」


「じゃあ分かってるとは思うけどおかまになってもらうわよ。」


「はいぃぃぃ?」


「冒険者がおかまなのは当然じゃない。あなた、何処から来たの?」


「いや~、すごく田舎だったから。知らなかったなぁあははは。」


「田舎ねぇ、まぁいいわ教えてあげる。」


「お願いします。」


「昔の冒険者ってのは食い詰め者や犯罪者紛いの連中が行き着く先だったから

アウトローばかりで色々と揉め事を起こして社会問題になっていたらしいわ。」


「なるほど。」


「しかし、聡明な神官様のひとりが閃いた。おかまジョブが活用出来るのではないかと。」


「おかまジョブ?」


「そ、聖職者の祝福を受ければ男なら誰でも得られるおかまジョブよ。

子供でも知ってる常識だと思うんだけどこれも知らない?もしかしてジョブも?」


「すみません。」


「色々なジョブがあるのだけれど、適性がなければジョブは得られないわ。

ケイスケちゃんならきっと魔法使いジョブを獲得できるんじゃないかしら?

剣の才能があれば剣士ジョブ、信心深ければ神官ジョブとかあるわね。」


「ジョブがあるとどうなるんです?」


「その才能をより引き立ててくれるわ。だけどジョブ持ちなんてほんの一握りよ。

一割ぐらいじゃないかしら?でも例外があるの、それがおかまジョブ。」


「男なら誰でもって?」


「そうなの、男になら誰にでも授けることができる特殊なジョブ。

神は世界に男と女を作ったけれど神でも想定しなかった変異が起きてしまった。

男なのに心は女という人が偶に産まれてくるの、要するに天然のおかまね。」


「天然……ですか。」


「天然のおかまは異端視されて人間社会で迫害を受けていたわ。

そんなおかま達を憐れに思った神が創造し、おかまに授けるようにと

聖職者達に神託で伝えたのがおかまジョブよ。」


「おかまがジョブでおかまを強化しても意味がないのでは?」


「そんなこと無いわよ、おかまジョブは最強なんですもの。肉体的にも

精神的にも強化されるの、それで強いおかまを迫害なんて出来なくなったのよ。」


「それじゃあ、いまの世はおかまの天下?」


「そんなこと無いわよ、おかまが力に溺れないようにって神様はちゃんと

ストッパーも仕込んでいたの。おかまジョブが精神に作用して穏やかな人柄に

なるのよ。だから自衛以外の身勝手な暴力を振るうおかまなんて滅多に居ないわ。」


「もしおかまジョブが危険なら、聖職者が祝福を与えなかったでしょうしね。

おかまジョブにはコミュ力を上げる効果もあるから今の時代ではおかまは人気者なの。

腕力で迫害に抗う必要も無くなった。おかまにとってはいい時代になったわねぇ~。」


「おかまジョブについては分かりました。でも、なんで冒険者はおかまに?」


「犯罪者予備軍だった冒険者を矯正する為よ、穏やかな性格になるし

おかまジョブには精神的な去勢効果もあるから婦女暴行事件の抑制にもなるわ。

あ、婦女暴行だけじゃないわよ?おかまジョブを得ると性的趣向が変わって

男好きになるけどノンケを無理やり襲ったりはしないからね?」(^_-)☆


「それやめてください。」


「理由はそれだけじゃないわ。おかまジョブは強いから

冒険者を守ることにも繋がるのよ。おかまジョブが強制されてから

冒険者の死亡率はグンと下がったの。なりたてのおかまでも下級の

モンスターなら素手で倒せるしベテランのおかまにもなると

ドラゴンだって拳で倒しちゃうんだから。」


「フィーちゃ~ん、神父さま連れてきたわよ~。」


「おかえりミッちゃん。説明も粗方終わったし丁度良いタイミングだわ。」


「ジョセフィーヌさん、こんにちわ。祝福を授けるのはその少年ですか?」


「そうよん。神父さま、お願いしますね。」


「ちょ、ちょっと待って下さい。もしかして僕をおかまにするって事ですか!?」


「勿論よ、だって冒険者になりたいのよね?」


「辞退します!知らなかったんです!」


「だ~め、だって貴方……農民って嘘でしょ。」


「嘘じゃないです、僕村に帰ります!」


「この国では農民にだって義務教育があるのよ、ジョブについて

何も知らないなんてありえないわ。ちゃんとこの国の言葉が話せるのに

何もしらないなんて本当、貴方って何者なのかしらね。」


「う、実は僕は遠い所から来てて言葉はスキルのお陰で喋れるんです。」


「身分証を持っていない密入国者は農奴か鉱山奴隷よ。捕まえた街の財産として

死ぬまで使い潰される運命なの。でも貴方は運が良かったわね。当ギルドは

丁度人手不足だったし、魔法の才能があるみたいだから奴隷として使い潰すのは

勿体無いわ。私のギルドマスター権限で身元引受人になってあげる。

冒険者として貢献してくれればこの街中での自由は保証するわ。」


「うわーーーーー!」


「ミッちゃん、ヨッちゃん取り押さえて。」


「うお、いつの間に!?くそっ離して。くっ、動けないなんて馬鹿力だ。」


「その力が、もうすぐ貴方の物になるわよ。神父さまお願いね。」


「待って下さい。待って、やだ、おかまはやだーーーーーーーーーー!」


「大丈夫、おかまってと~っても楽しいの。直ぐに慣れるわ。」


「ああ~~~~~~~~~~~~~~~!!!」
















「フィーちゃんおはよう、ねぇねぇちょっと聞いて~昨夜またナンパされちゃった。」


「おはようケイちゃん。あなた華奢でかわいいもんねぇ。またノンケ引っ掛けたの?」


「そうなの、昨日は新作の魔法少女コス着てたから入れ食いだったのよ。」


「貴女のデザインしたあのシリーズ男ウケも良いし人気よねぇ異世界の服だっけ?」


「そそ、この世界の魔法使いの服って野暮ったいのよね女性用は

魔法使いのおばあさんみたいな地味なローブととんがり帽しか無かったんだもの。」


「今じゃ魔法使いの女の子達みんな貴女のデザインした服着てるものね。

あの服着たさに偽魔法使いまで出てるとか?王都でも流行ってるらしいじゃない。」


「そうなの、もう印税ガッポガポなのよ。今度王都に視察に行ってもいい?」


「いいわよ~、羽を伸ばしてらっしゃいな。あ、新作コスメのお土産よろしくね。」


「ふふふ、分かったわ。」


「それで、昨夜はどうだったの?」


「そうそう、3人お持ち帰りしたんだけどー。お口でしてあげてー

いざ本番ってなって服を脱いだら逃げられちゃった。」


「あらあら。」


「うわーおかまだーー!!だって、酷くない?」


「しょうがないわよおかまなんだもの。あんまりノンケを騙すような事しちゃだめよ?」


「違いますぅ、ボクはおかまじゃなくて魔女っ子男の娘なんですぅ。」


「男の娘ねぇ、異世界の概念だっけ?わたしには解らないわ結局ホモじゃない。」


「この世界の人はダメダメですねぇ遅れてます。ボクの元の世界では

男の娘はほぼほぼ女の子と同じ扱いです。おかまやホモとは違うのです。」


「ノンケにも受け入れられてるんでしょ?もう耳タコだわ信じられないわねぇ。」




こんな感じでボクは男の娘になっちゃったけど、異世界ライフを満喫してます。

転生させてくれた地球の神様、ならびにこの世界の神様ありがとうございます。

ボクは幸せです。



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