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妄想の中では、無敵の俺  作者: 菊RIN
3/9

管理人さん



今日はカウンターがやけに渋滞している。

会話を聞いてみると、会員証を忘れたらしい。いるよね、こういうヤツ。身分証があれば会員番号とか検索出来るのに、免許証もないらしい。いや、そういうのって、常に携帯するもんじゃねぇの?管理人さんも困り顔だ。まぁそれもまたアリなんだけど…

結局、入場拒否ってことになった。若造が店員の対応が悪いとか言ってる。いや、悪いのはお前だ!会員証忘れたのもお前。身分証持ってないのもお前。これだけで悪決定なのに、管理人さんを悪く言うなんて、お前敵決定な。

捨て台詞を吐きながら出ていこうとする輩を呼び止める。

『おい、ボウズ、てめぇが忘れただけだろう。みんな迷惑してんだ!頭下げて帰れよ。じゃなきゃ、俺が常識ってヤツを教えてやるよ。』

『す、すいませんでしたー!』

逃げ帰る輩。管理人さんが羨望の眼差しで俺を見ている。

『困りますねぇあぁいうお客さん。大丈夫でしたか?』

『はい。ありがとうございます。お客さんが貴方みたいな方ばっかりなら、いいんですけど…』

とか言って見つめあったりなかったりして…


などと妄想していたら、ようやく順番が来た。

「大変ですね、あぁいうお客さん。」

「え?あぁ、たまにあるんですよ。」

「そうですか。」

ブースのプレートを受け取り、入場する。まぁ、忙しそうだし、これ以上話しかけるのはやめよう…



ツナギさんは、今日もカレーらしい。ウチの親父は「カレー大好ききれんじゃー!」とか言ってたけど、なんのことやら…

ただ持っているマンガがいつもと違う。どちらかと言うとアキバさんが好きそうなマンガだ。

…そう言えば、あのマンガ、パチスロになったとか聞いたことがある。店に陳列した情報誌にも書いてたなぁ…これは仕事帰りにパチスロ打って、面白そうだからマンガを読みたくなったパターンかな。もしくは打つ前の予備知識で読むのか?なかなか勉強熱心ですね。その情熱がホントの勉強に向いてたら、今頃東大出て官僚かもよ?


さてと、ようやく「我が家」に帰って来たわ。47番ブース、表札出したいくらいだわ。自分の時間を邪魔されないって、こんなにストレスフリーなことは無いな。親にも邪魔されず、セールスマンが来ることもない。新聞の勧誘とか、変な宗教とかも来ない。まぁ、シャワールームの順番待ちくらいかな、煩わしさと言えば。


今日の夕食は、ミートソースパスタにした。勿論2倍盛りだ。ブースの扉をノックして、管理人さんがパスタを持ってくる。他のバイトと違って、言わなくても粉チーズとタバスコも一緒に。

流石は管理人さん。俺の好みを熟知している。愛を感じるね、勝手に。この前他のバイトの兄ちゃんが持って来た時は最悪だったな。まぁ冷凍食品なんだろうね、わかるよ。四角く袋に入ってて、あっためてソースかけるんでしょ。ただ美味しそうな盛り方ってあるじゃん!袋から出したまんまの四角い麺が、一切形を変えず皿にのってたよ。せめてほぐせ!んで中央にミートソースを見栄え良くのせろよ。メニューの写真通りとまでは言わない。せめて近付けろよ。

その点、管理人さんのパスタは、見てるだけて既に美味しい。今日も管理人さんに感謝しつつ「いただきます!」

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