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妄想の中では、無敵の俺  作者: 菊RIN
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アリだな。

こんにちは。菊RINと申します。

前作とは全く違う毛色の作品を描き始めました。

共感出来ることはないかもしれませんが、

性格に難がある男の日常、覗いてやって下さいませ。



この家は居心地が悪い。

おふくろが死んで、しばらく経つが、まさか親父が再婚するとは思わなかった。

ヒキニートだった俺は、おふくろが死んでバイトを始めた。バイト先のコンビニでは、俺以外のバイトは外国人。アイツらはやる気に充ちていて、正直俺の仕事は、アイツらが対応しきれない厄介な客の相手をすることくらいだ。



家に帰ると、親父が連れてきた女が声をかけてくる。

「たかしちゃん、おかえり。ご飯は?」

「…食べてきた。」

「お父さんお風呂入ってるから、上がったら次入ってね。」

「あぁ。」

女は俺をちゃん呼びする。おふくろにそう呼ばれていたから、真似したらしい。ったく、馴れ馴れしい…俺はアンタに心開いてねぇぞ!気安く呼ぶなよ…


女の作ったメシは食わない。味が合わないだろうし、逆に合っても不愉快だ。店の残り物の弁当は、外国人バイトが持って帰っている。仕方ないので、牛丼屋辺りで済ませる。俺にとっては安定の味だな。


部屋に戻れば、ヒキニート時代と変わらない生活だ。動画見て、ネトゲして、チャットして…俺にとっての日常。その日常を覆す声がする。

「たかしちゃん、お風呂どうぞ!」

…マザコンとか、親父が許せないとか、そういうんじゃないんだ!別に親父も男だし、老後とか、俺を当てにされるよりは、誰か相手がいた方がいいだろう。それは構わない。女もコブ付きの親父を承知で相方になった。俺とも家族になりたいのだろう。気持ちはわかる。一生懸命だ。わかってる。けど、違和感…とでも言えばいいのか、俺の居場所が無くなる感覚。この閉鎖空間をこじ開けようとする存在…ほっといてくれないかな、俺の事は。アンタは親父の相方だろうけど、俺の母親じゃない…



俺は精神の安定を求めて、最近出来たネカフェに来た。

フラットなマットブースは快適だ。シャワーもあるし、フードメニューもそこそこ美味い。月替わりのメニューもあるらしい。広さ…と言うより狭さが心地いい。受け付けのお姉さんも可愛いし、愛想いい。事務的に業務をこなす無愛想なバイトと大違いだ…まぁ俺の事だけど。

月に使っているマンガの購入費とネットの契約料、外食代、バイト先までの交通費…色々考えると、それらの出費が無くなれば、夜間割引きも考えれば、バイトの稼ぎで365日ここに住める計算になる。

「アリだな。」

俺は息苦しい家を出て、ネカフェ生活をする決断を下した。

ネット回線の契約を打ち切り、部屋に溜まったマンガを買取り屋に持ち込む。もう買う必要は無い。ネカフェに全部あるし、新刊も速攻入ってくる。俺は初版だ保存版だなんて家に取っておくほど執着は無い。親父には、友達とルームシェアする。と言った。横文字に疎い親父には、ルームシェアがなんの事かわからないだろうが、どうせ相方が説明するだろう。とりあえず3日分の着替えと、スマホの充電器を持って家を出た。


「自由!FREEDOM!ふははははぁ!鎖を解き放たれた獣が、街を蹂躙…しないけどね。なんか叫びたくなったのは確かだな。うん。」

そのままネカフェに向かう。今日から我が城だ。安住の地、ネバーランドだ。ドリンクバーでカップ麺にお湯を入れ、ブースに入った。

同時進行で書いているので、不定期更新です。

なるべく長期間更新無しってことはしたくないですが、たまに見かけたら読んで下さい。

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