【5-2】医者上手にかかり下手?
やっと出社。やっと仕事。
「ご迷惑おかけしました。申し訳ありませんでした」
真先に小池部長と松田先輩に頭を下げた。
「おうお帰り。まだ体力戻ってないだろ。絶対に無理すんじゃないぞ」
「はい」
「今日明日はマスク着用を命ずる。秘書業務中もだ」
「社長が死ぬほど心配してる。早く行ってこい」
「はい」
「ご迷惑をおかけしました。申し訳ありませんでした」
社長に頭を下げると、感情が感じ取れない声が降ってきた。
「体調管理も仕事のうち。特に我々は薬屋だ。今後は十分気をつけるように」
「はい」
「例の件だが改めて指示を出す」
社長は紙を手にして読み上げた。
「一、ヘブンス社への接触を一切禁ずる。
二、LOTUS社専務との社内ならびに社外での一対一での接触を禁ずる。
三、ヘブンス社専務の指示が出るまで、LOTUS社長秘書及び企画開発業務に従事することを命ずる。
四、LOTUS代表取締役社長の指示に従い勝手な言動を慎むことを命ずる。以上」
「……かしこまりました」
新品の手帳と、真新しい社用スマホを渡された。
「改めて、私の秘書を頼む」
「誠心誠意、励みます」
ヘブンス専務の指示が出る日まで、俺は社長秘書だ。
それまで、この人の傍に居られる……
嬉しくなる自分が嫌になった。
コンコンとノックの音が響いた。
「どうぞ」
入ってきたのは結子さんだった。
「弁護士の沙田先生がお見えになりました……」
「追っ払って。アポなしだから」
追っ払うって酷いな……
「梅村くんに連絡済とおっしゃってますが」
「……え?」
個人用スマホには来てない。
「……恐らく旧社用携帯にされたのかと」
「そうですね」
「……あ、そっか。じゃ、ごめん赤城さん。通してもらえる?」
「かしこまりました」
結子さんが出て行った途端、社長は不満を露わにした。
「あー、もうなんでさとにぃ今来るんだよ! いっつも変な時に来る!」
いつもの社長だ。思わず笑ってしまった。
安心したように、社長は俺を見て微笑んだ。
その目は前と変わらない優しい目だった。
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「遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします」
長らくお会いしてなかった先生は人相が少し変わっていた。
激務とインフルエンザのダブルパンチで痩せられたせいで元から彫りが深かったのがさらに深くなり、
目がギラッとしてる。
記憶の中のご先祖様、知之進様は線が細くひ弱そうな方だった。だいぶ違う。
梅吉が少し怖がってる。
「やっぱりさ、弁護士の髭は良くないと思うよ」
前はなかった髭、そのせいでワイルドさがかなり出てる。
「ちゃんと剃るよ今の裁判終わったら」
沙田先生と社長は珍しく真面目に仕事の話をしはじめた。
お茶を出し終え、一旦退席しようと思ったら二人に止められた。
「約束の『一澄藩沙田家覚書』完訳持ってきたよ」
社長は目に見えてウキウキしている。
「それがさ、気になる記述見つけたんだ」
「どんな?」
「うるさい親戚がよく言うでしょ、健ちゃんって先祖に似たんじゃないかって。その事だと思うんだよ。これ、蓮見屋五代目当主、嘉太郎って人」
間違いない。旦那さんのことだ……
「店を使用人に任せ放蕩三昧……」
あれ、おかしいぞ。
『ちゃう。大嘘や』
「耐えかねた使用人に裏切られ、三津屋隠居清兵衛毒殺の咎で入牢の後、獄中で謎の死を遂げる』
『やっぱり三津屋の御隠居さん殺したのも、旦那さん殺したのも、全部わてのせいや』
(なんでそうなるんだよ。梅吉って書いてないだろ)
いつか俺が読めた部分に入った。
「一時闕所の後、分家に養子に出していた兄弟を本家に戻し、蓮見屋から漢字を変え蓮美屋とし……」
『わて、蓮見屋潰した…… 暖簾汚した……』
(梅吉?)
『わては穀潰しの疫病神や……』
(梅吉!)
『存在自体が毒なんや……』
(正太!)
ダメだ。心の闇に囚われて、俺の声が届かない。
……あれ?なんか、身体がおかしい。
「……翔太、大丈夫?」
社長に気づかれた。
「……大丈夫、です」
……インフルエンザの振り返しだろうか?
違う。これは前もあった。
言い終わるか終わらないうちに、拷問されたあの夜の光景がフラッシュバックし、
身体中に痛みが走り、目眩が俺を襲った。
「さとにぃ!ちょっとストップ!」
「……え? ……梅村君?」
「翔太!!!」
突然ブラックアウトした。
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社長の心配そうな顔が俺を覗きこんだ。
「……梅吉。大事ないか?」
あ、旦那さんか……
「あれ、わて……」
梅吉に主導権が行ってる。
「気絶した。そのまましばらく安静にしとき」
俺たちはそふぁーに寝かされていた。
旦那さんは俺に優しく微笑んだ後、ものすごい顔で沙田先生を睨んだ。
あんな怖い顔するんだ……
「本当にごめん梅吉君」
沙田先生が俺を梅吉と呼び、頭を下げた。
「……え」
「嘉太郎君に、二人のこと聞いた。本当にごめん」
「……いえ。先生はなんも悪くありまへん。お構いなく」
「智司さん。この元の本持ってきてもらえますやろか?」
「はい」
「他にも何か見つかったらお願いします。わて自分で読めますさかい」
「はい」
「それと、ほんに申し訳ありまへんけど、今日はお引き取り願えますやろか。
一人しかおらん手代と秘書がこの状態やと、わても健一はんも仕事にならんのですわ」
目が笑ってない冷たい笑顔を浮かべ、冷たい声で言う旦那さんに沙田先生は従った。
「……本日は大変失礼致しました。後日改めます」
「すんまへん。また改めて食事でも」
旦那さんが先生をお見送りするために出て行った。
社員室の来客用ソファで寝ている俺たち。
『大丈夫?』
(……すんまへん。まだ目眩がします)
『もうちょっと横になってよう』
すぐに旦那さんが戻ってきた。
「大事ないか?梅吉」
ものすごく不安そうな旦那さん。梅吉の脈を取り、目を覗き込み、おでこに手を当てた。
『旦那さんって、医学知識あるの?』
(蘭学勉強してはりました)
『へー』
「旦那さん大丈夫だす。ご迷惑おかけしました。……失礼します」
立ち上がるなり目眩でふらつき、旦那さんに抱き止められた。
「まだ座っとり」
「すんまへん……」
「茶入れるさかい。一緒に飲も」
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お茶を飲もうと梅吉がマスクを取ると、旦那さんにじっと見つめられていた。
俺も梅吉もドキってした。
「目だけは小さい頃から変わらんな。可愛らしいままや」
「可愛らしい言わんといてください……」
一番言われたくない人に言われた。不満は尤も。
「すまんすまん。男前や。もっと顔よう見せてくれ」
目を輝かせて俺の顔を見つめる旦那さん。
梅吉はめちゃくちゃ恥ずかしがっている。
「最初に見た時、見惚れたわ。カッコええなーて」
「あんまし見んといてください…… あの頃よりだいぶ老けてますよって……」
また老けてるって……
「いくつやっけ、翔太はん」
「二十七だす」
「健一はんはもうすぐ三十二…… せやな、老けたなお互いに」
社長も起きてたらきっと怒ってるだろう。
「おまはんはいつ目醒したんや?」
「去年の夏だす」
「すまんな。長い間一人で放っておいて」
「いいえ」
突然、旦那さんは驚くことを梅吉に言った。
「梅吉。わての番頭になってくれへんか?」
何を思ったんだろう。社長が俺を改めて秘書にしたから?
『一緒にいたい』から?
梅吉はすぐ返事をした。
「お断りします。わては蓮見屋の暖簾に泥塗り、蓮見屋を潰しました」
「梅吉」
「それに、わては三津屋の御隠居さんと旦那さん殺した罪人だす。お傍にあがることもほんまはあきまへん」
「梅吉」
「改めて、暇乞いを」
旦那さんが一人で突っ走った梅吉をピシャリと嗜めた。
「あかんかあかんくないか、おまはんの進退を決めるのは主人のわてや。おまはんはわての手代や」
俺と社長の関係以上に、梅吉と旦那さんの関係は厳しい。
「わてが死んだのはおまはんのせいやない。おまはんは店を潰してない。
わての弟の徳三郎が継いで、今の健一はんまで屋号が二、三回変わっただけで、ずっと蓮見家のもんや」
「せやかて、わては……」
「とにかく自分のせいや言うのやめ。ええな? 次にわてのせいて言うてみ……」
どうする気だろう。梅吉は俺以上にビクビクしている。
「擽るでぇー」
「え?」
『え?』
旦那さんはいきなり俺たちの苦手なところを狙ってくすぐり始めた。
「やめとくなはれ!あきまへん!」
「やっぱり梅吉はここが弱いな!」
「あかん!」
「笑うてくれるまでやめんでぇ!」
梅吉の笑った顔が見たいから、旦那さんは擽ってる。昔の生きていた頃と一緒。
梅吉が今までになく落ち着いて穏やかな気持ちになってる。
やっぱり、旦那さんと一緒にいるのが、一番好きで大事な人と一緒にいるのが一番かもしれない。
「やっと笑ろた」
すごく嬉しそうな表情を浮かべる旦那さんに、梅吉がキュンとした。
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一日の仕事を終えて社長室へ挨拶に行くと、少しだけと引き止められた。
「ごめん、仕事じゃ無い。話がある。梅吉君起こして。嘉太郎も起きてるから」
「はい」
梅吉は素直に起きた。
「あの世とこの世の狭間に囚われてた梅吉君を、閻魔様に頼んで助けて引き揚げてもらった。記憶にある?」
夢で見た。曖昧なよくわからない夢だったけどきっとあれだ。
「闇に飲まれる直前に、誰かが私に手を伸ばしていました。掴めませんでしたが。あれは閻魔様でしょうかね?」
笑って言ったのに、社長は苦しそうな顔をしていた。
「……あれは俺だ」
「え」
『えっ』
「……翔太の手、掴めなかった。助けられなかった」
『旦那さんのせいやない。旦那さんが助けようとしてくれはっただけ、嬉しい……』
旦那さんが梅吉を恨んでなかった証拠だ。これでだいぶ梅吉の魂が救われる。
「ありがとうございます。社長と旦那さんのおかげで、私と梅吉は今ここに居ます」
無理に微笑んだ社長。見るのが辛かった。
「心の闇に囚われたせいで、あそこに囚われたって閻魔様に聞いた。
……原因、覚えてるとこでいい。教えてくれる?」
「……はい」
干柿を差し入れに持っていったこと。番頭さんにそのせいで旦那さんが死んだと言われたこと。
番頭さんに蔵に閉じ込められ、虐待されたこと…… 全部正直に話した。
途中でまた気分が悪くなって、社長にものすごく心配かけさせてしまった。
「ごめん。長々と引き止めて。帰って早く休んで」
また無理して笑顔を作る社長が気がかりだったけどその指示に従った。
「はい。社長もお早目にお帰りください。失礼いたします」
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久しぶりに社長に誘われて、社長室でのランチタイム。
でも俺は弁当を作って持ってはいかなかった。
俺が作ったものを口に入れて欲しくない。怖い。
梅吉の気持ちとリンクしてしまったらしい。
食後のお茶を毒味して出すと、社長に深刻そうな眼差しで聞かれた。
「……俺に何か飲ませたり、食べさせるの怖い?」
気付かれていた。やっぱり社長の洞察力、観察力には敵わない。
「……すみません。そうみたいです」
すごく悲しそうな顔。胸が締め付けられた。でも無理なものは無理だ。
「この事は後で嘉太郎から直接梅吉君に話がある」
「はい」
俺の淹れたお茶を社長が飲んだ。やっぱりお茶やコーヒーが限界だ。
「……あのさ、俺が前にあげたボールペンだけどさ、どうした?」
「は?」
途端に社長は手で顔を覆ってしまった。
(可愛いな……)
『可愛らしいな……』
「……ほんとごめん。こんな事いままで彼女にも言った事ないのに。ほんとどうかしてる、俺」
俺も歴代彼女に、そんなこと言われたことがない。
でもなんか、すっごい嬉しい……
『社長さん、旦那さんの感情に引っ張られてはる。翔太はんのその感情もわてのせいや。すんまへん……』
でも全てが梅吉に引っ張られてるわけじゃない気がする。
梅吉が寝てても、社長の仕草や言動にドキッとするし、社長の事、かっこいいなとか可愛いなって思う。
『結局根が一緒やってことでっしゃろか』
(そうかもね)
「頂いたボールペンは、家の引き出しの中に仕舞ってあります」
「そっか……」
ホッとした様子の社長。俺もひと安心だ。
「……気分的に使えるようになったら、使って欲しい」
「はい」
俺のことを思って贈ってくれたボールペン。
使える日が来るかわからないけど、絶対に捨てはしない。
「嘉太郎が代われってうるさい。梅吉君お願いできる?」
「はい」
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「お呼びでっしゃろか、旦那さん」
やっぱり梅吉は気持ちを抑えつける。会えて嬉しいのに。
「落ち着いて聞いてくれ。わてな、おまはんが持ってきた干柿は食べてない」
ほんとだろうか?そしたら干柿毒殺はやっぱり梅吉の思い込みって事になる。
「……気使わんといてください」
「ほんまや。そもそも、そんな差し入れ受け取ってへん」
「……ほんまですか?」
「おまはんが持ってきてくれた頃には、多分もうあの世やった」
嘘だろ……
いつか帰ってくると思いながら梅吉は過ごしていた。
旦那さんのためにって干柿を包んで賄賂まで用意して持っていった。
なのに、もうあの日旦那さんはこの世の人じゃ無かった……
梅吉はショックを受けている。
「わてが死んだのはな、お富が持ってきた饅頭のせいや。分けてやった囚人仲間が二人、一緒に三途の川渡ったさかい間違いない」
お富?
『ごめん。お富って誰?』
(旦那さんの許嫁、薬種問屋池屋の嬢はんだす)
夢で見たお嬢さんだ。梅吉が好きになれなかった人。
許嫁が殺人犯?まさか……
「お富が自分でやったのか、裏に誰かいてたのか、それがわからへん。せやからそれを調べたいんや」
(……それが未練やろか)
そうかもしれない。でも……
『それだけで、梅吉まで生まれ変わらせる?』
何のために?
(……わては旦那さんのモノ、道具やさかい)
本当にそれだけの理由?
「わかりました。お手伝いいたします」
旦那さんはニッと笑った。
「おおきに。ちゃんと調べて、おまはんの思い込みと罪悪感綺麗に消して、一緒に極楽行こな」
……なんて言った?
極楽行こうって?
一緒に?
「わては極楽には行けまへん。地獄行きだす。旦那さんを牢に入れたさかい」
まただ。干柿毒殺容疑はほぼ晴れたけど、旦那さんの投獄は自分のせいだって言う。
「おまはんのせいやない。わてはわての意思で牢に行ったんや。おまはんを守るために」
ただの手代のためにそこまでするか?
ダメだ。俺だったら都合のいい方に捉える。旦那さんも梅吉とおんなじ気持ちだって。
(ちゃいます。弟を助けたい兄さんの気持ちだす。畏れ多いけど、わては旦那さんの弟さんの代わりだす。それに、旦那さんは普通の人や。男が好きなわけがない)
頑なな梅吉には、どんなに言っても無駄みたいだ。
「牢に行ったことを悔いて無い。悔いてんのはな、おまはんを守れんかったことや…… わてが獄死したせいで、番頭の久兵衛に酷い目に遭わされたて……」
旦那さんは梅吉の手を取った。
「痛かったやろなぁ。苦しかったやろなぁ」
旦那さんは目に涙を浮かべながら、梅吉の手を摩った。
その手は大きくて暖かかった。
梅吉は堪らず、涙をこぼした。
旦那さんに全く恨まれていなかった。梅吉の想いとは違うけれど、旦那さんは梅吉をとても大事に思ってくれている。
梅吉は溜まったものを洗い流すように泣いた。
旦那さんはしきりに優しい言葉をかけてくれ、涙をぬぐってくれた。
時間はあっという間に過ぎる。
旦那さんは名残惜しそうに握っていた梅吉の手を離した。
「今日はこれまでやて…… またな。絶対やで」
「へえ。また」
また逢いたい。
素直な強い梅吉の感情が伝わって来た。
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過去の記憶の夢を見た。
月が綺麗な夜だ。
旦那さんに呼ばれた梅吉は部屋に向かっていた。
『伏見の酒もろた。飲も』
『お相伴させていただきます』
杯に一杯で旦那さんの頬に赤みが指した。
薄暗い部屋の中でもわかるってことは、相当弱い。
『もうしまいだすな』
『まだ飲める!すぐおまはんはいけずなこと言う……』
むくれる旦那さんが可愛い。
『仕方ありまへん。旦那さんは、あんまり強うないさかい』
『ええよな。梅吉は酒が強うて。羨ましいわ』
前世でも現世でも俺たちは全く同じことをしてる。
『どや?新入りの丁稚は?』
仕事の話。
『やっと慣れてきたところだす』
『そうか』
『新しい御寮人さんに迷惑かからんように、みっちりしこまなあきまへん』
『せやな……』
もうじき祝言なんだろう。例のお富との結婚。
にも関わらず心なしか浮かない様子の旦那さんは、話を逸らせた。
『梅吉、いっしょに京へ行かへんか?』
きっと仕事だ。
『どこへなりともお供します』
京都で何の仕事だろう。
『清水のお寺さん行って、祇園で遊んで、伏見で酒飲んで、北野の天神さんでおまはんの好きな梅見て、おいしいもの食べて……』
梅吉は笑った。
『仕事やないやないですか』
旦那さんも笑った。
でも梅吉はわかっている。仕事を放ってただの手代がついていけるわけがない。
『行くなら、旦那さんが隠居してからだすな』
何気なく放ったその言葉に、旦那さんは目を輝かせた。
『そんならそれまでずっと、うちにおってくれるんやな!?』
この人はなんでこんなにも梅吉を蓮見屋に縛り付けたんだろう。無邪気に、無意識に……
でも梅吉は従った。旦那さんが好きだったから。傍に居たかったから。
『わては死ぬまで旦那さんの手代だす』
お互い死んで生まれ変わった今、社長は俺をLOTUSに縛りつける。今度は意図的に。
でも俺は従った。社長が好きだから。傍に居たいから。
死んでも、生まれ変わっても、俺とあの人の関係は変わらない。
『いつか二人で一緒に行こな。仕事やない、物見遊山や』
一体俺は何のために生まれ変わったんだろう……




