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葉を見ず、花を見ず  作者: 喜世
第5章 開戦
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【序】開戦

 夢や……

 子どもの頃の夢や……


『大事無いか?』


 可愛いらしい顔がわての顔を覗き込んだ。


『あ、わかだんさん……』


 まだ前髪の旦那さん。

 まだわてが旦那さんのこと純粋に人として好きやった頃や。


『これ、嘉、あっち行ってなさい』


 御寮人さんが旦那さんを追い出してしもた。

二人目の息子さんを風邪で亡くした御寮人さんは、風邪を極度に怖がってはった……

 せやけどこの後、旦那さんはこっそり戻ってきはったんや……


『……大事ないか?』


『へえ』


『ひとりで寝るのは寂しいやろ?』


 いっつも丁稚仲間と雑魚寝。風邪が感染るとあかんよって、今は一人。


『わては、正次郎がおらんようになってからはいっつもひとりや。寂しい……』


 わては亡くなった弟さんと同い年。

 わてはその代わりみたいなもの。


『一緒に寝よ』


『へえ』


 旦那さんがわての布団に潜り込んで来はった。


『熱あるなぁ、熱いなぁ』


 旦那さんの手が気持ちええ……


『梅吉、はよ良くなり』


 これが最初で最後やった。


 旦那さんにわての風邪が感染って、わてと旦那さんは御寮人さんにえらい怒られた。

 旦那さんはわてを庇ってくれはったけど、主人と奉公人では身分が違うて番頭さんに怒られ、二度と一緒に寝ることは無かった。


 せやけど、男はんが好きやて、旦那さんが好きやって自覚したわてには、ちょうどよかったんや……

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