1/68
【序】 夢
いつ頃からか忘れたが、同じ夢をよく見る。
眼に映るのは、荒縄で両手を後ろに縛られた男の背中。
その背中に触れようと、必死に手を伸ばす。
しかし、周りから沢山の手が現れ、強引に地べたに押さえつけられる。
必死に、男の名を叫ぶ。
けれどその男は決して振り向かない。
代わりに優しい穏やかな声が返って来る。
『……大丈夫や。心配しな。大丈夫やから』
必ずそこで現実に引き戻される。
まるで、その男にこっちに来るなと言われているように……
いつ頃からか忘れたが、同じ夢をよく見る。
眼に映るのは、荒縄で両手を後ろに縛られた男の背中。
その背中に触れようと、必死に手を伸ばす。
しかし、周りから沢山の手が現れ、強引に地べたに押さえつけられる。
必死に、男の名を叫ぶ。
けれどその男は決して振り向かない。
代わりに優しい穏やかな声が返って来る。
『……大丈夫や。心配しな。大丈夫やから』
必ずそこで現実に引き戻される。
まるで、その男にこっちに来るなと言われているように……
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。