第30話 伝説の終わり
講義が終わった翌日、俺達ノアキ族は「神鳥“鵬”」の背にぎゅうぎゅう詰めで乗って新大陸へと向かった。
族長、つまり俺が率いるノアキ族の目的は新大陸へ向かう理由は2柱の魔王の討伐。ラーノラ医師とモリマン美人妻の1人息子キチ・フタミと、数名の老人を残した全戦闘員を率いて総力戦を挑む。
新大陸では、拠点を構えて集団戦闘の訓練を行い、その場にいるノアキ族全員に空中で立体的に戦闘を行える技術を叩き込んだ。この戦法は、時代を数百年程先取りした対魔王戦術ではあるのだが、ここでは触れない。
その1年後、長い長い激戦の末に魔王べリアルとその取り巻きの魔貴族達を撃破した。
◇ ◇ ◇ ◇
桃太郎、浦島太郎、マッチ売りの少女、それから引き返してきた「神鳥“鵬”」――。ジツシ・キテス元族長の薫陶を受けし三兄弟と1匹は族長である俺の2年遅れで新大陸へと向かった。筋肉を鍛えて戦える身体にするのに時間が掛かったと言う。
それから5年後。
――暗黒大陸に帰ってきたのは僅か4人。年老いた隻眼隻腕腰簑の男と、赤い頭巾に腰簑の少女、腰簑の老人と、鉢巻をした壮年の腰簑男だけだった。
その後、キチ・フタミと赤い頭巾の少女は夫婦となって余生を過ごしたと言う。
その百余年後、この暗黒大陸にて1つの覇権国家が誕生する。
「偉大なる鷹の侵略者の帝国」
鷹を紀章とする旗をはためかせ、瞬く間に全大陸を統一した。
そして、その歴代皇帝の影には必ず隻眼隻腕の男が居たと言う。
その男の正体は異世界の亡霊とも、初代国王の英霊とも言われているが、彼が歴史の表舞台に立つ事は、かの帝国が滅亡するまでの1,700年間終いぞなかった。
―― 片 羽 の 隼 ――
~異世界ラノベ小説家転生蛮族伝~
作 林集一
俺は此処まで書いて1つ大きな背伸びをした。そして、ペイモンの角で作った羽ペンを置いた。
了
……と、スマートフォンにて打った後、小説家になろうサイトに投稿したのだった。
めでたしめでたし。




