第3話 暗闇創作劇場 但し客など居ない。
どれ程の時間が掛かったのか計算する事も出来ないが、何とか眠気を飛ばすようにして作業をして、手頃な武器を得た。
それは石斧と石槌だった。
◇ ◇ ◇ ◇
手頃な石を砕いて削り、長方形の石の片方に刃を作る。そして50cm程の木の棒の先を石刃を使って割って、その石片を挟み込む。挟み込んだ後はぐるぐる巻きに蔦を巻き付けて固定する。先ずは石斧の完成である。
「案外頑丈に出来たな」
振り回し、土に降り下ろす。
ザクッ!
と言う音を起てて柔らかい土に突き刺さる。
特にガタつく事なく固定されていた。これならば小型の猪や蛇くらいなら撃退出来そうだ。
続いて作ったのは石槌。作り方は先程の石斧と一緒だが、挟み込んだ石の先の一端が円柱になっている。500g位だろうか、多少重たくなっているのでハンマーとして使える様になっている。
先程と同じ様に性能チェックとして適当な石に降り下ろすも、特に壊れる様子がない。
道具の用途としても武器としても石斧の方が有用で殺傷能力があるが、何となく作りたいと言う気持ちで石槌を作ってしまった。後悔はないが、使い道なんて有るだろうか。
……眠気が出てきた。
少しの間うずくまって目を瞑るくらいは平気だろう。
少し横になるくらい平気だろう。
…………。
周囲に大きい生き物の存在は確認出来ず。少し位寝ても大丈夫かな……。
……。
あ、朝か?少し空が白い……。
俺は少しの間だが寝ていた様で、夢を見た感触があった。
夢の中で俺は「転生童貞卒業おめでとう」と言う野人先輩からのメッセージを受け取った。