第25話 蛮族
彼は、何処かのタイミングで何処かからノアキ族に転生した1人で、規則に縛られたノアキ族の呪縛を解こうと努力したらしい。しかし、どうにも上手くいかなかった。そんな時に俺が転生してきて、この世界のカラクリに何となく気付いたらしい。
「それに気付いた時にな、ここで俺がやりたい事は何だったのか……って思ってな。ノアキ族の変革なんてちっぽけな事はやってられなくなった。俺は国が作りたい。そして、この国は世界を統一するんだ」
「……その後継者があの子達ですか」
「そうだ。あいつらは転生者であり、ノアキ族であり、俺の子達だ。それであれでいて10歳だ。これからもっと強くなるだろう」
「……」
俺は笑った。
しかし、俺の目からは涙が溢れて止まらなかった。年を取ると涙脆くなるね。
……。
……。
……。
「じゃあ、あのドラゴンゾンビ達はジツシ・キテス元族長が倒したまんまほったらかしてたんですね」
「はは、1人だったから解体が難儀でな」
「そうラーノラ仮族長に報告しておきます」
「何だお前まだ族長じゃねぇのか」
「実力ではまだ上級戦士に勝てませんから」
「だろうな、あんな武器に頼ってたら勝てねぇよ」
「なっ……まぁそうですね。でもジツシ・キテスさんだって……」
「一周回るとどんな武器でも技が使えるんだよ。俺が言いたいのは石の穂先の木の槍も使えない分際でそれを振り回しても弱いままだって言ってるんだよ」
「ぐうの音も出ません」
……。
……。
こうして語り合った後、俺達は兄弟でも親子でもある童話三兄弟と「神鳥“鵬”」に挨拶して、五支と共にノアキ族のテントへと戻った。
俺はいつの間にかに心も身体もノアキ族になっていた様だ。




