【短】獣耳っ子と日常
初投稿です。
よろしくお願いします。
ぴくぴく。
そこにいるのはフワフワの耳、尻尾のついた『可愛い』女の子。彼女の名前、『ノン』狐の獣人だ。
村の人たちはノンの事をいつも『のんたん』と呼ぶ。なぜならノンはまだ6歳で言葉を覚えたばかり。
あまりうまくしゃべることが出来ないので自分の事を
「のんたんねー。」
と舌足らずに言うのだ。
これはそんな女の子『ノン』の日常。
「ふぁ~。」
ノンは朝早くに起きる。
「マンマ。おはーよ。」
ノンはお母さんと二人暮らしだ。あいさつの後は顔を洗い、畑に行く。ノンは畑でニンジンの世話をするのが日課だ。
「のんたん。知らない人について行っちゃだめよ。気を付けてね。」
ノンのママは毎日、優しい目でノンを見送る。
「行ってきま~す。バイバー、マンマー。」
大きく手を振りながらノンは畑へと出かけていった。畑につくとまずはニンジンに水やりをする。
「ふ~んふ~ん。」
まだ上手に鼻歌を歌えない。
「のんたんのにーじーさ。おーしーでーか。」
(のんたんのニンジンさん。美味しいですか。)
ジョロジョロジョロ。
ノンの鼻歌と水が落ちる音がする。だが・・・
「みゃぁっ。」
水の勢いで何かが跳ねた。
「む~。」
何が跳ねたのかノンは近づいて覗き込む。
「・・・。・・・。」
「っあ!み~ずさーだ。」
(っあ!みみずさんだ。)
その物体はみみずだったのだ。ノンはミミズと一生懸命話す。
「のんたんのね。にーじーさね。おーしーよ。たーる?」
(のんたんのね。にんじんさんね。おいしいよ。食べる?)
返事のしないみみずにずっと話しかけるノンだった。
「のんたーん。あーそーぼー。」
そう声をかけてきたのはノンの友達たち。
「うん!いーよー。」
そう言ってノンは畑のニンジンを数本抜き風呂敷に包む。
「いこー。」
ノンは駆け足で友達に駆け寄った。
「のんたんみーっけ。」
ノンは迎えに来た友達と一緒にかくれんぼをしていたのだ。そして最後、残ったのはノンだった。ノンはかくれんぼが一番得意なのだ
「みつかったー。」
残念そうにノンの尻尾が垂れる。
カーカー
遠くでカラスのなく声がする。
「もう夕方だねー。」
ぐ~。誰かのお腹がなった。
「のんたんにーじーさ、もってーよ。」
(のんたんにんじんさん持ってるよ。)
「「「たべるー。」」」
皆の声が重なった。
カリカリカリ
ニンジンの食べる音がなっている。
「おかえりなさーい。」
家に帰ると温かい声がノンをむかえる。
「マンマただいまー。」
それがノンの日常。
どうでしたか?読みにくい部分もあったと思いますが、楽しんで頂けたなら幸いです。