甘い商談。
お久しぶりです!!久々になりすぎですね。有谷さん、見てらっしゃるかな??押し押しクラウンです(^^)
帰りたい。
巧実のあの声で、私を叱って。抱きしめて、キスしてよ。私は―…。
巧実が好きなのよ。大好き。今更自覚した恋心は、甘く切ない痺れで私の心を震わす。
「会いたい…」
そう呟いて、真珠のような涙がポシャンと私のスマホに落ちては、不思議な音を奏で始める。その音なんかよりも、私は悲しかった。勝手に浮かれて、勝手に苦人とアッサリ心を許して、どれだけ汚れてしまったの。
「会いたい…!!」
その音が、光に変わり、私は唖然として涙が止まってしまう。
目の前が真っ白で、ハッキリした光へ生まれ変わり、私を包み込んだ。
「え、何…??」
「まさか、高等魔法?お前、そんな光の魔法が使えるのか??」
「な、何よ、それ?」
まさか、私にも苦人君みたいに魔法が使えるなんて信じられない。心を逆なでするような感情が、湧き上がる。クラウンの声が驚きに満ちたものだとすぐ分かってしまう。
「私にもし、魔法が使えるなら、私は苦人君が邪魔しても…帰るわ」
苦人君みたいに、あれだけの魔法をむざむざと見せつけられ、最悪争うことになっても…私は負けたくない。覚えたての魔法で、彼に争うなんて出来るのか手が震える。
すると、その手を優しい鎧が包み込む。
私は後ろから抱きしめられ、何だか胸がキュンとするより、心が「一人じゃない」と言うことに安堵してしまう。重なり合う手にこの人は味方。と会ったばかりの彼を信じる私は本当薄情。苦人君にも何か理由があって―…とかも、考えたけれど、私の意志は固かった。
「力を貸して下さい。先ほど戦った貴方なら、私に魔法の使い方を教えて下さい」
「お前の光は、元々心が綺麗だから魔力が純化している。この世界でたった一人お前だけが光の魔法を扱える。そこに苦人が眼を付けたんだ。苦人の魔法を使うあいつに立ち向かえるのはお前しかいない。俺は名ばかりなホーリーナイトでね。
雷の魔法で誤魔化して、光の属性を使えるよう名乗った。」
「何で、そんなことするんですか??」
「俺も君に惹かれてるから。」
「は?」
まさかの乙女ゲー的な展開に頭がついてかない(金井なんて^^)光の属性がどうとか、ここはRPGか!Σってネバーランドに夢物語、更には現実に戻れないBADEND√!?こんな時、ゲームの選択肢間違えてGAME OVERによくなるんだよなぁ。
「魔法を教える代わりに、俺はお前にキスする権利を有する」
「え…」
後ろから抱かれていたのを、くるっと手慣れたように、その腕にすっぽり収まったのかと思えば、腰を抱かれて、顔が間近に!!近い!!近いですよぉおおと思いきや、意外としっかり支えられて悪くないかもなんて、思った瞬間、仮面の奥には澄んだ綺麗なグリーンの目が光ってる。
目があった瞬間、どういうわけなのか、仮面は透明になってかしゃんと床に落ちる。
その時には、私の顎に片手を添え、私の唇は、彼と重なり、甘い心臓のときめきが、静寂に響かないかなんて、考えた。誰も聞いていない、誰も居ない。ただ、触れるだけのキスを何度かされる。
何故か嫌だなんて思わない。
軽い女になったのかと思いきや、
綺麗でアクのない顔がその度に近づき、優しい白髪がふわふわ額に触れた。
どこかで、逃避したい気持ちを見透かすような深い瞳に、
私は溺れてしまったのかもしれない。
これは、商談。いつもの仕事よ。
心が軽く思われないかとか、心が純化してる割に計算高い!ってか、何者だよ!!とのツッコミ、いつか全部謎解きします!!…Σハードル上がったー!!!(;;)