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貴方を抱きしめて。  作者: 丹
20/22

マリーゴールド。

お久しぶりです!!心目線です。っていつまで待たせてんねん!すみません!!さぁ、覚悟は出来ております…石を…私に…やっぱり河原へGO!!(逃げた)表現とか文とか大分変っていますが、書いてみたらすんなりだったので、これからまた頑張ります!!+一部修正。

空間の塊を通ると、狭間に何かが落ちては朽ちて吸い込まれて行く。


「ん?何かな??」


それは、ネバーランドのあのカラフルな煉瓦と家達だった。あのオレンジ色の屋根が散り散りになる様子に何かが起きては、この世界を破壊してる事に気が付くと背筋が凍る。でも、引き返そうなんて思わない、ぐっと下唇を噛んで、瘴気のような不思議な感覚を浴びながら、ただ真っすぐに未知ならざる道を進む。長くて短いような空間を抜けた。その感覚を肌で感じた瞬間、


カッと光が差す。その光がネバーランドへ着いたんだ、理解してから、眩しさで目がくらんだ。思わず、手と指で目を覆ってから、その目を恐る恐る勇気を出して開ければ、目の前に飛び込んだのは、


「な、何よ、これ?」


禍々しいまでの何とも言えない匂い。毒とは違う。それに伴う独特で不快な歌。暗闇で満たされた大きなお城。蔦で囲まれた―呪われた古城だとでも表現出来るほどの。いつの間にか私が以前見た町はなく、周りは暗い色の変な森、街の人はどうなったの?はっと気が付くと、横に懐かしい気配を感じる。驚いて退かせなかった指と手を目の前から退けると、可愛らしい容姿が飛び込んで来るのだった。


「心…何で…来ちゃった…ノ」

「だって!お父さんが作った世界だもの、私が止めなくてどうするのよ!」

「…可夢偉様は…いや、今はそんな事言ってもしょうがないネ。あーん、羽根引っ張らないでェ。

…でも、私が苦人の事を言ったせいだから…ちょっとはいいヨ」


初めてこの世界へ来たときの先住民ようせいさん。ニコと笑うので、ツンデレかっ!!謎の心の声に無視しつつ、綺麗にキラキラオーロラのような羽根を暫く人差指と親指の腹で引っ張っては「あ~、あの時逃がしたトンボどうしてんのかしら~」と思う。ひとしきり遊んだ後「今どうなってるの?」そう尋ねると、言いにくそうにもじもじしながら、妖精は一言ずつ喋りだした。


「まず、街は見ての通り壊滅的だヨ、クラウンはあの呪いの古城に閉じこもって、元の城の食べ物は全部占拠しちゃったノ。牢屋に居るのは苦人のみ。他の町の人は、苦人が自分が逃げられない条件を強化することで、城の外へ逃げる事を同意したノ。主様は、依然逃亡中。戦果は本当に期待出来ないヨ?」

「…いいんだ、自分が逃げた報いだから私が全部引き受ける。」

「心…」

「…あ、でも力は貸してね?」


決めたのに、たはっと笑って震えを誤魔化す。こんな怖い夢、逃げ出したいし目を覚ましたい。

でも、こののろいで苦人君を苦しめたのなら、これは報復で、報いだ。身に受ける幸せと不幸は、今まで逃げていた私への『罪』。


「そう思って…」


妖精さんが、大きくて長い白い清らかな気持ちになる先に鈴が付いた、可愛らしい杖を手渡ししてくれた。戸惑って「これを…私に?」と聞き返すと、「苦人からの贈り物だよ。魔法が落ち着いて使えるよう二」「やだな。年甲斐もなく魔法少…」「??」「何でもない」そんな会話を繰り返し、本当は苦人君の優しさに目が少しだけ潤む。


「さて、ここは目立つからとりあえず、森に降りて、端の方から城に入ろうか」


ふわ、とそういえば浮いてる事に気が付くと、

「魔法が初心者な心でもこの杖があれば、コントロール出来るようになるノ」

「…初心者…か」

ちょっと苦々しいヒーローだけれど、街の人は私が舞い降りた瞬間に、とりあえず森に泊まって行って下さい、と心の奥が小さな頃に来た苦人君との思い出を思い出す。この森はまだ変わってはいたけれど、優しい匂いの風で満ちていて、歌声が聞こえれば、安らな気持ちになる、それは父の話してくれたお伽噺に似ていた。お母さんが好きだった自分が書いた絵本の、語りながら…幼心にこの絵本の王子様は、お父さんで、お姫様はお母さん?と聞くと、父は何故か悲しそうな顔で瞳から涙が零れていた。


母は交通事故で亡くなっていた、とまだ分からない年頃、

魔法があると言えばなくて、ないと言えばある、そんな微妙で繊細な子供の頃。

自分の力じゃ何もできない癖に、出来るよと威張って困らせる、


そんな我儘が残された父を傷つけたのでは、と心が痛んだ。

父が失踪したのは、もう随分前の事で、顔を段々忘れていく薄情さに悲しくなっていくんだ。


「…はぁ」

「心さん、ご飯が進まないんですか?」

「あら、貴方は…?みんなとは一回りぐらい違うけれど…」

「私は、黒い魔女と呼ばれる、マリーゴールドと申します。

この世界ネバーランドに住む嫌われ者ですわ」


マリーゴールドと呼ばれた黒い魔女は、口元では笑わず、シニカルな表情で、淡々と一言業務連絡、と言った感じの、品のあるつり目の女性だった。変わったフォークとナイフを使い慣れてると言って綺麗に平らげる様子は、魔女と言うより貴婦人と言うにふさわしく、年齢的には苦人君より下に見えるぐらいにはお肌と髪のキメが細かい、本人も分かってるようだった。見惚れるぐらいに美しいので、私も見習おうとフォークとナイフを手に持つ。


(ん…?何この周りの雰囲気…感じ悪いなぁ…)


そういえば、ご飯を食べていても、ヒソヒソと噂声が絶えない。色とりどりの変わった野菜の味を楽しんで食べるどころか、悪口を陰口と呼べるか悩む距離と言い回しにカチンと来つつも、敢えて私はじゃがいもに似た野菜をぱく、フォークに刺して口に含み、顔を明るく、口角を上げて、「元の世界のかぼちゃみたいですね~」と言えば、「かぼちゃ?」「何それ?」「トレッティーノって言うんだよ、その果物」そう気を逸らして、「みんなで美味しく食べましょうね」とその美人魔女さんに声を掛ける前に、食事へと話題を変えていく。


「あれで良かったのかな…」


河に流れる苦人君とチーズを取ったほとりは、まだ森へ古城の浸食が少なくって、温泉めいたストロベリーの入浴剤を入れたみたいな、暖かなお風呂になっていた。部屋的に、他の部屋を勧められたのだけれど、マリーゴールドさんの許可なく、彼女の家へと泊まる事にした時も、私じゃなく向けられた冷たい目線へと気が付いてしまう私であった。


「私も隣いいですか?心さん」

「マリーゴールドさん!」

「マリーでいいですよ」


マリーさんは、綺麗な顔立ちを優しく微笑ませ、緑のグラデーションの瞳が外国の絵本の中に出てくる西洋の魔女のようで、更に肌が白い。サラリと長い黒髪がどんなお手入れしてるんだろう、と考えてからその下を見て、思わず落ち込んでしまう。


「ぐは…ま、負けた…」

「?」

「あ、いや、こっちの話です。先程は」

「…すみませんでした。心さんを巻き込んでしまって、私個人と町の人が合わないだけですの。

普段はもっと砕けた話し方なんですけど、生まれが分かるようだなんて言われて、つい癖で」

「私もこんな明るく話すせいで、苦労知らずだの、あんたなんかに分からない~とか言われますけど、

ヒガミだわって馬鹿にするよりも、私の事は知りたい人だけ知ればいいやって思ってます~。

そんな風に言ってる時点で、相性が合わないので」

「…」


目をぱちくりさせながら、長いまつ毛を伏し目がちに何かを考えてるマリーさん。

「心さんって、おいくつなんですか…?」何やらどういう意味だろう??と思いつつも、この世界の人1000歳とか言ってるし!恥を忍んでペロッと言うと複雑な顔をされる、どっちの意味の?ツッコミ入れようか!手をお湯から軽く出した時点で、


「心って呼んでもいいですか…?」

「ん?どうぞ、いつもみんな結構軽くそう呼ぶので~」

「ふふ、あたしも敬語じゃなくていいよ」

「マリー!よろしく!!」


その後、背中と髪を流し合いっこするぐらいには仲良くなってしまい、シャンプーやボディソープ等、パジャマまで借りてしまった。圧倒的に足らない何かをサイズで感じながら、ネグリジェのデザインが可愛くってセクシーです。ヤバイ、帰ったらあの雑貨屋さんの1000円(税込み)のパジャマ新調しよう!シャンプーのフローラルブーケの女の子らしい匂いに、また負けた…これを機に女子力を考え直す!!女の子らしいとは何なのか考えながらボディソープのいい香りを漂わせていると、


「あ、どっちの部屋ですか?寝室」

「左のパステルカラーの方です」

「あれ?どっちだったかな?」

似た可愛らしいドアノブとドアの色とデザインが似ていて、迷って右のドアノブを手に取った。


「あ!!そっちはダメ!!」


と言われつつも開けてしまったドアの先は、可愛らしいぬいぐるみの沢山置かれたピンク色のファンシーな棚、窓は外国風の洋館によくあるシャープなデザインが引き立つ、マリーの白い肌に似た純白のレースの刺繍の施されたカーテン。床には薄いパステルカラーの薔薇の模様の愛らしいマット。


でもそんな事よりも、


マネキンが沢山、そのマネキンは色鮮やかな明るめのドレスを着ていて、刺繍がそれぞれに細かく縫った伝統衣装と言うよりは、小説や海外ドラマに出てくる西洋の貴族のドレスを軽くて、より繊細にした感じだった。その奥の目に付いたのは、花嫁衣裳を着たマネキン。チャイナだったり、英国式だったり…見てて楽しい。


「この世界にもウェディングドレスってあるんだ~」

「ウェ…??」

「あ、結婚って言えば分かります?一生を共にする時に開かれる誓いの儀の正装ですよ~、

すごい綺麗!憧れちゃうな!!」

「心は、このドレスが綺麗って心から言ってるの…?」

「え?何で??綺麗以外に言葉が見つからなくて、語彙力ないのかな~って不安になるけど」

「―参ったなぁ…流石苦人の…選んだひとかぁ」


心から嬉しそうな顔をした後、悲しそうな顔をして、私の方を見やるマリー。


月が落ちて、窓から入る月光に照らされて、漆黒の黒曜石みたいな髪に透ける肌のマリーは嫌われても仕方ないほどの妖艶さで嫉妬を買う、美しき黒い魔女だった。


「この世界ネバーランドを教えてあげるわ」


厳かで丁寧な語り部として、少しずつ綺麗な形の薔薇のような唇を開く。

生まれが分かるようだ、と言うのは嫌味じゃなくって、嫉妬を感じていたのかもしれない。

マリーの設定が激変…なのが分かりますね、チャーミング女子設定だったのに.。o○泡になってしまいそう(話書いてからにしろ?そうですよね)

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