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貴方を抱きしめて。  作者: 丹
13/22

番外編~魔法の始まり~前編

前回声を掛けてきた人物目線です。

話が繋がってるのですが、心と苦人目線ではいないので、

番外編になりました。今年初更新、これからも頑張ります!

私はとても地味な子供だった。両親は不仲、二人の姉には苛められ、眼鏡を厚くて地味な物に変えると、余計に目立たなくなって、小さな頃から空想と絵本が好きで、大きくなる度に、私は仲が良かった家族が冷えていく過程を見てきた。


自分が気が付いてたら書いていた小説は、親にかまってほしかったんだと思う。


二人では仲の良い姉たちが、少しでも「すごい」と頭を撫でてくれたら—…。


そんな幸せな小説はハッピーエンドで魔法のある優しくてカラフルな絵本みたいだった。


挿絵を描く度に、心がワクワクと高揚し、自分だけの未来をそのまま描いて行けるような空想を抑えらなかったんだ。小説や絵本は、両親が不仲になるほどに暖かな空想を書いて、姉が苛める度に、鮮やかになってく色彩。私はこの感覚が普通だと思い込もうとしていたのと同時に、誰にも分からないと高を括る自分の皮肉さを誤魔化す。クラスで一人仲良い人が減り、二人減り、3人減り…私は、幼馴染おともだち以外とは壁を作った。


唯一の友達にある日初めて私の書いた絵本を誕生日プレゼントにラッピングして渡したら、とびきりの笑顔で優しく頭を撫でてくれた。


まだ、細やかな亀裂が、やがて大きなものへ変わって行く切なさは、一体どこからやってきた「不幸」なんだろう。全部全部、私は頑張ってきたと言い負かす自負に身を委ね、勝手な空想は「妄想」にチェンジしていく—。


そんな年の重ね方をしていたら、


私がいつも通り、ペンを走らせ、躍るように微笑めば。


そのペンが描いた絵が、


少しずつ動いていく。


同時に、とてもメルヘンな音楽が、私の耳元で小さく響いていた。


その音楽に合わせて、ピアノにバイオリン、タンバリンに木琴、尺八にピアニカ、ギターにハーモニカ。


それらがすべて形になって、小説を書き始めると、


私が書いた世界が、少しずつ少しずつ動いて行き、楽しくって…もっともっと妖精たちの絵と話を描いた。


そうここは夢の国。


誰にも邪魔されない私だけの絵本。

私だけの小説。私だけの幸せ。


そんな幸せな夢を見たんだ。


高校2年生になるころには、夢の中の小説を考えることに必死で、手は常に油性のクレヨンで汚れるほどに常に狂ったように絵を描き始めていた。


成績が下がると同時に、


私は変わり者の「烙印」を押され、学校で誰も用事があるときでも声を掛けなかった。


そんな高校には、学校1の美女に育った幼馴染が柔らかく微笑んで、


「—なら、夢を叶えられるよ!」


と、私の小説家の夢を応援してくれた。

伸びたサラサラの黒いストレートヘア、整ったアクのない綺麗で可愛い顔立ちに、スレンダーで細い脚。

校則は守り、きちんとした丈のチェックのプリーツのスカートと、お化粧は色付きリップ程度で、それでも綺麗な唇をしており、いつの間にか生徒会に入ったかと思えば、才覚を発揮し、生徒会長になるほどの美貌と人気で、私は一緒にいるうちに完璧すぎる彼女に気後れするようになってく。


一緒に帰れない時間が続けば、

優しくされる価値のない人間ではないのではないかと落ち込み、

そんなネガティブで捻くれた私は、いつしか彼女と夢の国に行けたらと、更に妄想は肥大して。


夢の中でどんどん世界は広がって—


私はここの世界をネバーランドと名付けた。


チョコレートの川が流れたら—あら不思議、川にはチョコレートが流れてく。

チーズが浮いてたら—おや不思議、三角のネズミさんのチーズが浮かんで。

甘いきのこがあればなぁ—どうしたの?ストロベリーの味のきのこが。

活気づく街があって、カラフルな世界は独特な魔法で維持しよう。

みんな子供が良い。大人何てずるくて汚い両親のような世界でしょう?

恋?そんなもの知らないよ。恋なんてなければいいんだよ?


気が付いたら、子供たちで活気づくカラフルなレンガの街と、

お城には主と言う子供の王女様が秩序を守り、法律を決めてしまう。

何も争いのない優しい街に妖精さんが私に魔法の粉を掛ける。


「わぁ~!私飛べたんだ!!」


そう呟けば、ただ単に夢だと思ってた世界が、色づいて語り掛けてくるようになる—。


「そうナノ。—は、世界の創造者ナノ」

「みんな貴方を必要としてるノよ。」

「この世界に留まってホシイノ」


小さな子供たちはみんないがみ合いのない、私の大事なお友達。

私が箒で飛びたいと木に触れると、木が暖かな光に包まれ、箒が魔法のように現れた。

その他にも、私がチョコケーキが食べたいと願えば、山のようなチョコレートのタワーが出来た。

願うだけで、私はなんでもできることに気が付いた。


学校なんて


行かなくっていいや。



「ねぇ、—は最近どうしたの?成績も下がって—受験生なんだから」

機嫌をとる母親と父親の声。

気が付いたら私は高校三年生じゅけんせいになっていた。

空想に耳を傾けて、妄想を具現化。それが、魔法とくべつとか選ばれたとか誤解していた。

徐々に両親と姉たちは、あまりの変化に戸惑い、食事や買い物に誘うようになった。

優しいのを同情と勘違いして、皮肉にも助けなくていいよ。今まで散々馬鹿にしてきたくせにと思ってた。


後で知る。両親は私の絵本の事でいがみ合ってたことを。

母親は美大に進学させたい。父親は公務員になって欲しい。

姉たちは、何て声を掛けたらいいのか悩んでいて。


どうでもいいや。



この世界ネバーランドさえあれば。



気が付いたら、


何がしたいのか分からなくって、


みんな進路が決まってく。


私の人生どうなるんだろう。



気付けば、美しい幼馴染が、珍しく下駄箱でぼーっとしていた。

顔が赤く、靴をしまうために扉を開けたのか、片手にローファーで、もう片方の手が扉を開けていた。

何故か、胸が軋む。何でこんなに私は動揺してるのだろう。


「どうしたの?」


「あ…は、初めてで…」


そこには、


ピンクの封筒に入った赤いハートのラブレターが。



私は、


何でだよ、


だって、綺麗だから。


身も心も美しく、高嶺の花を盗られたくないと思う。


おれ」だって男だよ。


背が高いぐらいしかいいとこなくって。

イケメンじゃないけど、ビン底眼鏡してるけど、


—盗らないで。


俺のポディションを盗らないでくれ。


鏡に映って、ビン底眼鏡をはずすと、


こんなにも視力が良かったことに気が付いて。


自分が久しぶりに鏡を見ると、


俺はとても綺麗な顔立ちをしていたことに気が付くのが遅すぎて。


自分で言うのもなんだけど…こんなにカッコ良かった??


と思えば、


止めに行こうと彼女を追って。

お疲れ様です!やっぱり貴方を抱きしめて。更新してしまいました。

実は彼、男です(笑)察しが良い方きっと誰か分かりますね(^^;)

今年もよろしくお願いしますm(_ _)m

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