一幕 ナタル、出撃
茶髪で黒い目の准将 ナタル ウィリアムスはSEED軍第一機動艦隊所属。
長身の彼女は濃紺の軍服を着ていた。
ある日、ナタルは士官室にいた。
彼女はかつて、伝説の戦艦 シルバーウィングに乗艦していた。
ナタルの元に茶髪で蒼い眼の中尉 ジミー アリアスがやって来た。
「ウィリアムス准将、スペンサー司令から連絡で、二時間後に出撃してほしいとの事です。」
ジミーは第一機動艦隊 ウィリアムス隊の隊員。ナタルはリーダーとして彼に作戦指揮権を命じた。
「ジミー、あなたに作戦指揮権を命じます。」
ナタルの一言にジミーは唖然とした。
「チーム ウィリアムスのエースとして信頼していますよ。」
ナタルに肩を叩かれ、ジミーは礼をとった。
「ウィリアムス隊長殿のお気持ちに裏切らないよう、頑張ります。」
ジミーを見送り、ナタルは窓際に立った
「ナタル君、いいかね?」
士官室に入って来たのはヤマト艦長だった。
「どうぞ。コーヒーで宜しいですか?」
ヤマト艦長はソファーに座り、ナタルはコーヒーカップを艦長の前に出した
「ナタル君の淹れるコーヒーは美味しいよ。カフェでバイトをしていただけの事はある。」
ナタルは軍に入隊する以前、ロベールシティのカフェでバイトをしていた。
「艦長にお褒めいただき光栄です。」
シャイなナタルは自らの淹れたコーヒーを口に運んだ。
「私がナタル君の元を訪れたのは、新しい搭乗機の件なんだ。」
ヤマト艦長の顔を見れずに、ナタルは「心得ております。」と言うにとどまった。
「君の専用機にスーパーインパルス一号機を授けてはどうかと、レイ殿下が言っておられてな。」
レイ殿下とは、ロベール公国第一殿下 レイ ロベールである。
「レイ殿下がですか?」
ナタルは驚いた声を上げた。
「そう。殿下も戦勲を讃えておられたよ。」
ヤマト艦長はナタルの顔を見ていた。
「艦長、殿下の御意志、尊重したいと存じます。」
ナタルはこのチャンスを生かしたいと思っていた。
「そうか。明日、殿下と会うから、君も来ると良い。」
ヤマト艦長と別れた後、ナタルは凛々しい顔で格納庫へ向かっていた。
艦長は彼女の後ろ姿を見送った
「艦長、後方一kに敵艦です。」
副長は艦長と共に艦橋へ走って行った
艦橋へ戻り、艦長席に座った艦長は最大加速で振り切る作戦を操舵クルーに命じた
「ジョージ・ヤマト・・・。ヤツは一筋縄では行かんな。」
呟くのは敵軍高速艦 フェニックスのダニー艦長である。
「シルバーウィングは高速艦です。SEED軍の基地前で叩きますか?」
木星基地前で叩く作戦を副長は提案した
「いや。モビルスーツ戦で迎え撃とう。カール、いるか?」
黒髪で蒼い目のパイロット カール・タナーは艦長や副長のいる艦橋へやって来た
「カール・タナーです。お呼びですか?」
ダニー艦長はカールにアキを撃つ機会を与えた
「エースを撃つ機会を君に与えよう。」
カールは敬礼した
「しかし、相手方が新型機を出さないとも限りませんよ。」
副長がそう言うと、ダニーは笑った
「カール、新型機で来るなら、新型機で。だろ?」
ダニー艦長は意地悪く笑った。その頃、SEED軍のモビルスーツは敵艦を囲んでいた。
「何だと。」
副長は唖然とした
「ハリアーか。カール専用機 ジェノの出撃準備。」
艦長はきびきびと命じた。
「艦長、敵艦より熱紋です。」
接近していたのはアスラン シューマッハの専用機 セイバーだった。