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其の零
今回はシリアス路線に挑戦します。よろしくお願いします!
「…佐原平純、藤村総司、田島一真、山崎賢一…以上が第六期特殊航空攻撃部隊の訓練兵、及び突撃兵です。」
髭を綺麗に剃り、軍服を着た男は、机に座っている、計画の立案者の大尉に報告していた。大尉は、その報告を聞き終わると、ゆっくりと口を開いた。
「たった四人とは…少なすぎないか?もっと孤児はいるはずだろう?」
「いるにはいますが、海軍基準年齢に満たないのです。」
「孤児院には?」
「補助金を送りました。」
「結構。」
大尉は立ち上がり、窓の近くに行き、男の目を見ずに言った。
「志願者を募れ。これを公布するのは初の事態だがな。」
「承知しました。」
男が出ていくと、大尉は依然、窓の外を見つめていた。そして、蒼穹を見つめながら、独り言を呟いた。
「特殊航空攻撃部隊、略して特攻隊…私のこの計画が採用されるとは、我が大日本神帝国は、よほどアメリカ軍に追い詰められているのだな…」
空には、零型戦闘機、零戦が飛んでいた。